第127話 ラークシャー攻防戦③

グレン達が乗っていた「モグラ」からドリルのみ飛び出して波動砲がある場所に向って行く。

その間、明菜達が乗っていた「トリ」の腹部が開き、上空から爆弾を投下して行く。


上空から落ちて来た爆弾はラークシャーの住宅街に命中して、激しい爆音を出して次々と建物を壊して行った。

「モグラ」から飛び出したドリルは波動砲に向って行く。

それを見たアリオスに化けていたヘレンはすぐさま部下達に指示をかけた。


「あの変な物体を壊しなさい。波動砲発射準備!」


「了解!」


部下達は波動砲の準備に入る。


「どれぐらいに発射できるの?」


「発射まで後3分です」


「急いで頂戴」


「了解」


ヘレンの部下達が波動砲の準備をしている頃、グレンはドリルの状況を確認していた。


「このままで行くと後5分で命中するけど.....」


「どうしたの?」


「あいつら。波動砲の準備をしていやがる。確か波動砲の準備は3分程度だな?」


「それでは、ドリルが壊されてしまいます」


「まあ大丈夫だ。奥の手を使う。ポチ」

グレンはあるボタンを押すとドリルの速度が上がって波動砲に向って行った。


「ふう.....この速度なら後2分で命中するはずだ.....そろそろだ」


グレンがそう言うとドリルは波動砲に命中して、大爆発を起こした。

波動砲の大爆発で半径200メートルの穴が出来てしまった。


「明菜!」


『なあに?』


「俺達を引き上げてくれ」


『了解』


明菜はトリの腹部から鋼鉄のチェーンをグレンの乗っているモグラに降ろすとモグラはチェーンに絡みつけてそのままトリの中に収納して行った。


「只今」


「おかえり」


「これからどうするの?」


「トリをあの建物に突入させる」


「体当たりするの?」


「ああ。トリから降りてヘレンと対決するからな」


「「「「了解!」」」」


明菜はトリを操縦してある建物に向って飛んでいった。

その建物とは.....ヘレンがいる建物だった。

そして、トリは建物に体当たりして止まった。


「そうだ。このままの装備だとちょっとヤバイのでこの指輪を付けてから、指輪に魔力を込めてくれ」

グレンから渡された指輪を嫁達は付けてから各々指輪に魔力を込めた。

すると指輪から光が発生して.....グレン達はある服装を装備したのであった。


「なによ? これって.....」

と明菜


「旦那様.....顔が見えないです」

とクラリス


「あのねえ.....まあこの姿なら問題ないか.....」

と明日香


「あなたああああ! この格好はまるで......」

とみどり


「ビキニアーマーよりマシだろう? 行くぞ!」


「「「「バカ亭主!」」」」

新しい服装を身に着けたグレン達はトリから降りてヘレンと対峙する。


『これはこれは、グレン様とクラリス様ではありませんか?』


「ヘレン。一体何をしているのですか!」


『クラリス様。私はアリオス様の命令で波動砲をローベルとベルとベルトンに向けて攻撃しようとしていたのに.....それを貴方達は壊してしまったのです』


「それは残念だ」


『いえいえ。それと貴方達を殺せと言われていたので助かりましたわ』


「そうか。」


『アリオス様のおかげで私は貴方達より強くなりましたわ』

ヘレン自身の身体が黒い光を出して姿を変えて行く。

その姿は、闇の天使のような姿になったのであった。

背中から大きな黒い翼を広げ、右手には大きな槍を持っていて、身体全体には黒いレースに覆われたヘレンが立っていた。


「すげえ....ヘレン。丸見えだぞ?」


『あら。股間が大きくなっている見たいですね?』


「「「「このバカ亭主!」」」」

嫁達がグレンの股間に蹴りを入れて、グレンはしゃがみ込んでいた。

すると、クラリスがグレンに話をする。


「旦那様。ヘレンの相手は私が相手します」


「クラリス一人で大丈夫なの?」


「私が倒れたら、後はお願いします」

そう言ってクラリスはヘレンの前に立った。


『クラリス様。貴方一人で相手にするのですか?』


「その通りです」


『あの....ねえ。貴方には私を倒せるのかしら?』


「戦って見ないとわかりません」


『はっきり言って。貴方一人では役不足ですよ? 全員で掛かって来なさいよ?』


「大丈夫だ。」


実はグレン達の服装は戦隊物の服装をしていた。

色はグレンがブラック。

みどりはグリーン。

明日香はブルー。

明菜はイエロー。

クラリスはレッド。


「クラリス! そのスーツは特殊繊維で作っている。さっきの指輪をもう一度魔力を込めろ! 魔力を込める最中に自分が使いたい武器をイメージするんだ!」


クラリスはグレンの助言通りに指輪に自分が使いたい武器を思いながら魔力を込めると.....指輪から何かが飛び出して行った。

その武器はクラリスの身長を同じ大剣であった。

その大剣を持ったクラリスは大剣を壁に向けて斬り込んだ。

斬り込んだ壁は簡単に斬り落とされたのであった。


「この剣。軽いです。しかも切れ味すごいです」


「ああ。その剣はお前のイメージ通りに変化をする。それを使ってヘレンを倒せ!」


「分かりました旦那様」


『それでは行きますわ。クラリス様。いやクラリス!』


「では行くぞ! 闇の天使ヘレン!」


遂にヘレンとクラリスの戦いが始まったのである。


その頃、基地内にいるレイモンド夫妻は、クラリスとヘレンとの戦いを見ていた。


「あなた.....これが終わったらどうするの?」


「グレンさん達と合流して帝都に向ってアリオスを撃つ!」


「やっぱり、そうなるのね?」


「ああ。アリオスを倒した後が大変だけどな.....。マリアンヌ王女殿下」


「王女殿下はこの場所で言わないで欲しい。今は貴方の妻のマリアンヌなので」


「そうでした。貴方を何としても王位につけます」

そう言ってマリアンヌに膝間づくレイモンドであった。






~作者より~

やっと中盤の終わりに差し掛かりました。

次回はクラリスとヘレンの戦いの回です。

お楽しみ下さい。






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