第6話妹と晩御飯

「いつも悪いな渚。母さん達が仕事で遅い時はいつもご飯を作ってくれて。でも今年は高校の受験だろ?俺が作ってもいいんだぞ」


「大丈夫だよ、兄。勉強はバッチリだし、ご飯は私が作りたいだけだから気にしないで!花嫁修業にもなるし」

(お兄ちゃんの手作りも捨てがたいけど私の愛情と、しっかり食べて貰わないと!そしていつかはお兄ちゃんのお嫁さんに♡)


「ありがとうな渚。じゃあいただきます!」

「いただきます!」


「うん。今日の酢豚、トロミがあって旨い!」


「ふふふ、そうでしょ!が最高でしょ?美味しでしょ?だってが入ってるんだもの♡」

(ふふふ、食べてる食べてる♡ああ~お兄ちゃん大好き♡さっきしっかり召し上がってね!フフフ)


「ところで兄さん?」


「んっ、どうした?」


「今日学校で何かあった?」

(何かあった筈よね。あれは幼馴染みの幸子ちゃんや深雪ちゃんとは違う匂いだったもの…)


「ブフッ!」


「も~、兄さん大丈夫?はい、お水!」

(さりげなく私の口浸けたコップを渡してっと…)


「ゴクゴクゴクゴクゴク!プハッ、すまない、渚!助かったよ。ありがとう!」


「ううん、お礼なんかいらないよ!それよりもやっぱり何かあったのね?」

(お兄ちゃんと間接キス♡)


「あ~なんというか告白されたみたいな?」


「!?…誰に?幸子ちゃん?深雪ちゃん?」

(…まさかあの2人に告白する勇気があったなんて…まだまだスローペースだと思っていたのに…ううっ…)


「…どうしてその2人が出てくるんだよ」


「…違うの?」

(お兄ちゃん鈍いからな。良かった。あの2人はまだそこまでいってないみたいね。私のお兄ちゃんは確かにかっこ良くて素敵だけど誰にも渡さないもん。でも、それなら一体何処どこのメス猫が私のお兄ちゃんにアプローチ掛けてるの?手を出したら殺すよ…)


「違うな…」


「じゃあ何処どこの誰?」


「どうした、渚?幸子みたいな顔して」


「い・い・か・ら・早く答えて!」

(幸子ちゃん達も大変みたいね。まぁ、ドが付くほどお兄ちゃん鈍感だからな~。そのお陰で幸子ちゃん達の気持ちには気付いていないから助かるんだけど…。とにかくお兄ちゃんは渡さないけどね。とにかく落ち着け私!大丈夫!水でも飲んで冷静に…)


「あ~5人かな?」


「ブフ~ッ!ゴホッ、ゴホッ!…」

「おい、渚!大丈夫か?」


「ゴホッ!ゴホッ!平気。びっくりしただけだから…ゴホッ!」

(5人って何、5人って。幾らなんでも増え過ぎじゃないの?幸子ちゃんや深雪ちゃんに加えて一気に5人なんて…。ただでさえ妹というハンデがあるのに…いいえ、大丈夫よ渚!兄妹なんて取るに足らない事柄よ!愛は全てを超える!…はず。妹は最強なのよ!)


「…それで兄さんはどうしたの?」


「いや、何も…。まだ会ったばかりだしな」


「そっかぁ…」

(だよね?お兄ちゃんだもんね)


「ただその中の1人から頬にキスされてな」


「…えっ?なんて?」


「頬っぺにキスされた…」


「…はぁ─────────────っ!?」


「渚、声でかい!」


「キ、キキキキキキ、キスされたの?」

(あわ、わわわわわわ私のお兄ちゃんの頬っぺたが奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われた奪われたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺたお兄ちゃんの頬っぺた………)


「ああ、突然な。だから真面目に考えて返事しないと失礼だろ?」


「兄さん!取り敢えずそのお話はご飯食べてからね」

(不味まずいわよ、渚。相手は強大な敵な様ね!私も頑張らないと!!!)


「あ、ああ、だけどまだこの話するのか?俺も何かこう…渚とそういう話をするのこっ恥ずかしいというか何というか…」


「そんな事言ってる場合では無いのよ!兄さん!と・に・か・くっ・今は御飯を食べましょう!」


「…あい!」


「兄さん、返事ははいよ!」


「…はい」


 やれやれ可愛い妹には逆らえないな。まぁ、何処の家庭でも兄貴は妹の頼みや願いは叶えてやるだろうしな!恥ずかしいけどたまには妹とそういう話も良いだろうと思う事にした。

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