第119話 「サザンクロス」の中で(後編)
グレンは淡々と今の帝国の状況を説明するのであった。
「さっきの『キラービー』の映像を見て欲しい。それで何かがわかるはずだ」
グレンはキラービーの映像を見せると明菜が驚きの顔で言った。
「この人.....私知っているわ.....確か、慎太郎の研究室の所長だった...名前は...」
明菜はその人物を思い出そうとしていたが、グレンが直ぐに答えた。
「こいつの名前はリチャード=ライガーだ。元アメリカのNASAの局長だ」
「そうそう。慎太郎をある研究に誘った人だ」
「俺もこの男は知っている。こいつは俺の両親の親友だ」
「「「え?」」」
明菜とみどりと明日香は驚いた。
「俺の両親はリチャード=ライガーとはアメリカの大学で同級生だった。10年前、俺の両親は飛行機事故で死んだ時、あいつは両親の葬式に来て、俺の顔を見るなに微笑んでいたのだ。それでネットとかで調べると葛城慎太郎と岡崎純一があいつの研究室に入った。理由は分からないのだがな? ただ分かるのはあいつがアイオスと繋がりがあるのは明白だ。リチャード=ライガーは魔族と繋がっていると思って良いはずだ。葛城と岡崎は魔王国の配下だらな?」
「貴方。そうなると第四王子が第三王子に何かを言って動かせている訳だね?」
みどりはグレンの言った内容をまとめて整理した事を話す。
「みどりの言う通りだ。だからアリオスが一番怪しいと思っている理由だ」
「そうなると、帝国に侵入したら、何処に行くの?」
明日香がグレンにその後について尋ねる。
「俺は今の帝国の状況を把握したいので、各王子の拠点の街に入って調べたら良いかと考えている。それで良いですか? レイモンドさん」
『それで充分です。私も一応、拠点を見たいと思っていたのですから』
「それなら早い。グレックさん。目的の場所にはどれくらいに到着する?」
『はい。このままなら、明日の午前中には到着出来そうです』
「「「「「早い」」」」」
グレン達は納得の顔をして答えたが、
「うそ.....普通なら2週間かかるのに......」
「本当に明日に着くのですか?」
『大丈夫です。本当は高速モードなら3時間で到着するのですが、試験運転もしていないので、高速モードにするとこの船は壊れるので.....』
「それでも早いって」
明日香はビックリして答えた。
グレンは全員に声をかけるのであった。
「俺達は明日の準備をしよう。レイモンドさん達は先に寝て下さい」
『そうされていただくよ』
レイモンド夫妻は自室に行くのであった。
そしてグレン達がその場に残って、グレンが声を出すのであった。
「レイモンドさん達には聞かれたくない話をするので、全員、俺の部屋に来てくれ」
グレン達は、グレンの部屋に行き、明菜が防音結界をして部屋の声を聞こえなくしてからグレンは嫁達に今後の説明をする。
「良いか。明日の午前中には帝国に着く。レイモンドさん達には悪いがレイモンドさんが拠点としている街「ラークシャー」は第四王子に支配されている。」
「「「「?」」」」
「一応、ラークシャーの街を取った映像を見てくれ」
グレンは嫁達にラークシャーの映像を見せた。
その映像の中身は......既にアリオスが領主となって支配していたのであった。
其処に街の中心部に大きな研究所があった。
それを見た明菜がグレンに尋ねる。
「この研究所は?」
「リチャード=ライガーが建てた研究所だ。多分、今回のレイモンドさんを国王にする為に一番重要な事になるかも知れん」
「この研究所の正体を見つけないとどうなると思っているの?」
「みどりの言う通り。この研究所の正体を見つけ、この施設を破壊しないと帝国は魔王国の支配下になるって事だ」
「それで潜入したら、ラークシャーに行くの?」
「いや。先に王子達の拠点に向い調査をしてからラークシャーに行く。それとクラリス。」
「はい。」
「確か、お前の暗器部隊は今帝国に居るのだな?」
「そうですが?」
「さっき、変態女王からヘレンの定期通信が此処2か月報告がない。おそらくアリオスがヘレン達を捕獲していると思って良いかと。それで、俺達が帝国に来るのは既に相手にはばれているので、今から渡す指輪を付けてくれ。」
グレンは嫁達に指輪を渡した。
「この指輪は?」
「明日香、この指輪は、以前にお前達がエリーゼに「支配」されたのを俺が参考にして作った指輪でこれを付けると「魅了」・「支配」・「眷属」などの「精神異常耐性」の無効化が出来る指輪だ。創造神エレナの使徒の効果で異常耐性無効になっているけど、それは自分の身体のみで精神までは無効になっていないのだよ。だから、俺が「精神異常耐性無効」の情報を理解して作った指輪だ。それを付けると約2年ぐらいは効果時間がある」
「そうなんだ......」
「俺達はその指輪を付けてから帝国に潜入する。先ずは第一王子の拠点「ベル」に向いその後、ベルトンとローベルに行き、最後にラークシャーに行って、此処に戻る良いな?」
「「「「了解!」」」」
グレン達は明日の準備をして寝るのであった。
しかし......グレンの夜伽の相手は.....全員であったのは言うまでもないのである。
~作者より~
次から帝国に入るグレン達であります。
お楽しみ下さい。
評価の☆を★にしていただくと助かります。
情報です。
今新作を書いています。
転生物で内容はダーク要素満載の物語です。
一応8月中には連載予定ですのでお楽しみ下さい。
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