第32話初耳
「…お母さん気付いてたの?私がお兄ちゃんを好きだって事…」
「そりゃあ、母親だもの。それに毎日豊和の脱いだ後の服をかずんだり、豊和が使った後の箸やスプーンを咥えたり、中3にもなって豊和と寝ていたら気付くでしょ?」
「はぁ────────!?」
(おいおい…さらっとまたとんでもない事を)
「豊和うるさい!だから幸子ちゃんと深雪ちゃん、どちらかが嫁になってくれる時にはこの子も一緒にお願いしようと思っていたのよねぇ…」
「「あ~確かに。先程言われた事を念頭に置いて改めて思い返してみると見る目が違いましたもんねぇ…」」
「ええーっ!?」
「そうなのよ!しかももう手遅れみたいだからね。困ったものよ…」
「いや、母さん。渚が手遅れって、そんな事は…」
「豊和は黙ってなさい。この際だからハッキリ言うわ!渚は病的ないわゆるヤンデレよ。兄妹は世間的にはマズイわ!でもね…アンタも妹が殺人者になるのは嫌でしょ?私も自分の血を分けた娘がそうなるのは避けなければならないの!言ってる事は分かるわよね?」
「はっ?殺人者?渚が誰を殺すって?」
「…あんたよ、豊和」
「なっ…」
「渚は豊和が自分のモノにならないならそれ位ヤルわよ!だから渚はあんたが必ず面倒みなさい。そしてそんな事実を知っても豊和と結婚する気がある子だけは残りなさい。母親として私からは以上よ…」
「待て待て待て待て待て!母さん何言ってんの?俺の理解が及ばないし、妹は駄目に決まってるだろ!」
「お兄ちゃん。何故私は駄目なのかな?」
「落ち着け渚。俺達は兄妹なんだぞ。服の事とか俺が使用した物とか色々聞きたい事はあるが…」
「…いいんだよ。お兄ちゃん♡恥ずかしがらなくても!もう、私の気持ちはお母さんから聞いたでしょ?お兄ちゃんは私のモノなの!それは絶対なの…」
「母さん!」
「諦めなさい!」
「おい!諦めろって何だよ!母さん頼む!」
「…無理よ!私は諦めてるし、なんだかんだ言っても豊和は私の息子だから。だから任せられるのよ…」
「いや、任せんなよ!」
「とにかくお兄ちゃん。私はもう、お兄ちゃんのモノなの。そしてお兄ちゃんも私のモノなんだから!昨日は他の女に負けない様に私のファーストキスだって捧げたんだよ!ホントは起きてる時にお兄ちゃんからして貰いたかったけど♡」
「ええーっ!何やってんの渚?」
「…と、いうわけなのよ、皆。これでも良いのかしら?」
「「「「「「「「はい」」」」」」」」
「良かったわね!豊和?」
「良くねぇよ!1つも良くないから!まったく良くない!色々良くないからな!」
「渚!豊和と一緒になる事を許す代わりに他の子の存在も認めなさい?そして皆で幸せになる事を考えなさい。あなたにとっても悪い話では無いの。あなたも私の子なら分かるわね?」
「……………分かった、お母さん」
「おいおいおいおいおい。母さん。俺の話聞いてる?」
「いいから!黙りなさい!」
「良くねぇー!全く良くねぇー!」
「お兄ちゃん♡黙っててね、監禁しちゃうぞ♡私はそれでも良いけど♡」
「ば…かな…」
「…豊ちゃん。諦めたら?」
「…豊和諦めが肝心!」
「…豊和君しょうがないと思うよ♡」
「…豊君。諦めるんだ!」
「…豊和君。良いじゃないの、可愛い妹さんなんだし、私も妹欲しかったし!」
「ふん。私はどっちでも良いわよ。ちゃんと私も相手してくれるなら……って今のは無し、違うんだからね!」
「…松山様、諦めが肝心かと…」
「豊和殿、諦めるでゴザルよ!どうせ拙者達からはいつまでも逃げれるもんでは無いでゴザルよ?今日辺りまずは拙者と筆下ろし等すると良いでゴザルよ!」
9人の女性に好かれるってどうなってんだよ。しかも1人は実の妹だぞ。俺はモブだよな?主人公はマジでどうなってるんだよ?ヤベ~な。誰かに墜とされそうな気がして来たよ…。後、茜先輩?直ぐに俺の貞操を奪おうとしないでくれる?
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