第67話 VSクラーケン

今正樹達が乗せて海底を走っている乗り物は「ワルキューレ」と言う。

全長50メートル、縦横20メートルもある大型トレーラーであった。

正樹の合言葉「ワルキューレ、バトルチェンジ」と言うと変形をするのであった。


「「ワルキューレ、バトルチェンジ」!」


先ずトレーラーが斜め上に進んで行く。

その途中でトレーラーの上部3分2が半分に分かれて中から胴体らしき物が出て来て別れた部分は後ろに回って車輪を覆って行く。

残りの3分の1はそのまま後方に10メートル下がって行き足見たいな物に変形する。

胴体らしき物の横から腕らしき物が出て来てトレーラーの全面から頭らしき物が出て来る。

それは昭和アニメに出ていた「闘将ダ〇〇ス」のような姿の人型ロボットになったのであった。

変形が完了すると、リリを含む女性達が


「「「「「なんじゃああこりゃあああああ!」」」」」


全員でツッコミを入れるのであった。


「いやあ...昔なあ....死んだ親父の遺品にあったBDがあってね。それを参考にしたのだよ。親父って昔のアニメが好きだった見たいで特に昭和50年代の変形ロボなんか特に....。俺もそのBDを見てハマってしまったのだ。ニヤリ。」


すると嫁達が

「全くもう....あんたと言い。あんたの父親と言い。マジでオタクじゃないの!」

と明菜。


「正樹君.....バカ?」

とみどり。


「ねえねえ正樹。此れって格闘ゲーであったロボットにそっくりだ。私が操縦していい?」

と明日香。


「旦那様...訳が分からないのです...。」

とクラリス。


「此れは俺が操縦するからな? 明日香は次で頼むわ。」


「分かった..って。言っても出る場面があるの?」


「ああ。絶対にある!」

正樹は胸を張って言うのであった。


そして、クラーケンと闘将ダ〇〇ス...いや「ワルキューレ」の戦いが始まった。

クラーケンの10本の足がワルキューレに襲い掛かってくる。

ワルキューレはそれを足蹴りと手刀で防いで行く。

その攻防が少し続くとクラーケンの2本の触手がワルキューレの両腕に絡みついてしまった。


「しまった。身動き出来ない。」


「何やっているのよ!」

と明菜。


「私に代わってよ! 正樹より操作出来る!」

と明日香。


「まあ見てろよ? こうするのだ!」

正樹が操縦しているワルキューレは上にジャンプした後、バック転のように足を上にあげると右足のみクラーケンの脳天に叩きつける。


「紅蓮踵落とし!」

右足の踵が見事にクラーケンの頭に命中して、ワルキューレの腕に絡みついていたクラーケンの触手が離れて行った。

其処でワルキューレの両足の先から刃物が飛び出してクラーケンの10本の触手に斬り込んで行くのであった。


「紅蓮回転ソバット!」

ワルキューレの足が交互に蹴り込んでクラーケンの10本の触手が斬れて行くのであった。

それを見た正樹は


「行くぞ!「紅蓮三段蹴り」!」


ワルキューレはクラーケンに先ず胴体を蹴り、次に後部に蹴り、最後には顔に蹴りを入れた。

すると...クラーケンの顔にワルキューレの蹴りが入ってクラーケンの頭は爆発して....。

黒い炭を出して死んでいったのであった...。


「ふう。やばかった...。空手の格闘ゲーで鍛えた技だ!」

正樹はドヤ顔で言った。


「なんで...前に...紅蓮...ってつけるのよ! 普通に言いなさい....バカ!」

と明菜。

「正樹君...本当にオタクだったんだ....。」

とみどり。

「正樹。これ私も使いたい!」

と明日香。


「これ。明日香! そんな事言ったらダメだからね! 正樹君のバカが移る!」


「そうよ。明日香さん。こんなアニメオタク...しかも昭和と来たもんだ。せめて平成にしなさい!

今年は2019年よ!」

....追伸、正樹達が転移した日は2018年の7月25日であった。つまり..1学期の終業式後に転移したのであった....。


正樹はワルキューレをトレーラーモードに戻して最奥に向って行くのであった。


最奥に着くと上には空気の層が見えていたのでワルキューレで上に上がって行き海水が無くなって陸地になっていた。

そしてワルキューレから降りて正樹の亜空間魔法で収納した後、


「リリさん。此処が丁度真下かな?」


「そうだと思いますが....。」

リリが答えた時、明日香がある場所に指を指したのであった。


「あの先に扉があるわ。」


「分かった行こう。」

正樹達は扉の前に立つと...何処からともなく女性の声が聴こえて来たのだ。


『此処は「勇者の試練」の間です。直ぐに立ち去りなさい。』


「リリさん。知っているの?」


「いいえ..初めて聞きます。」

リリは答えた。

明菜が更にリリに聞いてみた。

「リリさん。この森の聖域に入るのは聖女だけなんでしょう?」


「森の聖域に入れるのは『聖域の試練』をクリアした人だけです。つまり私と亜人勇者のみです。」


正樹は女性の声に尋ねるのであった。

「この、『勇者の試練』は受けれるのか?」


『試練は受けれます。クリアしたら聖域の神殿に着きます。』


(ならやる事は一つだけだな。)

正樹は一個の結論を出して言うのであった。


「『勇者の試練』を受ける扉を開けてくれ!」


『分かりました...。扉を開けます。その奥にある物と戦って勝ったら聖域の神殿に入れます。では頑張って下さい。』


女性の声が答えると扉が開いたのであった。

正樹達は中に入って行くのであった。

中に入ったらそこは一本道で奥まで続いて行くのであった。

其処で正樹はリリに確認をした。


「リリさん。『聖女の試練』はこれと同じだった?」


「いいえ。『聖女の試練』では戦いはありませんでした。神殿の扉を私が祈るだけで終わっています。」


「なるほどな...そう言う事か。」

正樹はある結論に辿り着くとみどりが


「正樹君。何か分かった?」


「まあ。何となくだがね。答えは奥にある...もうすぐ着くぞ。」

正樹達は大きな部屋に辿り着いた。

其処には階段があって階段の入り口には結界が張られていたのであった。


「正樹。この結界は「ある物」に勝って解かれるみたいだね」

明菜はそう言うと


「そうみたいだな...おっと「ある物」が出て来た.....。」

正樹は言うと全員が「ある物」を見て


「「「「「「此れってミスリルドラゴンじゃないのおおおおおお!」」」」」」


其処には体長8メートルの銀色のドラゴンが立っていたのであった。



~作者より~

小ネタ①

正樹がワルキューレに命令した『紅蓮・三段蹴り』は某昭和の特撮ロボットの操縦者の主人公が使っていた技を元にしています。


これからも昭和の時代のオタクが出て来るので楽しく読んで下さいね


*ちなみに作者は昭和生まれであります.....中年おじさんです。


追伸、明日は一日三話です。



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