第120話 帝国到着
次の朝、帝国の帝都から南の先端にある崖に到着した。
「レイモンドさん。この森から王子達の拠点までどれぐらいかかるのか?」
『そうですね。帝都まで約1000キロぐらいの距離だったと思いますが.....要塞都市ベルまでは此処から北西に約500キロで馬車なら約2週間ですね。商業都市ベルトンまでは此処から北東に約700キロで馬車なら約3週間。研究都市ローベルまでは此処から北に約400キロで馬車なら約10日ぐらいです』
「それとラークシャーまでは?」
『ラークシャーまでは此処から北に馬車でなら約1週間ぐらいかかります』
王子達の拠点とヘレンとの待ち合わせの場所を確認した後、みどりが聞いて来た。
「結構日数がかかるわね? 全ての拠点を見て回るとなると最低2か月かかるよ? これじゃあ、見た後の計画も月単位でなるじゃないの?」
「そこは問題ないよ。 そこで拠点は此処にしようかと思う」
「どうしてなの?」
明菜が首を傾けながら答えた。
「レイモンドさんには悪いけど、ラークシャーだと俺達の活動が出来にくいからだ。しかも、普通に拠点を見て行くのに目立つので、ここに拠点を作って直ぐにベルから行くので。 グレッグさん。あれを出す準備をお願い」
『分かりました。グレンさん。おいハリソンとビリーあれを出すぞ』
『『了解』』
グレッグ達は『サザンクロス』を操縦して崖に船体を合わせ海上に上がった。
上がった『サザンクロス』の側面が開いて一つの大きな物体が出て来た。
その物体は少し動いて止まった。
「全員。降りるぞ?」
全員が「サザンクロス」から降りて、その大きな物体に向って歩いて行った。
「旦那様。この大きな物体は?」
「これが俺達の拠点となる移動基地だ。グレッグ。もう少し進んで設置してくれないか?」
『了解です』
グレッグは大きな物体を少し進ませた。
大きな物体の四方から杭が地面に刺さり、物体は変形して.....施設に変形した。
『『『『『『?』』』』』』
嫁達とレイモンド夫妻は口を開けて呆然となっていた。
「この移動基地を此処に設置して、俺達の拠点となる。グレッグ達はこの基地に滞在してもらい、いざとなればこの移動基地を「サザンクロス」に移動できる」
グレンは物体が三階建ての建物に変形した移動基地を見て話した。
移動基地は一階が倉庫、二階が乗組員の住居と作戦室。三階がグレン達の住居の構造である。
全員、建物の中に入り、作戦室に向って行った。
作戦室に入ると其処には大きなソファーと椅子が置いてあった。
「全員、適当に座ってくれ。」
全員が席に座るとグレンが今後に作戦の説明するのであった。
「グレッグ達は此処で基地の管理と「サザンクロス」を見て欲しい。倉庫には食料があるからそれを使ってくれ。」
「「「「「「はい」」」」」」
「そして、俺達は装甲車に乗ってベルに向う。多分此処からだとベルの入り口付近に着くまでの時間は2時間もかからないはずだ。」
「へ?」
「装甲車だって? 目立つのじゃないの?」
明日香の疑問にグレンは更に説明する。
「今から乗る装甲車は、「ステルス」機能が付いた乗り物で魔力を入れると車が「透明化」になる。しかも時速200キロは出るから、街道沿いにはこれを走らないからな?」
「全く......この人のオタクには参ったわ。だけど、魔物を引いたら魔物の返り血がついて変じゃないの?」
みどりが言う
「ステルス状態で魔物をひき殺した場合は、血が付くと思うが、もしも血とか粉塵が車体に着かない工夫をしているから大丈夫だ」
「「「「はあ?」」」」
「ちなみに装甲車は、ホーリータウンの鍛冶職人達が作ったので、俺が錬金で作ると1週間たったら消えるからな?」
「もう....好きにして......」
明菜が諦めた顔で言った。
「今日は、この基地で泊まって、明日の朝になったら装甲車でベルに向う」
そうして、全員は今日この基地に泊ったのであった。
そして次の日の朝、
レイモンド夫妻と嫁達は、出発の準備をして基地の前に立った。
グレンは基地の倉庫から一台の装甲車が出て来た。
「これが装甲車?」
「さあ。乗った」
レイモンド夫妻と嫁達は装甲車に乗り込んだ。
「行くぞ! 出発!」
そして装甲車は動き出してその場を後にしたのであった。
装甲車は順調に走って行き、2時間程でベルに近い草原に到着した。
グレン達は装甲車から降り、グレンの空間魔法で装甲車を収納して、ベルに向って歩いて行くのである。
1時間後にベルの入り口に着いた。
入り口には警備兵が立って、グレン達に声をかけた。
「そこの人達。このベルに何か用か?」
警備兵の答えにレイモンドが説明をする。
「私は冒険者でレイモンドと言います。此れがギルドカードです。」
レイモンドは警備兵にギルドカードを提示した。
「私達は、この方の護衛です。この方は、ガイアスの商人でグレンさんとその従業員です」
「そうです。私はグレン。隣に居るのが従業員兼、私の妻達です」
「此処に来た理由は?」
「私達は帝都のある人物の依頼によって、ベルとベルトンとローベルとラークシャーの商人に商品を納品にして回っているのです。此れが商品です」
グレンは空間魔法から商品を取り出した。
それを見た警備兵は
「それでどこの商店に行くのだ?」
「ここの大きな商店と言われたもので....」
「ここの大きな商店だと、マリオン商店か....分かった通っていい」
「ありがとうございます」
グレン達はベルの街に入って行った。
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