第五章 武装国家ガイアス編
第77話 プロローグ
正樹達はリリアンヌの父である副議長ロクサーヌ=ユグドラシルがいる議員会館の入り口の前に着いた。
正樹は入り口にいる警備兵に声をかけるのであった。
「すいません。」
「何だ! 貴様らは.....その隣に居るのは『聖女』リリアンヌ様!」
「俺達はそのリリアンヌ様を首都までの護衛をしていました、冒険者のマサキです。」
「そうか。それはどうもありがとう。」
「それより、父上に会いたいのですが。何処にいますか?」
「ロクサーヌ様は議員会館内の議員会議室に居ます。そのまでご案内します。」
「ありがとうございます。私の護衛の冒険者達もよろしい?」
「はい。我が国の至宝を守って下さった方々なので、一緒にどうぞ。」
警備兵に案内されて議員会館の中に入って行った。
「この先に奥の部屋にある魔法陣を使って下さい。直接議員会議室に行けますよ。」
「ありがとう。」
リリは警備兵にお礼を言った。
そして、正樹達は奥の部屋の中にある魔法陣に乗って行くと、魔法陣が光って正樹達は消えて行った。
再び魔法陣が光ると目の前に大きな部屋があった。
それが議員会議室であった。
正樹達は中に入ると銀色の髪をした男性が正樹達の元へ歩いていたのであった。
「おお。リリアンヌ。大丈夫だったか?」
「はい。お父様。」
「それで隣の方々は?」
「はい。私を此処まで護衛して頂いた冒険者のマサキさんとそのお仲間です。」
「初めまして私はこのレオバード連邦の副議長のロクサーヌ=ユグドラシルと言う。娘の護衛ありがとう。」
「いえいえ。私は正樹で隣にいるのが。」
「明菜です。」
「明日香です。」
「みどりです。」
「クラリスと言います。」
「「「「正樹の嫁です!」」」」
嫁達の紹介をするとロクサーヌは
「ほほう.....4人も妻がいるのかね?」
「はい。自慢の嫁達です。それよりも今の現状を教えて下さい。俺の方も話す事があるので。」
「なら。適当に座ってくれ。貴方からの話を先に聞きましょう」
正樹はロクサーヌに今までの事を話したのであった。
「赤い風」の襲撃、『聖域の神殿』での岡崎純一他、勇者セシルの死...などなど...。
それを聞いたロクサーヌは
「そうであったのか...勇者セシルは死んだのだな?」
「はい。三獣士の方々は元に戻って今は議員会館の中にいますよ。」
「そうか....。」
「それでロクサーヌさんの方はどうなっているのですか?」
ロクサーヌの話をまとめると議長のヘルグ=ワーグナーは首都から少し離れた位置にある『亜人の里』に陣を置いて首都攻略の準備をしているのであった。
「ワーグナーは其処にジュンイチ=オカザキが開発した魔族改造された亜人族を使ってこっちに向ってくるそうだ。その数約100人ほどだ。」
「100人って少ないね。勝てるよ。これ。」
明日香が答えると何処から声がして来たのであった。
『アキナさん。それは違うよ。』
「だれ?」
『はあい。マサキくん。アキナさん。お久しぶりだねえ』
その声を聴いた正樹と明菜は思い出したのであった。
「「ヘレンさん!」」
『そうだよ。冒険者ギルド、ナイツハイム支店の受付嬢のヘレンちゃんドォエエエス!』
「ヘレンさん。生きていたんだ。」
「ってオカマのヘレン。今何処にいるのだ?」
『おい。そこのバカ親父! オカマって言うなああ! ギルドのアイドルと言いなさい!』
正樹のツッコミにヘレンは吠えていると明菜と正樹が言い返す。
「何処がギルドのアイドルだと? 嘘を言うな!」
「そうよ.....中身は40歳のおっさんじゃない!」
『私はまだ30前だって言っている! あんたらね.....。いい加減にしないと。』
「しないと?」
『私。貴方達の眼の前で、ぬ・ぐ・よ!』
ヘレンは服を脱ぎ始めたのであった。
実はこのヘレンはナイトハイムの冒険者ギルドで受付嬢をしていたのであったのだが、当初、正樹と明菜はこのヘレンが女性だと思っていたのだが、途中ヘレンが男性だと判って二人から「オカマ」とか「オネエ」とか言われる始末....しかし、何故か男性の冒険者に人気があったのか不思議でならないのであった。
まあ。ヘレンの自身顔は美女顔でスマートな体型をしていたのであったのだが....。
「見せるな! おまえの裸なんか見たくない! それより、何処にいる?」
『それはね....武装国家『ガイアス』の王都シン・シティにいるのよ。』
「それはどういう事だ?」
『バレてもいいか。私は『ロマリア王国』女王直属の部隊『薔薇の園』の一人、ヘレン=ローズ。そこにいるクラリス隊長の配下よ。』
「クラリス。それってどう言う事?」
明日香が驚きを隠せなかった。
「私はそこにいるヘレンと同じ『薔薇の園』隊長でかれ....彼女は私の部下で担当は『情報集め』を主にしている。ヘレン。女王の命令だな?」
『そそ。其処にいる『聖女』みどりさん達がギリオン神殿に行った後、王都ナイトハイムを脱出して一旦シルバーレイクに戻って、通信魔道具を使って女王に報告したのよ。その後、女王から武装国家と獣国の調査の依頼をしていたのよ。それであいつらの計画を知ってその情報を女王に報告したの。女王から正樹君達にも情報を報告してって言われたので女王からもらった通信魔道具を使って報告しているって感じかな?さっき言ったけど、あの改造魔族の亜人達は勇者セシ程以下でもないけど、一人当たり100人分の亜人達を殺せるぐらいになっているわ。』
「つまり、それがワーグナーの所に配置しているって言うのか?」
ヘレンの情報によると一人当たり100人分の亜人を倒せる魔族改造の亜人達がいる。
それは、1万人分の亜人の戦力と同等と言えるのであった。
『さっき。ガイアスの王都の城に行ったのだけど、誰もいなかったのよねえ。』
「なんだと!」
正樹が言った時、議員会館の外に大型のスクリーンが出てきてそこに一人の男が座っていたのであった。
『ハロー。獣国の皆さん。こんにちは。私は『ガイアス』の国王ギレン=ガイアスだ。』
それは武装国家『ガイアス』国王ギレン=ガイアス...本当の名前は葛城慎太郎であったのだ。
~作者より~
第五章が始まりました。
この章では色々なオタク要素が出てきます。
お楽しみ下さい。
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