第131話 帝都決戦②

『我が名は魔王ダルタロス。エレナの使徒よ、ここで消えろ』


「それはこっちこそだ」


「マリアンヌ王女殿下。私とグレンさんに支援魔法を」


「分かりましたわ」

マリアンヌはレイモンドとグレンに支援魔法を使って二人の能力を上げた。


「行きます。グレンさん」


「おお」

グレンとレイモンドはダルタロスに向って斬り込んで行った。

ダルタロスは二人の攻撃を躱し、口からブレスを吐きだした。


「気を付けてブレスが来ます」

マリアンヌの助言に従って二人はブレスを躱して、斬り込んで行くと、ダルタロスは両手の爪で二人の剣を受け止めた。


『ほほお。なかなかやるのう』


「どういたしまして」


『こちらも少し本気になろうかのう』


ダルタロスは身体を黒いオーラに包み込んで、両手の爪をグレン達に向って放って行った。

グレンとレイモンドは剣で防ごうとしたが、ダルタロスの爪の風圧によって吹き飛ばされた.....が、グレン達の周辺に光の壁が出て来て、風圧を防いだ。


「大丈夫ですか?」

心配な顔をしたマリアンヌがグレン達に聞くと


「助かったよ。マリアンヌさん」


「さすが、我妻だ」


「いやん」


「二人供いちゃつくのは後にして、俺のサポートをお願いします」


「「いちゃついていない!」」


『お前ら.....』


「行くぞ! ダルタロス!」

グレンは再びダルタロスに飛び掛かる。

ダルタロスはまたも爪の風圧をしていくのだが、それはグレンがかわしてダルタロスの翼を斬った。


「秘技『両翼滅斬』」


『ぎゃあああああ』

ダルタロスの両翼がグレンによって斬り落とされた。


『よくも....我の両翼を斬り落としたなあああ!』

激怒するダルタロス。

その隙にレイモンドはある技をダルタロスに向けて放った。


「『光魔弾』」

レイモンドの剣から光の弾が無数に飛び出し、ダルタロスに向って攻撃をする。

この光魔弾はまるで連射銃の様にダルタロスに襲い掛かった。

もろに光魔弾を受けるダルタロス。

そして、グレンも必殺技を出したのだ。


「秘技『一点撃破剣』」

グレンの剣から光を帯びて、帯びた剣でダルタロスの心臓に刺さった。


『なぜだああああああ!』

ダルタロスは雄たけびを上げながら倒れていたのであった。


「やりましたわ」


「これで魔王は死んだ」


マリアンヌとレイモンドは喜んでいたが、ただ一人グレンだけは剣をダルタロスに向けていた。


「グレンさん。ダルタロスはもう死んだはずですよ? 何で剣を彼奴の前に向けているのですか?」


「あいつは.....ダルタロスは死んでいない。そうだろう? ダルタロス」


『あははははは』


倒れたはずのダルタロスは笑いながら立ち上がった。


『よくも....我に傷を付けたものだ。ほめてやろう』


「どういたしまして。お前は心臓いくつあるのだ?」


『そうだな....他にあと2つほど残っているかのう.....』


「「なんですって」」


「やっぱり、そうだと思った。お前がこんなにあっさりと倒されると思っていないだからな? いい加減に最終形態になったらどうなんだ? ダルタロス、いや、使さん」


『その名を知っているのは、から聞いたのだな?』


「いいや違うけどね?」

(ゲームでイベントがあったのだよねえ。確か....邪神ギルガメッシュ討伐に出るサブボスだけど)


グレンは松風直樹としてプレイしていたゲームのクエストを思い出していたのであった。

それは邪神ギルガメッシュ戦の前にボスがいた事に....それが天使長であったセレスで今は魔王ダルタロスであった事に。


(ゲームでは100人レイドで2時間以上戦ってやっと勝った相手だが....さすがに3人だとキツイわ。最後のギルガメッシュも500人レイドでまる2日して10回以上全滅させられたのを今になって思い出したわ。最終形態のセレスなら、なんとかなるはずだ....確か弱点は....)

グレンはゲームの攻略を思い出しながらダルタロスに話をかけていた。


「あんたの最終形態にならないと俺には勝てないからな?」


『ほほう....どういう意味だ?』


「今のお前は龍になっている。つまり、聖魔法には弱いからだ。それがセレスになると無効になるからだ。まあ、俺がいた世界でのゲーム内で一回お前を倒しているからな? だから、龍なら絶対に勝てると思った」


「グレンさん! なんで相手にそう言う事を言うのですか!」


「そうですよ。わざわざ相手の弱点を言うのですか!」


「それはな....ダルタロス。お前セレンに変化出来ないだろう?」


『そうかのう.....よほどセレンに変化して欲しいのか? いいだろうよく見てろ!』


ダルタロスは最終形態を開始した。

ダルタロスの身体は光と闇に包まれて一つの人物に変化して行く。

ダルタロスが最終形態している最中にグレンはマリアンヌにある作戦を伝えると


「分かりましたわ」

マリアンヌはそう答えて何かを唱えた。

そして、ダルタロスの最終形態が完了したのであった。


『この姿になるのは約3000年ぶりだ』


グレン達が見たダルタロス、今は天使長セレンとなって立っていた。

顔は40代の男性で某イケメンのニヒルなおじさま風の俳優にそっくりで、ムキムキな上半身裸で下半身は白い布で覆われていた。


「何回見てもキモイなあ。その姿。まるでエン○○パイのコマーシャルに出ていた天使にそっくりだわ」


『何を言うか! この姿をよく見ろ! 逞しい身体。そして、シブい顔』


「「「はっきり言ってキモイ!」」」


グレンはレイモンドとマリアンヌへ念話で会話する。


『マリアンヌさん。準備は?』


『出来ましたわ』


『この後の作戦ですが、三人で突入したらマリアンヌさんは魔法を使って下さい。その後は、俺が囮になるので二人は最後の準備を。あいつの弱点は......ですので一回しかチャンスがありません。注意して下さい』


『『了解』』

グレンの作戦を聞いた二人は返事をするのを確認したグレンはセレスにちょっかいを出す。


「なあ。キモイおっさん」


『我におっさんと言うのはけしからん』


「おっさん。最終決戦と行こうか」


『だからおっさんと言うなあああ!』


こうしてグレン達と元天使長セレンの戦いが始まるのであった。



~作者より~

遅くなってすいません。

いよいよ、ダルタロスとの戦いが終わります。

それが終わったら最終章になりますのでよろしくお願い致します。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る