第137話 スタンビート③

ガイアス王国では、丁度防衛の準備をしていた。

その内容は小型飛空艇2基と半径1キロにある結界魔法陣を組み込んだ防護壁が地面から出て来る。

その防壁壁には500メートル幅にレールガンを装備した大砲が設置され、魔導士が準備をしていた。

その警護にガイアス中の冒険者達約1500名が配置をし、大砲の防衛に当たらせた。

そして、最前線にいる騎士団長からエリミア宛に連絡が入る。


『エリミア女王様。準備完了しました』


「それで魔物の軍勢は?」


『あと5分で防護壁に到着します』


「では攻撃開始!」


『了解しました。攻撃を開始します!』


遂にガイアス王国と魔物達との戦いが始まった。

防護壁のレールガンが火を噴いて魔物達を次々を灰にして行く。

上空から小型飛行艇『エリミア1号』と『エリミア2号』が魔物達に向って、魔石を入れた爆弾が降下して行き、その爆風により魔物達は粉々になって行く。


城では映像魔道具でエリミアが指示をして行く。


「今の状況は?」


『3分の1程度ですね.....しかも、大型の魔物が後方にいます....』


「その魔物は何か分かりますか?」


エリミアは現場にいる騎士団長に話をする。


『女王様! 分かりました! 相手は......アトラスです! 我が部下の調査隊が調べた所、そのアトラスは特異種であります!』


騎士団長からの報告によると、大型魔物はアトラスと言う巨人型魔物で多少の知能があり、しかも通常アトラスは茶色をしているが、今向っているアトラスは黒いオーラを纏った特異種の可能が高い。

エリミアは特異種のアトラスを見るとこの防壁では壊されると思い始め考えていると、通信魔道具から連絡が入った。


『エリミア! どう?』


「その声はアスカさん。今は魔物の数が3分の1になっているけど、アスカさんは今何処にいるのですか?」


『ちょうどエリミアの王都を過ぎた所だよ? 後5分で目的地に到着するよ』


「それならお願いがあります」


『なあに?』


「後方にいる大きな巨人の魔物を倒して下さいな? どうやらこいつが指揮している見たいなのです」


『分かったわ。そいつは私が相手にするから、その巨人の周りの敵を何とかして欲しい』


「はい。それじゃあ飛空艇に連絡して砲撃させてから周辺の場所を結界で方位しますね」


『お願い! 行っている!』

アスカからの通信が終わってエリミアは即座に飛空艇に命令を出した。


その五分後に明日香が乗っていた飛空艇はアトラスの前に到着して、明日香は飛空艇から飛び降りた。

明日香が飛び降りた瞬間、エリミアの飛空艇から爆弾の投下が始まり、アトラスの周辺の魔物達は全滅した。

そして、別の飛空艇から結界魔道具を装備した槍が無数にアトラスの周辺に刺さり、槍から光が出てアトラスの周辺100メートルに結界を張った。


「さすが、エリミアだね? 用意はなかなかだわ。さてっと。デカ物さん」


『オマエハダレダ。ワレハココノシキヲメイレイサレタ。ダカラオマエコロス』


「へえ。片言だけど話せる知能はあるみたいだね。それじゃ戦いますか!」

明日香と黒いオーラを纏ったアトラスの戦いが始まろうとしていた。



○○○○○○


同じ頃、ロマリア王国にあるビルト平原では既に戦いが始まっていた。

シルバーレイクからの装甲車100台が魔物達と戦っていた。

その状況は芳しくなかった。


『女王様。最前戦にいるロキシー=バルドア男爵であります。ご報告します』


「ロキシーちゃん。どうぞ」


『はあ......。ごほん。今の状況ですがシルバーレイクの装甲車100台と我が装甲車100台で魔物を退治していますが、数が中々減りません。特に後方に人型の魔物が飛んでいます。それが恐らくこの魔物達に命令しているかと』


「グレンちゃんの応援次第ね.....」

ビクトリアはそう思った時、通信魔道具から連絡が入る。


『おい。変態女王!』


「グレンちゃん。遅いのじゃないの!」


『今ビルト平原に到着した。別の飛空艇には明菜が乗っている』


『女王さん。今着いたわ』


「それでは、グレンちゃんは装甲車とゴーレムを降下させて頂戴。それとアキナさんには後方に人型の魔物が居るみたいなのよ。それを倒してちょうだい」


『行くぞ! ゴーレムと装甲車降下!』


『私はその魔物の所に行くね』

グレンと明菜は別れてビクトリアの指示に従った。


サザンクロスから降下した装甲車100台とゴーレム50体が魔物に攻撃を開始した。

サザンクロスは降下した装甲車とゴーレムを確認すると少し先の所に行き、爆弾を投下し始めた。


『おい。変態女王! 今魔物は3分の1に減ったから俺は暗黒大陸に向う』


「分かったわ。気を付けてね。帰ったらベットとお風呂に入りましょう」


『俺は入らないわ!』


『そうよ! 入るのは私だけ!』


「あらまあ....夫婦コントは良いからさっさと済ませて頂戴な?」


『『夫婦コントって言うなああ!』』


ビクトリアは笑いながら戦いの状況を見ているのであった。



明菜は人型の魔物がいる場所に降り立ってその相手を見ていた。


『あらあ。明菜じゃないの? 元気にしてたあ?』


それは、勇者の試練の間で戦って死んだ西村久美子の姿であった。


「貴方.....久美子? 確か死んだはず.....」


『いやあ。あんた達に殺された後、何故か魂だけ残っていてね。邪神ギルガメッシュ様から新しい身体をもらったのよ? どう?この身体良いでしょう?』

久美子は明菜に自分の身体を見せると明菜は呆れた顔で答えた。


「少しは大きくなったわね......胸が」

(私より小さいですけどね?)


『あんたも同じでしょうが! .....って明菜。あんた....前より大きくなった?』


「もちろん。貴方よりデカいよ? ペンタンコだった久美子よりは 」


『ぎゃあああ! そう言うあんたってペッタンコに近いじゃないの?』


「胸の大きさは.....貴方よりがデカいわ!」

(まあ....私含んだ嫁軍団の中では、私よりデカすぎる人が2人も.......もう!)


『私の方が感度は良いのよ!』


「ねえ。そんなアホな事言う前に教えてくれない? 何で此処にいるの?」


『....たっく。良いわ。教えてあげる。ギルガメッシュ様からの命令で此処を襲撃する為よ。『魅了』のスキルは使えないけど、能力は以前の10倍もあるから。この身体も黒いけど、まあ黒い肌の色をした美人天使と言って欲しいわ』


「久美子.......貴方、その恰好.....まるで前よりも露出度高くない? 紐パン....しかも内容が.....黒ギャル見たい.....あははははは」


そう、今の前川久美子の姿はよりも少し大きくなった胸と紐パンを付けている黒ギャルそっくりなのだ。


『あんたって.......』


「久美子! その辺で戦って、貴方倒すわ」


『まあ、良いか。明菜、覚悟をしなさい!』


そして、黒ギャルと化した前川久美子と明菜の女の戦いが始まった.....。



......なんのこっちゃ?......


~作者より~

色々とツッコミところ満載だと思いますが、次回はクラリスが向ったレオバード共和国のスタンビート編です。

面白いと思った方は是非とも評価をお願い致します。






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