第53話 エルフ族の護衛依頼と謎の黒い影
リチャードが連れて来た男女はエルフ族であった。
男性の方は俺と同じ身長でロングの銀色の髪で眼はエメラルドをしていて、イケメン男子で、女性の方は160センチで男と同じ髪色と長さも同じロングで眼も同じエメラルト色をしていた美女である。
まるでこの男女は兄妹のように見えていた。
リチャードは正樹達にエルフの男女を紹介するのだった。
「お前ら。こちらはエルフ族のシルベールさんとリリさんだ。」
「僕はシルベールと言います。よろしくお願いします。」
「....リリと言います...。」
「俺はマサキだ。」
「私はみどりと言います。」
「私はアキナ。」
「クラリスと申します。」
「アスカよ。よろしく。」
全員が挨拶すると正樹が話を切り出した。
「シルベールさんって言いました? 何故俺達に指名依頼とは、どういう内容ですか? それと何故俺達なのですか?」
「マサキさん。実は、私達を獣国レオバード連邦の首都レオバードまで連れて行って欲しいのです。何故、マサキさんを指名したと言うのは...」
シルベールの話に横から話すのであった....あのバカ.....リチャードだ。
「ああ。シルベールさんが強い冒険者を探しているって聞いてな。お前らなら暇そうだから俺が提案したのだ。」
「「「「「この筋肉バカ!」」」」」
「ごめんねえ.....マサキちゃん。このバカが変な事を言って。」
「おい。メアリー何がバカって言うんだ!」
「だって‼ 貴方なんかあれをした時、いつも速攻に終わっているでしょうが! そのお陰で子供が出来ないのじゃないの! この早漏短小男!」
「俺は人並みだ! 前に見てもらったぞ」
「誰によ! 言ってみろ!」
「前に銭湯で一緒にいた男からだ。」
「その人も短小なんでしょうよ!」
「お前...いい加減にしろ!」
「マサキちゃん....あの人怖い....。」
「あのさ。そろそろ夫婦漫才は終わったか? いい加減に依頼内容を聞きたいのだが?」
「「夫婦漫才をしているって!」」
「もう良いから。それよりシルベールさん。あなた方の護衛で良いのですね?」
「はい。そう言う事になります。」
「それで報酬は?」
「今は出せませんが首都に着いたら渡します。白金貨50枚。」
「「「「「ええええええええ!」」」」」
全員がその場で驚く。
「もっと詳しい内容を教えて下さい。」
「はい....。僕と隣にいるリリは幼馴染で3年前にレオバード連邦から逃げ出したのです。」
「つまり...駆け落ち??」
みどりが言うと
「それに近いですね...。僕達は帝国に逃げ込んでいたのですが、何故か亜人派が僕達を狙っているという事で帝国の冒険者に護衛依頼をして此処に連れてもらったのですが....。」
シルベールは暗い顔をして話を続けるのであった。
「途中、亜人族にみつかり、護衛の冒険者は全て殺されてしまったのです。其処でたまたまシルバーレイクの支店長さん達が応援に来ていただき今匿っていただいているという訳です。」
「おい。変態夫婦。何処で見つけたのか?」
「それがな...。俺達が王都からの帰りでシルベールさん達を見つけて助けたのだよ。」
「それで、又、獣国に戻る事になったです?」
「それは.....。」
口を閉じるシルベールであったが、隣の女性リリが話をするのであった。
「亜人族の本当の狙いは私です。」
「それってどういう事?」
みどりは尋ねると
「それは言えませんが...。私達を首都まで送って下さい! じゃないとレオバー連邦がガイアスの配下になってしまうのです....。ガイアスと亜人族は繋がっています...。だからそれを止めたいのです!」
「そうする? 貴方。」
明菜は正樹に答えを聞こうとする。
「俺は良いよ。みんなは?」
「私は問題ない。」
とクラリス。
「私も良いわ。ねえみどり。」
「ええ。」
と明日香とみどり。
「私は......いや。なんでもないわ。良いよ。」
と明菜だけ少し変な答えになっているのであったが、正樹はそれを問い詰めようとしないのであった。
「ありがとうございます。」
「それで出発は?」
「出来たら早い日にお願いしたいです。」
「獣国に行くには此処から王都に向ってそこから南に下って行くと港町ベルシアに向ってそこから船で獣国に入る他に方法がないなあ。」
「なあ。マサキ。王都に行くのならビクトリア女王が会った方が良いかと思う。女王から紹介状を貰ったらすんなりと行けるはずだ。ちょうど、女王がお前さん達に渡すものがあるって言ったからな。」
「なんだよ。その渡すものって?」
「俺にもわからん。とにかく王都に行き女王に会ってからだ。」
「分かったよ。シルベールさん達は明日、ギルドの前で良いですか?」
「それで構いません。よろしくお願いします。」
「じゃあ。それで決定で。良いな嫁達。」
「「「「了解!」」」」
正樹達はビルドを後にしたのであった。
△△△△△
その頃、とある場所の酒場にて、黒いローブの影5人が話をしていた。
「それであのエルフ達はこっちに来るのだな?」
「ああ。一旦王都に向ってからこちらに来るはずだ。」
「なら。此処で始末をするとするか。」
「依頼を受けた冒険者は男1人と女が4人だ。聞く所によると中々の実績がある冒険者みたいだ」
「こっちは今いる5人と他に5人いるから大丈夫なはずだ。まあ帝国のBランクの冒険者よりは弱いだろう。あれは結構強かったからな。」
「だな。おかげで30人いたメンバーが今は10人しかいないからな?」
「でも捕まえたBランク冒険者5人は何処に送ったのだ?」
「魔王国だ。あのマゾ研究者が実験台として欲しいと言っていたからな。」
「マゾ研究者か...あれはマジで怖え。でもあの研修者のおかげでこの薬を貰ったのだからな?」
「能力強化の薬だな。これを飲むと以前の5倍の能力になるって話だ...しかし...デメリットもあるが..。」
「まあ。良いのではないか? それを使ってあの街を壊滅しても問題ないだろう?」
「だな。そうなると、この街で襲うのと途中で襲うのとで分けた方が良いな?」
「俺達以外の5人は既に中間地点に集結しているから問題ないはずだ。さっき連絡があったからな。」
「しかし...あのエルフの女性が例の目的の人物だとは思わなかったぜ。」
「まあ、お手並み拝見とするか。」
5人の黒いローブ達は酒を飲みながら話をするのであった。
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