第106話 ハミルトン(前編)
次の日の朝、グレン達はロジックファームの領主、ロイド=ガーネット子爵との挨拶をしてロジックファームを出てハミルトンの街に向うのであった。
ロジックファームからだと馬で約2日程に到着をするのであった。
馬車の中でグレン達は、ハミルトンに潜入している部隊との連絡をしていたのであった。
『はあい。クラリス隊長』
「ヘレンか?」
そう....潜入していたのは以前にレオバードにも潜入していた元ギルド受付嬢で今はクラリスの配下のヘレンである。
『そこにいるのは.....マサキさん??』
「元マサキだ.....今はグレンだ」
『分かったのよねえ。今ねハミルトン子爵の自宅にメイドとして潜入しているよ?』
「それで何か分かったのか?」
『そうね.....。領主は帝国経由で魔王国との繋がりを持っているわ。先日、奴隷100人を魔王国に送って改造人間にしたって言っていたよね? その改造人間が領主の所に戻って来ているの。どうやら此処の警備をさせているみたいなのねえ』
「それって私達が来るのを知ってて?」
『それは違うよ? アキナさん。反ハミルトン派の人間が領主宅を襲う計画を知っていてその警備にあの改造人間を配置しているみたいなの。それと反ハミルトン派のリーダーは元財務官ベクター=イクシャスの息子のロビン=イクシャスとその恋人の....シレーヌ=ハミルトンです』
「それって.....ハミルトン子爵の御令嬢か?」
クラリスは驚いてヘレンに話かけるのであった。
『そうです。元ナイトハイム近衛騎士団所属シレーヌ=ハミルトン別名『旋風の戦姫』ですよ。』
ヘレンは淡々と話した。
「その御令嬢が実の父親と争いをしているのか?」
『そうよん。グレンちゃん。聞くところによるとシレーヌさんとロビンさんは駆け落ちしたみたいなのよねえ。それを知った領主は元財務官のベクターを監禁しているのよ? どうやら、ロビンさんの父親を餌にして二人を捕まえようとしているの。それとここでの話だと、領主の本当の狙いは.....ガイアス王国のエリミア女王を我が物にする為にクラリス様を妻にしてガイアスに取り込もうとしているわけ。まあ、クラリス様の旦那様が死んでいるのを良い事になんと『奴隷化』の魔導具を使って、クラリス様を支配する見たい.....ってなんてバカな計画だわ。ねえ隊長?』
「ああ。私は『女神の使徒』だから『奴隷化』のスキルは無効なのに」
『それで、どうします?』
「あと二日でハミルトンに到着するから、ロビンさんとシレーヌさんと合流して、領主宅に乗り込んだら早いと思う」
『それなら。私の方で段取りを付けるわ』
「お願いする。ヘレン部隊長」
『はい。クラリス総隊長。それが終わったら帝国に潜入するで良いのですね?』
「ああ。それでいいのだが、気を付けろよ?」
『分かっていますって。それでは明後日、宿『優月亭』でお待ちしています。』
「わかった」
ヘレンの通信が切れると全員が話し合いをするのであった。
最初にグレンが話を始める
「ヘレンの情報だと、明後日に宿『優月亭』に合流するのだが、これは俺が行こう。明菜達はクラリスの護衛で良いか?」
「「「了解」」」
「クラリスは中に入ったら領主と対談をして領主宅に泊ってくれ。そこで「念話」で会話する。」
「はい。」
「マリオンさん」
『はい。』
「クラリスの付き添いの執事として中に入って明菜達のフォローを頼む」
『了解しました』
2日後、グレン達はハミルトンに到着をするのであった。
〇〇〇〇〇〇〇〇
グレンがハミルトンに着く一日前、
ロビン=イクシャスとシレーヌ=ハミルトンは隠れ家に居たのであった。
『シレーヌ。3日後の夜に決行するのだな?』
「そうよ。その日はクラリス=ラファエル侯爵夫人が此処にお見えに来る情報を聞いたから。お父様は、クラリス様となんとしても結婚すると粋がっていましたわ」
『なんで、クラリス様は此処に来るのだ?』
「その理由が分からないのよ?」
『意外と此処の状況を確認する為なのかも知れん』
「そうなると。私達の計画もうまくいきそうね?」
『だといいんだが......。それより、シレーヌの方は大丈夫なのか? 父親との対決する事に』
「それは.....お父様より貴方と義父様の方が大事なのよ....。もうあの人は汚い事ばっかしているし....女王にこの事がばれると恐らく帝国かまたは魔王国に逃げ込むに決まっている」
『そうか.....って誰だ!』
シレーヌとロビンが話している最中に何者かが立っていたのであった。
『やっと。見つけた~。貴方がロビン=イクシャスで、隣の女性がシレーヌ=ハミルトンですね?』
「お前は誰だ? まさか....ハミルトン子爵の配下か!」
『違いますよ? 私はクラリス様の配下ヘレン=ルージュと言いますわ。ある方から貴方達に会いたいと言ってましたので、合流先と時間をお伝えに来ましたの? ハミルトン子爵の件でね?』
「.....理由を聞きたい」
『そうですね....理由はある方がこの新しいハミルトンの領主になる為に貴方達にお手伝いして欲しいのです。この汚れた街の清掃をね?』
「清掃だと?」
『そそ.....清掃です。お話だけでもお願いしますよ?』
「分かった。話を聞くだけならな」
『それじゃあ。伝えて置きますね。クラリス様は2日後に此処に来ます。その護衛の人が貴方達に会いたいので。』
ヘレンは姿をけしたのであった。
「ロビン.....。」
「大丈夫だ。恐らくクラリス様関係の人だと思う」
ロビンとシレーヌはそう言って話しを詰めるのであった。
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