第54話 ビクトリア女王の爆弾投下
俺達は、今ビクトリア女王との謁見の最中であった。
「それで俺達に渡したい物があるって聞いたのだが?」
「そう。急かさないよ?マサキちゃん。....一緒にあれしょ。」
「あれは絶対にしたくないから......早く言え。この変態女王。」
「その言葉.....私には褒美としか思わないわよ?」
.....こいつ...マジでMかもしれんなあ....
「もういいから。さっさと渡せ。」
「分かったわよ....。ガーネット侯爵、マサキちゃんに渡してちょうだい。」
ビクトリア女王がガーネット侯爵に声をかけると、ガーネット侯爵が説明をするのであった。
「マサキ=マツカゼ殿。お主には一代伯爵の爵位と名『ラファエル』を授ける。今日からお主は、マサキ=マツカゼからマサキ=ラファエル一代伯爵と名乗るが良い。妻達も名乗って構いません。」
「「「「「ええええええええ!」」」」」
俺達は大きな悲鳴をあげてしまった。
俺が....貴族だと?....冒険出来ないじゃんかあああ!
「これね私の提案なのよ。良く聞いて欲しいの?」
ビクトリア女王が俺が貴族になる説明をするのであった。
「先ず、この世界には貴方が居た「地球」のある国「日本」から来た異世界人が多く来ているのよ。その代表がこの世界を救った人...勇者カイン=レオバードとその妻が貴方と同じ異世界人。本名は....マサヒコ=マツカゼで、そしてマサヒコの妻であるシズカ=マツカゼ...これってマサキちゃんの知り合いかも知れない?」
マサヒコ=マツカゼとシズカ=マツカゼ......。
その名前は知っている....10年前に飛行機事故で死んだ俺の両親の名前だ....。
松風真彦...俺の父で歴史学者をしていた。
松風静香...俺の母で父の助手をしていた。
10年前謎の飛行機事故で亡くなったのであった。
それが何故この世界で聞く事になったのか?
俺の頭はフリーズをしていたのであった....。
「勇者とその妻は約500年前に此処に来てある相手と戦って...同士討ちにあったのよ? その戦いが『魔大戦エデン』と言うの。マツカゼと言う名前はこの世界には殆どの人は知らないけど、一部の人には敵視しているのよ? それは...魔王国だけどね。それで、マサキちゃんの名前をそのままにしようと考えたけど、今の私達では魔王国に対抗出来ないのよ? だからマサキちゃんの隠れ蓑として爵位と名前『ラファエル』を送る事にしたの。」
つまり、女王は俺が今後、魔王国に狙われるのを避ける為に敢えて偽名を付ようと考えたのだ。
「俺の両親は10年前に死んだ。名前は松風正彦と静香と言います....。つまり俺の両親は此処に転移したのだな? しかも500年前に....。」
「そう言う事になるわね。」
「それで同士討ちになった場所は?」
「言い伝えだと...獣国レオバード連邦の何処かにあるって聞いたわ....。」
「!」
その事に俺は正直驚いた。
するとリリが横から話をするのであった。
「それは聞いた事があります。勇者カインの墓があるのが獣国レオバード連邦にあるって。」
「それは本当か?」
「言い伝えなので本当かどうかわかりませんが。勇者の剣が私達のエルフの副議長のロクサーヌ=ユグドラシルが持っていると言う噂があります。今の獣国の当主は亜人族でヘイグ=ワーグナー議長なのですから...。」
ビクトリア女王は更に俺に言うのであった。
「武装国家「ガイアス」は魔王国の配下でもあるのよ?」
「それってどう言う意味だ?」
「ガイアスの国王は邪神の一人...ギルガメッシュが召喚した異世界人って事よ。」
「おい。変態女王! 何でそんな事知っている? 何故だ言ってみろ!」
「それは.....。まあ...良いわ。それはね...ガイアスに二人の女性が拉致されているのよ?一人は元ガイアス王の妻で元ナイトハイム第二王女エリーゼ=ナイトハイムとその妹で第四王女エミリア=ナイトハイムですわ。」
ビクトリア女王は壊滅した元ナイトハイムの王女の二人を言うのであった。
~作者より~
本日も三話連続掲載しますので、楽しく読んで下さい。
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