第125話 ラークシャー攻防戦①

生き残った唯一の隊員が息を引きとった後、その場にいた全員が驚きを上げていた。

グレンは最後に死んだ隊員の話を聞き、ある仮説を話出した。


「レイモンドさん。この国の王子はなのですか?」


『それは間違いないかと思います。』


「そこで一つ質問がありますけど?」


『はい。お答えしますよ』


「貴方を含んだ王子達は、母親は一緒ですか?」


『いいえ。レオン兄上は第一王妃との子でリグル兄上は第二王妃の子で私とスチュワート兄上は第三王妃の子でアリオスは第四王妃の子です』


「それっておかしいですよね?」


『何が?』


「第四王妃は今何処にいるのですか?」


『確か.....アリオスが生まれた時に死んだと父上から聞きました。それが何が?』


「後、第一王妃と第二王妃と第三王妃は今は何処にいますか?」


『全員、城にいますよ?』


「やっぱり......。そうだったのか!」

グレンは自分が立てた仮説が事実と確信したのだ。


「レイモンドさん。此れは俺のある仮説だが.....。言いにくいが言ってもいいか?」


『はい。言って下さい』


「国王と第四王子のアリオスは同一人物だと思います。そして.....国王は魔王ダルタロスの配下だと考えらえる。元々国王自身が魔族だと考えらえる。レイモンドさんに聞くけど、貴方が脱出した時、誰かの支援があったのではありませんか?」


『それは.....国王です』


「それで分かった。国王は貴方を帝国の主にしようと思って、マリアンヌさんと一緒に国外脱出させたのだ。その後、国王は魔族アリオスに殺されて魔族アリオスが国王に変装したと思われる」


『なんですって!』


「それで、アリオスは何で第四王子として分かったのか?」


『それは...父上が2年前病気になった後だった時に、父上自身が発表になったと聞いています。』


「レイモンドさんが脱出後の後に?」


『はい。帝国から来た冒険者から聞きましたので間違いないかと思います』


「その冒険者は今は何処に?」


『「王家の墓」の調査に行くと言っていました』


「そうなんですね? これで繋がった。」

グレンは確信したのだ。

魔族が今帝国を支配しているって事に......。

するとクラリスと明菜はグレンに問いただした。


「貴方。「王家の墓」の冒険者って...あの魔族の二人?」


「そうだ。クラリスと一緒に参加した二人に間違いない」


「旦那様。そうしたら魔族が調査隊の冒険者2人に成りすまして計画を実行したですか?」


「ああ。この話は後にするぞ。帝国の本題に入る。」

グレンは再び話をしたのである。


「少し長くなる話になるから良く聞いて欲しい。先ず発端は魔族アリオスは国王の傍に近づき国王に少しずつであるが恐らく毒を飲ませたのであろう。それを国王は分かってしまった。国王は欲が強い王子達よりレイモンドさんを次の国王にしようと考えた。だが、魔族アリオスはそれを知って国王を殺そうと計画をした。国王はそれを察知してレイモンドさん達を国外に脱出させ、そして、アリオスに殺された。殺したアリオスは恐らく自分が国王に成り代わり、第四王子がいる事を帝国内に公表して、他の王子を殺そうと王位継承宣言をしたと思う。アリオスは王子達に魔王ダルタロスの発明した物を渡し、それらを使ってラークシャーでアリオス自身を倒そうと仕向けた。ヘレンはその計画を知ってアリオスに性奴隷になった。しかも付で.....。」


「ヘレンは何のおまけをつけられたのですか? 旦那様」


「ヘレンは既に魔王ダルタロスによって脳を改造されたになった。多分変身能力をつけたのであろうな?」

グレンがそう答えるとみどりが話す。


「そうなると、ラークシャーの領民達も...改造人間になっているかも知れないのね?」


「その可能性が高い」

グレンは答えるとグレックが話かけて来た。


『領主様! さっき第一王子と第二王子と第三王子に取りつけたキラービーの反応がなくなりました。恐らく....王子達は全員死亡になっているかと....』


「映像は残っているのか?」


『はい。映像はこちらに転送しています。映像を見ますか?』


「ああ。見せてくれ」

そう言ってグレックはキラービーの映像を再生した。

そこには.......


△レオン王子の映像△

レオンは馬車の中に護衛の騎士に話をしていた。

『もうすぐラークシャーに到着する。リグルとスチュワートの方は?』


『二人供、ラークシャーに到着します。』


『分かった。ゴーレム騎士に通達だ。ラークシャーに攻め込め!』


『はい』

護衛の騎士はゴーレム騎士に指示を出した。

ゴーレム騎士はラークシャーに向って進行した....のだが.....


『なぜ!こっちに来るのだ! 騎士団長! 報告しろ!』

レオンは叫んでいる。

ゴーレム騎士はレオンの乗っている馬車に襲い掛かったのだ!

ゴーレム騎士から光の弾が馬車に命中した。


ドバアアアアアアアアン!


『ぎゃあああああああ!』

レオンは悲鳴を上げて......レオンの乗っていた馬車は粉々になって消えてしまった.....。


△リグル王子の映像△


レオンの乗っていた馬車がゴーレム騎士によって粉々にされたのを見たリグルは、


『レオン兄上が死んだ! 改造魔物をゴーレム騎士に攻撃しろ!』


『はは!』

隣に座って居た騎士が改造魔物を操る魔道具を使ってゴーレム騎士に攻撃をするように命令したのだが......


『リグル様! 改造魔物がこちらに向って......ぎゃああああ!』


『なんだと! ぎゃああああああ!』

リグルが乗っていた馬車は巨大な改造魔物によって壊されて、リグル達は吹き飛ばされ.....そして、改造魔物に殺されてしまった。


△スチュワート王子の映像△


二人の王子の所を見ていたスチュワートは、


『おい。此処から脱出するぞ!』

スチュワートが率いる装甲車20台はその場から逃げようとしたが......

ラークシャーの門から大きな大砲が出て来た。


『なんだ。あれは?』


『大砲ですね。あの大砲ならこの装甲車を壊す事はしないと思います。それよりゴーレム騎士と改造魔物がこちらに来ます』


『魔導砲で応戦しろ!』


『はい。わかりました』

スチュワートの装甲車部隊は魔道砲でゴーレム騎士と改造魔物を攻撃した。

ゴーレム騎士と改造魔物は次々と粉々になって消えて行く.....だが


『スチュワート様。大砲から大きな光の弾がこちらに向ってきます!』


『なんだと!』

それがスチュワートの最後の言葉になったのであった.....。


ラークシャーから放った光の弾は拡散してゴーレム騎士と改造魔物とスチュワート達の装甲車部隊に命中して大規模な範囲で爆発した。

そして....ゴーレム騎士と改造魔物、そして装甲車部隊は全て消えてしまった。


その映像を見たグレン達は


「あれは....まさか」


「「「「波動砲?」」」」

嫁達はそう言うと


「違う....拡散波動砲だ....。やっぱりあの教授め.....知っていたか」


「どうするの? あんな大砲あるなんて.....」


「私達の搭載している装甲車じゃあ、すぐに壊れるわ」


「あんた。何かいい方法はないの?」


「旦那様......」


「兄上達.....」

王子達の映像を見た全員は言葉を無くしていたのであった....。

だが、グレンには大砲を壊す方法があるのであった。




~作者より~

ラークシャーから出て来た波動砲をどう防ぐのか。

グレンはそれを壊す方法があると言うが......

帝国編の中盤の大詰めです。

お楽しみ下さい。

面白いと思った方は評価ポイントをお願い致します。

次回の更新は土曜日か日曜日に更新予定です。














 

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