第126話 ラークシャー攻防戦②

帝国の王位継承権の王子三人がラークシャーの前でアリオスが用意した波動砲で全滅された映像を見た全員は絶句していた。

しかし、グレンにはラークシャーに潜入する作戦があった。


「みんな。聞いて欲しい。今からラークシャーに潜入してアリオスに化けているヘレンをなんとかする」


「旦那様.....ヘレンと戦うのですね?」


「ああ。もうラークシャーにいるヘレンは俺達が知っているヘレンじゃない。それとラークシャーを何とかしたら次は帝都に殴り込みする! 国王を倒す! それが一番の早道だ!」


『ラークシャーにある波動砲はどうするのよ?』


「それには方法がある。此処から二手に別れてもらう。レイモンドさん達は此処に待機で、明日香と明菜も同じ。」


「私と明菜さんは留守番なの?」


「違う。まあ作戦の内容を聞いてくれないか?」


「分かったわよ」

明日香がプリプリしながら答えるとグレンは作戦の説明をして行くのであった。


「先ず、俺とクラリスとみどりはある乗り物でラークシャーに向う。俺達が波動砲を壊したら、明日香と明菜はある乗り物でラークシャーに向って攻撃してから、ラークシャーの中で合流してヘレンと対峙する。レイモンドさん達は此処で俺達を待って欲しいんだ。貴方達は唯一の王位継承者なのでね。死んだら困るからだ」


「分かりました」


「全員外に出てくれないか?」

グレンの言葉の指示に従って全員は外に出た。

するとグレンはグレックに指示をかけた。


「グレック。サザンクロスを浮上させてくれ。」


「了解」

グレックは遠隔装置でサザンクロスを浮上させて艦内に入って行った。


「グレック。あの機体を出してくれ」


『はい。先ずは『モグラ』出します!』


「ねえ、貴方?「モグラ」って.....まさかだよね?」

明菜は歪んだ顔でグレンに聞いた。

するとサザンクロスの腹部から異様な乗り物が出て来た。


『領主様。次は『トリ』を出します』


「頼む」


そう言いながらサザンクロスの甲板からこれも異様な乗り物が出て来た。

それらを見た嫁達は


「これって.....ジェット機?」

とびっくり顔のみどり。


「腹部からドリル見たいな乗り物??」

と呆れた明日香。


「あのう.....これってサン〇ーバ〇ドに出て来るジ○○トモグラとトリに似た乗り物??」

と変な顔で見ている明菜。


「旦那様.....私は全くわかりません....」

とクラリス。


「ドリル見たいな乗り物は『モグラ』でこれを使って地中からラークシャーに行く。乗るのは俺とみどりとクラリス。もう一つは『トリ』でこれには明菜と明日香に乗ってもらう。明菜は確か飛行機のシュミレーターのゲームが好きだったよな?」


「貴方? 何で知っているの?」


「お前の身体に聞いたので分かっているぞ?」


「そんな.....って言うかコノバカ!」

明菜はグレンにラリアートで攻撃した。


「ぐは......明日香はシューティングも得意だったよな?」


「それも....私の身体で聞いたっと言わないでよ?」


「そうだったとしたら....お前は回し蹴りするからね?」


「まあ。それは良いとして今回の作戦はこの二つの乗り物でラークシャに向う。まさか上空と地中から行くとは思ってもみないだろうがな?」


「いつもながら......オタクな旦那ね?」


「しかも....随分古い物ともう一個の『トリ』は全く分からないけど?」

明菜はモグラの元になっている物は知っていたが、もう一個の『トリ』の方は知らなかったが.....一人だけ納得している女性が一人.....


「ねえ。明日香」


「何よ? みどり」


「この『トリ』の形、昔。二人で明日香のお父さんが持っていたDVDの中によく見ていた特撮物に出ていた気がするわ」


「え? 確かに.....って本当じゃん!」


「「これって! ゴ〇〇ジャーのバリ○○ーンにそっくりじゃないの!」」


此処に来てグレンのオタクが発揮したのであった。


「ちなみに「トリ」は「モグラ」を収納できるのだ。あはははは!」


「「「「バカ亭主!」」」」

嫁達にボコボコされるグレンであった。

それを見ていたレイモンド夫妻は心の中でこう思っていた。


(良いなあ...俺達もこうやって一緒に楽しみたいものだ......)


(私はあの奥さん達より狂暴ではありません......素直になろうっと.....)


「「トリ」の操縦は明菜で、飛行機のシュミレーターと同じ内容にしている。攻撃「モグラ」の回収は明日香でお願いする」


「「了解」」


「俺とクラリスとみどりは『モグラ』に乗り込んで先に地中からラークシャーに向う。「トリ」は上空から攻撃を頼むわ。作戦開始は今日の深夜に決行する」


「「「「了解!」」」」

グレン達は基地の中に入って休むのだった。


次の日、

グレン達は3つに別れて行動を開始した。

一つは「モグラ」に乗るグレンとクラリスとみどり。

一つは「トリ」の乗る明日香と明菜。

最後にはサザンクロスの乗務員達とレイモンド夫妻が移動基地に待機する。


「作戦開始だ。「モグラ」出ます!」


「了解。「トリ」行きまあす!」


「モグラ」は先端のドリルを回しながら進んで行くと地面に潜り込んで行った。

「トリ」はそのまま上空に上がって高度を500メートルになったらラークシャーの上空に向って飛んで行った。


「モグラ」の中ではグレンが操縦をしてみどりが探知担当でクラリスは砲撃担当で行動していた。


「そろそろラークシャの門前に到着したはずだ。どうだ、みどり?」


「後10分で到着するわ」


「クラリス。10分後に地面に出た時にすぐにドリルを発射しろ良いな?」


「旦那様。了解です」


「明菜。今どの位置に居るのか?」


『丁度、ラークシャーの街の上空にいるわ』


「明日香。10分後に上空から爆弾投下だ」


『了解』


「ドリルが波動砲に命中したら、すぐに「モグラ」を引き上げてくれ」


『分かったわ』


そして.....10分が経った。


「行くぞ! 「ドリル」発射!」


『了解! 爆弾投下!』


遂にラークシャーに攻撃を開始したグレン達であった。









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