第23話 王家の墓⑦
ガブリエル=ロマリア初代国王は500年前に様々な国を合併してロマリア連邦を作った。
ガブリエルが亡くなると国王の2人の王子の継承権争いによって国が分かれ第一王子がナイトハイム王国を建国、第二王子がロマリア王国を建国した。その後、ナイトハイム王国は王位継承争いが絶えず国王が変わる度に他国へ侵攻したりしていた。ロマリア王国は逆に王位継承の時は国民投票によって国王が決まり中立国として他国への干渉は全くしなくなった。
ガブリエル自体は、強き者が一番と唱えての恐怖政治をしていた為、貧富の差が一番大きかった。
ガブリエルは死ぬ間際、魔族であった『ある方』によって悪霊となり自分が復活できるように王族の中に自分の依り代になる人物を『ある方』の配下であったガルーダとゲイルに500年掛かって見つけたのだ。
それがローレンス=ロマリア国王であった。
悪霊ガブリエルは、ガルーダとゲイルを使いローレンスを殺害した。
ローレンスが王家の墓に埋葬した後、ガルーダとゲイルは帝国の冒険者であったリックとガルムを殺してなり替わり、王家の墓に安置していたローレンスの死体を掘り出しアンデット化にして、ガーランド侯爵の娘クラリスの血を使いガブリエルは復活したのである...これがこの事件の真相であった。
『やっと。この世に戻って来たぞ。あはははは!』
破滅王ガブリエルは笑っていた。
「破滅王ガブリエル。お前に入れ知恵をした『ある方』とは誰だ?」
『何でお前らに教えないといかんのだ? 我はこの国とナイトハイル王国を壊滅されて本当の我の国をを作るのだ。我は最早不死であるので永遠に統治するのである。』
「お前の好きにはさせない。」
『ほほう。我に勝てると思っているのか?』
「ああ。勝てるさ。やってみるか?」
『いいだろう。』
ついに破滅王ガブリエルと正樹達の戦いが始まった。
「『身体強化』・『防御魔法プロテクション』・『武器強化魔法パワーアップ』!」
明菜は支援魔法で『無限の可能性』状態の正樹を更に強化をした。
正樹は両手にそれぞれ剣を持って構える。
『では行くぞ。ホーリーアロー500連射!』
ガブリエルはホーリーアローを500発を唱えて正樹に向って放った。
正樹はそれを剣で払って行くが全てを払う事が出来ない為、20発程体に受けてしまった。
明菜は自分に四重プロテクションをかけてホーリーアローを防いでいた。
明菜は正樹の指示によって戦っていた。
「ぐは...。」
「あなた。大丈夫?」
「....大丈夫だ。それより『あれ』の準備をしろ。『あれ』を準備する間は俺が何とかする。」
正樹の作戦は明菜の『あれ』を使う為、正樹がガブリエルの攻撃に耐える作戦であった。
無論ガブリエルもそれは分かっていた..。だが、
「くらえ。秘技『千手演舞剣』!」
正樹の千本に見える剣がガブリエルに襲って行くのであった。
ガブリエルはその剣をかわしながら、魔法を放って行くのであった。
『なかなかやるではないか?』
「そうでもないさ...。」
『後ろの女の攻撃が切り札だと見た。しかし、女の防御魔法は中々傷が入らんのう。』
「まあ...そうだな。でも切り札は俺の剣だ行くぞ!」
『そうか。かかってこい。』
正樹はガブリエルに斬り込んで行く。狙いはガブリエルの灰色の両翼だ。
それを見たガブリエルはすばやく空を飛び、正樹に狙いを付ける。
『ならば、お前が先に死ぬが良い。行くぞ! 秘技『風神剣』』
ガブリエルは両翼を使い風を正樹に放つ。
正樹がその風の中心にいるのを確認したと無数の剣技が正樹に命中した!
「くがああああ。」
正樹の持っていた剣は粉々になり、鎧も粉々になり全身大傷になっていた。
「あなたあああ!」
明菜は悲鳴を上げたが正樹はそれ阻止した。
「...お前はそのまま準備しろ! 俺の事は無視しろ!」
「でも......。」
「でもじゃあない! 俺は...大丈夫だ...。」
全身に血だらけの正樹は立ち上がって明菜に言うのであった。
『ほほう..まだ、生きているのか? しぶとい奴だ..。さて止めとするか。その後お前の女は我が可愛がってやるぞ。あはははは。では「ホーリーアロー」!』
ガブリエルはホーリーアロー50発を正樹に向って放ったが....。
正樹には剣が無くなっている..万事休す...と思った途端。
「これを待っていた...『秘技無限剣』!」
正樹の両手から光が出てそれが剣の形になった。それを掴んだ正樹はガブリエルの方に飛び込んで行くのであった。
『ぎゃあああああ!』
ガブリエルの悲鳴があがる...正樹は体に血しぶきを上げながらガブリエルの両翼を切り裂いた!
「やったぞ...今だ! 明菜! 『あれ』を使え!」
「分かったわ! いくよ! 束縛聖魔法『ホーリーサークル』!」
ガブリエルの足元から魔法陣が浮かび、魔法陣から光が出てガブリエルの身体を包んで行く。
『なんだああああ。動かん!』
ガブリエルは動こうとしても全く動けない。
「みた? これが私の束縛魔法よ。10重にして尚且つ、旦那のユニークスキル『無限の可能性』で通常の約100倍になったから、貴方の動きは封じ込めたわよ。『パーフェクト・ヒール』!」
正樹が言った『あれ』はアキナの10重にした束縛魔法であった。
明菜が言った通り、効果は通常の100倍になって、しかも継続時間は普通なら1分だがその100倍なので100分...Ⅰ時間40分の間、ガブリエルを拘束することが出来るのである。
明菜は傷だらけの正樹を最上位回復魔法『パーフェクト・ヒール』で全快させたのだった。
「ガブリエル。....そろそろ終わりだ。俺が持っている剣は魔法で生み出した剣だ。普通の剣はお前には効果がないがさっきの翼を切ったのでこの剣でお前を殺せる。」
傷が無くなっても立っている正樹はフラフラしている状態であった。
『ぐ.....。』
「止めを刺す前にお前に聞きたい事がある。『あの方』とは誰の事だ?」
正樹はガブリエルに問い詰めるが、ガブリエルは
『お前に教える義理はない...さっさと殺せ.....。』
「まあ。『あの方』はもう分かったから良いわ。」
『なんだと....。』
「『あの方』とは『邪女神エステリーゼ』だろう? 『邪神ギリオン』の妻の。」
『!』
驚くガブリエル。それを見た正樹は納得の顔をして
「じゃあ。最後だ。明菜! 二人で止めを刺すぞ! 秘技ー無双剣!」
「分かった! 『インフエル・バーン』!」
正樹の剣技と明菜の災害級魔法がガブリエルに降りかかる!
『む...ね...ん...。エステリーゼさま....ばん...ざい...。ぎゃあああああ!』
ガブリエルは最後の言葉を出して灰になった行くのであった...。
正樹達とガブリエルの戦いは終わったのだった...。
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