第14話 ビクトリア女王
その後、正樹達は、明菜の転送魔法でロマリア王国の王都ビクトリアに着いた。
「あなた。この後どうする?」
「女王の謁見時間は確か14時だと思うから先に昼飯を食べて行くか?」
「そうね。それじゃあ「満足亭」が良いわ。あそこのステーキ美味しいもん。」
「そうだな。「満足亭」に行こう。」
2人は「満足亭」に向って行ったのだった。
「満足亭」に着いて中に入ると40代のドラム管の身体をした女将のマーニャさんが笑顔で声をかけたのであった。
「あらまあ。マサキちゃんとアキナちゃんじゃあないの? どうしたの?」
「女将さんお久しぶり。王都で用事で来たので昼にしよう思って此処に来たんだ。」
「マーニャさん。お久しぶりです。あのう...いつものでお願い。」
「あいよ。あんたああああ! バカ夫婦が来たからいつのもやつ頼むよおおお!」
マーニャは大声で叫んでいた。
「なんでバカ夫婦と言うのですか?マーニャさん。」
明菜はそう言うと
「だってさ...。いつもアキナちゃんがマサキちゃんを首に縄をつけているからよ!」
「女将さん。俺って犬?」
「犬みたいなじゃないの? アキナちゃんのペットみたいだから。」
「マーニャさん。それはちょっと.....。」
明菜は照れながら返事すると調理場から御主人のエリックが出て来て
「バカ夫婦に「オーク肉のステーキ柚子胡椒味」おまち!」
「「夫婦そろってバカ夫婦って言うな!」」
2人は揃って声を出したのだった。
「さて.....明菜。食べようか?」
「そうね。いただきます。」
2人はオーク肉のステーキ柚子胡椒味を食べた。
「ねえ、正樹。やっぱ此処に来たらこれでしょう?」
「そうだな。明菜は俺より量を食べるからなあ。」
「アキナちゃん。食べすぎしても、マサキちゃんがアキナちゃんの減量運動の手伝いしているから問題ないよね? 夜アレするのだろう?」
とエリックがそう言うと明菜は赤くなりながら
「もう..。」
「......それぐらいでして欲しい。明菜が阿修羅になる。」
「そうだな。アキナちゃんを怒らせたらここ灰になるからこの辺で。」
「もう....。」
明菜は呆れてしまったのだった。
2人は食べた後、
「美味しかったですよ。また来ますね。」
「「また来てねバカ夫婦。」」
「「バカじゃない。ドラム缶夫婦!」」
なって言いながら「満足亭」を出てお城に向って行くのであった。
お城に到着すると入り口の護衛兵士に声をかける。
「すいません。ビクトリア女王様から依頼を聞きにしました。マサキとアキナです。」
「ああ、あの有名なバカ夫婦冒険者か? 通ってもいいぞ。」
「なんで俺達の事そんな風に言うのだ?」
「お前達が宿でしでかした事を忘れていないだろうな?」
「「あ....。」」
2人は納得したのだった。
ナイトハイムから王都に来て2か月余り王都で冒険活動していた頃、二人の夜の活動...特に明菜の悲鳴が大きすぎて宿の主人から苦情が出て毎回騎士団が宿に駆けつけて正樹達は弁明をしていたのであった。
その事件のおかげで、いつの間にかバカ夫婦の冒険者として有名になってしまったのだ。
そして、二人は城の中に入り、謁見の間に入ったのだ。
其処には、黄金のロング髪の妖艶な美女が座っているのであった。
「あらあら。マサキちゃん。お姉さまと一晩やりに来たの?」
妖艶な美女...この国の女王ビクトリア=ロマリアが言ったが、すぐに明菜が阿修羅の顔をして文句を言うのであった。
「私の旦那に色目使わないで下さい。女王様。」
「冗談よ。アキナさんは真面目なのですね。」
「それより。用件とは?」
正樹が二人の会話を無視して質問しようとすると
「「無視するな!」」
女性二人がツッコミを入れるのだった。
正樹の無関心な態度を見てビクトリアは呆れた顔で
「もう...ダメじゃないの? こんないい女二人が言っているのにねえ。」
「そうよ。分かっているの? あ・な・た。」
「もう.....そのコントは良いから本題に入ってくれ。」
「「コントじゃあねえ!」」
更にツッコミをする女性2人であった。
諦めた顔をしたビクトリアは真顔になって
「実は王都から西にある『王家の墓』に調査していた部隊が戻ってこないのよ。だから二人に調査して欲しいのよ。」
ビクトリアはそう言って正樹達にお願いをするのであった。
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