第66話 「ワルキューレ」
次の日、正樹達はベルシアを出て近くの砂浜に着いた。
「嫁達。食糧と日用品は買ったか?」
正樹は嫁達に確認を取るのであった。
「食料は、私とみどりさんとで買って私のマジックパックに入れたわ。約一か月はいけるわよ?」
「明菜さんと相談して調味料も買いました。」
「私とクラリスとで日用品は買ったけど? 火の魔法具と光の照明魔法具は6人分でよかったよね?」
「旦那様。風結界の魔法具の媒体になる指輪を買いましたけど? これは必要なのですか?」
「それはね。明菜。クラリスが持っている指輪の魔法具全てに風魔法を入れてくれる?」
「何で風魔法? ...なあるほどね。分かったわ。」
明菜は全員分の指輪型の魔法具に風魔法を入れるのであった。
「出来たわよ? これを全員につけろって事ね。」
「そう言う事だ。全員つけたら返事してくれ。」
「あなた。付けたわ。」
「正樹君。OKよ。」
「私もつけたわ。」
「旦那様。大丈夫です。」
「マサキさん。指輪付けました。」
「それじゃあ。出すとしますか? 亜空間魔法! 出てこい「ワルキューレ」!」
正樹が亜空間魔法で「ワルキューレ」を呼び出す。
それを見た正樹以外の全員が呆れた顔で
「明菜さん....。此れって....。」
「トレーラーじゃあないの?」
「正樹君...このトラックは?」
「旦那様...このデカい乗り物は?」
「マサキさん....。」
「此れが「ワルキューレ」だよ。水陸両用の巨大トレーラーだ。」
「「「「このバカ亭主!」」」」
嫁全員が正樹にツッコミを入れるのであった。
理由はそのトレーラーの大きさであった....。
長さ50メートル。縦横約20メートルの巨大なトレーラーが出て来たのであった。
「いやあ。これさ。俺の両親が持っていたBDで見たアニメに出て来たのを再現したのだよ? 全身ミスリル製で動力は魔石50000個で作った魔導エンジンで動く。中には風呂トイレ付で部屋は小さいが3つあって防音機能付きなのだ。」
「「「「このばかああああ!」」」」
嫁達のハイキックが正樹に命中したのだった。
「お前らなあ........それより乗るぞ。操縦は俺と明菜であるからな?」
「何で私なのよ?」
「免許持っているの明菜だけだろう?」
「そうだけど....。」
正樹と明菜の会話に明日香が割り込んで
「正樹。私も操縦したい。」
「明日香も出来るのか?」
「ゾンビゲームでトレーラーの操縦したから出来る....はず。」
「あのクソゲーのトレーラーか? 良いぞ。それなら問題ないわ。」
「やった!」
飛び跳ねる明日香。
「明日香....良いなあ。」
「みどりは料理専門で頼むよ?」
「はいはい....分かったわよ。」
全員が乗り込むと先ずは正樹が見本で操縦する事になった。
「リリさん。此処からだと目的地には?」
「船だと3日くらいですわ。」
「なら2日でいけるな。海中では動き遅いからな。では出発!」
「「「「「おー!」」」」」
正樹の乗ったトレーラーが動いて海中に潜るのであった。
....そして2日が経った.....
「そろそろ目的地に着くはずだが?」
「そうね。」
正樹と明菜は操縦しながら言うのであった。
するとリリがある物を見つけたのであった。
「マサキさん。ありました。ほら....あそこに洞穴の入り口が。」
「本当だ。明菜操縦を俺に代われ。俺が操縦していくから。」
「了解。」
明菜は正樹に操縦を任せて後ろに下がった。
トレーラーは洞穴に入いって奥まで進んで行くと巨大な生物がいたのであった。
その姿は........。
「正樹....これってイカ?」
と明日香。
「本当にイカだわ。」
とみどり。
「旦那様....イカです。」
とクラリス。
「この巨大なイカがクラーケンなの?」
「アキナさん.....間違いありません。私も首都にある図書室にあった『魔物辞典』に掲載された巨大イカの魔物....クラーケンです....数は.....1体ですが...私達の乗っている乗り物よりデカイです!」
とリリは震えた声で言うのであった。
「貴方。一体だけどデカイ....しかも海底だよ? どうするの?」
「まあ。大丈夫だ。奥の手を使うから。」
「「「「「奥の手?」」」」」
「まあ。見てろよ? 「ワルキューレ・バトルチェンジ」!」
トレーラーが何かに変化をしていく....。
それを見た全員は
「「「「「なんじゃあ! これええええええ!」」」」」
「あんた...ツッコミところ満載だわ...。」
と明菜。
「本当に....。」
と呆れるみどり。
「旦那様...変です。」
とクラリス。
「正樹。やっぱ、私が操縦していい?」
と明日香が指をパキパキしながら言う。
「マサキさん...これは?なんですかああああ!」
とリリは悲鳴を上げていたのであった。
「此れが「ワルキューレ」の本当の姿だ!」
と正樹はドヤ顔で言い放ったのであった。
~作者より~
この『ワルキューレ』の本当の姿は次回を読んで下さいね。
笑えます......。
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