第24話 王家の墓⑧

破滅王ガブリエルとの戦いが終わった。

明菜は正樹に抱き着いて泣きながら


「....正樹が死ぬと思った...もし正樹が死んだら...。」


「明菜。俺は大丈夫だ..って痛いって!」


「ごめん..って! そうしないと無茶ばかりするから!」


「クラリスさんは大丈夫か?」


「うん。まだ寝ている。」


「そうか..。」

正樹は立ち上がって壊れている初代国王の墓に向って歩いて行くのであった。


「あなた。確か此処に欲しい物があると言ったわね。」


「ああ。目的の物はこの中だ。」

正樹の指を指した場所は壊れた初代国王の墓の下であったのだ。


「明菜。その墓の下を土魔法で掘り出してくれるか?」


「え? 分かった。」

明菜の土魔法でが初代国王の墓の下を掘り出すと縦横5メートルの大きさのミスリル製の箱が出て来た。


「これって。何なの?」


「これは初代国王のガブリエル..まあ....あの破滅王ガブリエルが生前使っていた装備が入っている。ガブリエルはその箱の存在が分かっていなかったので助かった。この中の装備してたら間違いなく負けてたわ。」


「それ程の装備なの?」


「もちろん。それじゃあ開けるとするか。『ロマリアよ永遠に』」

正樹は『ロマリアよ永遠に』を言うとミスリル製の箱が開いたのだった。


「さっきの『ロマリアよ永遠に』はこの箱を開ける合言葉なんだよ。ゲームでは限定イベントだったからな。知っている人はまずいない。」


「中身見てもいい?」

そう言った明菜は中身を取り出した。

箱の中身は杖と銀色の片手剣と黒色の片手剣、それと銀色の鎧とローブが各1個。

正樹は箱の中身を説明する。

杖の名前は『賢者の杖』と言い装備すると使用する魔法のMPが5分の1になる杖である。

素材はもう伝説となっている世界樹の木で出来ているのであり指輪に変化出来るのであった。

ローブの名は『フェニックスローブ』と言い名前通り不死鳥の羽を使ったローブで災害級魔法を5分の1減少出来て自動修復できる便利なローブでしかも、普段はネックレスに変化出来るのである。


「すごい...この服綺麗だわ..。」

フェニックスローブを見てうっとりする明菜であった。


2本の剣は仕様が各々違っていた。

銀色の剣の名前は『奇跡の剣』と言い某ゲームの武器と同じ名前であり、効果は敵に斬りつけると切りつけたダメージ分のHPとMPが回復する剣であった。

黒色の剣の名前は『暗黒の剣』と言い闇魔法が使える剣であるが災害級魔法は使えない。

『奇跡の剣』と『漆黒の剣』は剣部分が壊れても自動修復が出来、指輪に変化出来る武器である。

銀色の鎧の名前は『奇跡の鎧』と言い『奇跡の剣』と同じ某ゲームの防具と同じ名前である。効果は敵に受けたダメージ分のHPとMPが回復と自動修復機能が付いている鎧である(超軽量)


「これは『ファンタージー・ロマリア』でレア装備なんだよ。神が作った物とされている。」


「そうなると私達の最終装備となるわけね。」


「ああ。これは強敵用として使おうと思う。それともう一つ。」


「もうひとつって?」


「それはな。」

正樹はもう一つの内容を説明するのであった。


「もう一つは一回装備すると死ぬまで本人しか装備出来ないのだ。だから、ガブリエルが死んだ時点でガブリエル専用では無くなった。」


「なるほどね。」

明菜は納得した顔で答えた。

すると、クラリスが目を覚ましたのであった。


「...此処は...って...貴方達は誰?」


「起きましたか? 貴方を助けに来た冒険者です。」


「私は助かったのか? 先ずは礼を言わせてもらう。私はロマリア王国近衛騎士団のクラリス=ガーネットと申す。そなたたちは?」


「俺は冒険者で正樹と言う。隣の女性は。」


「明菜と言います。隣に居るバカな男の嫁でございますわ。」


「誰がバカだと? この嫉妬嫁め!」


「誰が嫉妬しているって! この巨乳好き旦那!」


「なんだと!」


「なんですって!」

正樹と明菜は言い争っているとクラリスは


「本当に私から見れば二人ともバカ夫婦に見えるぞ?」


「「誰がバカ夫婦だ!」」


「ハモっているなあ....。」

呆れるクラリスだった。


「そろそろ帰るか? 明菜。転移魔法頼む。」


「私だって....あの巨乳ほどではないけど...立派な物があるもん..... 分かったわ.」

...おーい。自分の世界に入るなよ...と正樹は頭を抱えていたのだった。

そして、明菜の転移魔法で三人は王家の墓を後にしてお城の大広間に転移するのであった。


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