第11話ボクと出掛けよう
朝か?違和感と共に目が覚めた俺はダルい体を起こそうと…って何か胯間辺りがとても気持ち良い。やけにモゾモゾしている布団をはぐってみるとあら不思議。そこには先に目覚めたであろう美麗の姿が。
「何やってるのさ?」
「…んっ…おはよ!朝から豊和が辛そうだったから…。嫌…だった?」
「そんなことは絶対に無いです。逆に有難うございます」
「ふふっ、じゃあ続きした方が良い?」
「是非お願いします!」
「うん…♡」
朝から存分に美麗とイチャイチャしてからシャワーを浴びリビングへ行くと唯が1人でコーヒーを飲んでいた。尚、美麗は疲れたのだろう、まだベッドの中で可愛い寝顔で眠っている。
「やぁ、豊君。おはよー」
「おはよー唯。皆は?」
「今日はまだ皆部屋に居るよ」
(茜は豊君にバレない様に見えない所で見守っているみたいだけどね)
「そっかぁ」
「それより…も」
「んっ?」
「今からボクと出掛けようか?」
「今から?」
「そう今から!」
「了解。付き合うよ」
「決まりだね。じゃあ10分後位に玄関で構わないかい?」
「オッケー」
部屋に戻りサッと用意。ベッドにスヤスヤ眠る美麗のサラサラな髪を撫でると玄関へと向かう。玄関にはもう唯が待っており、普段はカジュアルな動きやすい格好をしているのに今日はロングスカートと女の子らしい格好をしている。
「似合ってるよ唯」
「ああ/////。ありがとう。やっぱりそんな風に直接言って貰えるとこんな格好して良かったと思えるし…何よりボクは嬉しいよ」
「それじゃあ行こうか唯?」
「ああ、行くとしよう」
2人街中へと向かう事に。その前に、
「唯。悪いけど左手握ってくれるか?まだ動きそうに無いし女の子を車道側歩かせる訳には行かないから」
「相変わらす君は…ボクにも優しいんだから…」
「んっ?何て?」
「何でも無い!そうい事ならこうさせて貰うとしよう!」
言うと同時に唯はしっかりと俺の左腕を優しく取りしがみつく。見ると腕は唯の胸にも当たっており感覚があったらと悔やまれる所だろう。
「感覚があったらと思ってるのかい?」
「唯さんや。ナチュラルに心を読まないで」
「アハハ。豊君が分かりやすいだけだよ。それじゃあデートと行こうじゃないか」
「嗚呼!そうしよう」
唯と色々街中を巡って行く。
******
「これなんか豊君に似合うんじゃないかい?」
「そうかなぁ?」
「うん。絶対に似合うよ!」
「じゃあコレを買おう。唯にはコレが似合うと思うけど?」
「ボクかい?でも、ちょっと女の子っぽすぎないかい?」
「そんなことないし、唯は可愛い女の子なんだから絶対に似合うよ!」
「…じゃあボクもコレを買うとしよう」
******
「片手じゃ食べにくいだろう?ほらっ!」
「ちょい恥ずかしいんだが…」
「何を言ってるんだい?皆食べさせあう位やってるさ!ほらっ、あ~ん?」
「…あ、あ~ん。モグモグ…あっ、美味しい!」
「うん。いけるね、このハンバーガー!」
「唯悪いな、左手不憫で…」
「そんな事気にしなくていいんだよ!君は…豊君はボク達にもっと甘えて溺れるといいさ!」
「もう、溺れるし充分甘えさせて貰ってるよ。ありがとうな唯」
「ほ、ほらっ、豊君。ここにケチャップついてるじゃないか。動かないでくれよ…ペロッ!」
「ばっ、こんな所でそんな事…」
「良いじゃないか。ボクは気にしない。豊君と一緒なら場所なんか気にせず存分にイチャつくだけさ」
******
「ほらっ豊君。もう少し、右じゃないかい?」
「いや…ここだ。よし、そのまま掴めぇー!……よしっ!そうだ!そのまま、そのまま…あ、後少し……ほら、取れたぞ唯!」
「やるねぇー豊君。取れないと思ったよ、こんな大きなぬいぐるみ」
「というわけでハイ!」
「!?…ボクにくれるのかい?」
「当たり前だろ?唯の為に取ったんだから」
「ありがとう/////」
「どういたしまして!」
******
「ふぅ~結構色々回ったな?」
「だね。服買いに、食事、ゲームセンター、雑貨屋。本当に時間が足りない位だ…」
「また来ればいいさ!いつでも来れるだろ?」
「そうだね!その通りだよ。また来るとしようか豊君!」
「うん。約束。それとほらっ、あそこに少し行こう!」
「勿論。豊君の行きたい所なら行くとしよう」
俺が誘ったのはデパートの屋上にある観覧車。街中を見渡せる様になっている。順番は直ぐに回って来たので唯と2人乗り込む。さてと…1人1人ハッキリ伝えとかないとな。
「なぁ…唯」
「どうかしたのかい?」
「唯。好きだよ。俺と付き合ってくれるか?」
「そ、そんなの当たり前じゃないか!ボクも…ボクも好きに決まってる!付き合うに決まってる。ボクからまた告白しようと思ってたのに…」
「唯ならそんな気がしてたよ。でも俺はほらっ、皆と付き合っていく訳だからちゃんと俺から告白した方が良いと思ってな」
「それを望んだのもそうさせたのもボク達なんだから豊君は気にする事はしないで欲しい。ボク達1人1人に変わらない愛をくれればそれで良いから!」
「勿論。誓って!」
「豊、君…」
「ゆ…ぃ…」
頂上に差し掛かる頃観覧車の回るスピードの様にゆっくりと2人の唇が重なる。
─余談だが唇が重なるのに夢中で係の人のご厚意で観覧車をもう一周させて貰う事になるとは思っていなかったけどね。
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