第2話 この世界『ロマリア』の真実
2人は部屋に入ると
「明菜さん。先にシャワー入ったら?」
「入るけど.....でも..予備の下着とかないよ。どうしよう?」
「それなら、確か...」
正樹はシャワー室に向うと入り口に一個の大きな箱があるのを見つけ、
「明菜さん。此処に脱いだ衣類を入れて蓋を閉めたら上にある丸い球に手に触れたら約10分ぐらいで洗濯と乾燥が出来るはずだよ。これは異世界の洗濯乾燥機だから。それと隣の棚に確か....あった。バスローブがあったそれを身に着けたらいいよ。」
正樹はまるで此処で生活していたかのように言っていた。
「なんで知っているの?」
「まあまあ。お互いにシャワーしたら夕食しようよ。この階に食堂があったから。」
「はああ...分かったわ。」
諦めた感じの明菜であった。
2人はシャワーを浴びた後、食堂に行って夕食を食べてまた部屋に戻った。
「ふあああ.異世界のご飯美味しかった。」
と正樹。
「日本にいた時のご飯と一緒だったわ。」
と明菜。
すると明菜は正樹に肝心の話を聞くのであった。
「正樹君。分かっている事教えてくれない?」
「わかりました。これから言う事は俺の想像だけど、たぶん間違っていないと思う。先生は知っている? 日本で流行っているゲームで『ファンタジー・ロマリア』を。」
「ええ。聞いたことがわるわ。確かVRゲームだったよね? このクラスにも何人かプレイしていると聞いたわ。」
「はい。俺も毎日しているのですが。この異世界自体『ファンタジー・ロマリア』の世界にそっくりなのですよ。さっきの冒険者の事だって全く同じだったのでびっくりしました。ただ....。」
「そうなのね。正樹君。そのゲームの内容を教えてくれる?」
「はい。簡単に説明しますね。」
正樹は明菜に『ファンタジー・ロマリア』の説明をするのだった。
ファンタジー・ロマリア....エンディングがないオンラインVR-RPGゲームで、『ロマリア』と言う世界で『職業』に就き様々なクエストや魔物討伐とか商売などをしたりするゲームで、『ロマリア』では王国が3つ、帝国が1つ、魔族の国、亜人の国、エルフの国があって冒険者になった主人公は、その国々に行ってクエストを受けることが出来る。中には各国で騎士となって活動する人や商売する人など様々な事を此処で楽しくする自由なゲームである。
しかも、このゲームを作ったのが当時大学生であったペンネーム「カゲロウ」と言う青年で、何故か大手ゲーム会社ではなく、確か...総合大企業の「葛城カンパニー」から発売されていたのである。
この「ファンタジー・ロマリア」はゲーム内容がハードであるのとシステム自身が一部のコアなオタクが喜びそうであった為、一般向けではないゲームであったのだった。正樹はそのゲームを発売当初からプレイしている...いわゆるゲーム廃人であったのである。
「そうなのね。それで正樹君が疑問に思ったのは何かな?」
「それは....。言っていいですか?」
「良いわよ。」
「それなら、言いますね。この国の王から聞いた事を思い出して下さい。」
正樹がそう言うと明菜は考えて込んで
「確か、王様は魔王を倒して欲しいと言っていたわね。」
「ええ。」
「それが疑問の事?」
「はい。冒険者ギルドで俺は少しヘレンさんに聞いたのだけど、そこで答えで分かってしまったのですよ。」
「それは、どういう意味で?」
明菜は正樹にその意味を聞こうとするとマサキは真剣に答える。
「此処には魔王はいますが、悪の根源ではありません。魔族の国の王って事です。」
「魔族の国の王を倒す事?」
「はい。そうなります。明菜さん、『ファンタジー・ロマリア』の真の目的とは何かわかりますか?」
「正樹君が聞いた内容では自由に出来るゲームだと思ったけど?」
「正解ですけど、本来の目的は自分が国に属してその国を世界統一するゲームなんです....。プレイヤーが各国の騎士とか勇者とかになったら他国に攻め込んで勝つ為のコマになると言うのです。」
「!」
「国王が魔王を倒すって事は魔族の国に戦争をする事になります。俺達以外のクラスメイトはその戦勝いのコマになるかと思います。ある意味捨てコマみたいに。」
「それって...。」
「ええ...あいつらの中では多分『ファンタジー・ロマリア』をしている者もいるかと思いますが。たぶんだけどゲーム感覚で今思っているのじゃないのかな? ただ一点だけ違うのがあるけど...。」
「その違いってどう言う事?」
「此処はゲームの『ロマリア』じゃなく異世界のリアル『ロマリア』ですよ? この意味わかります?」
正樹の意味深な言葉で明菜は青ざめる。
「まさか....。」
「そのまさかです。ゲームでは死んでも神殿で復活しますけど、此処では復活はありません。即死亡となります。ヘレンさんに聞きました。蘇生魔法はありますかって。」
「それであるの? その蘇生魔法は?」
「いいえ。そんな魔法は存在しませんって言われました。」
...つまりこの世界は死んだら終わり...日本で生きている見たいに...。
それを聞いた明菜は真っ白になるのだった...。
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