第136話 スタンビート②
ホーリータウンの領主宅の執務室ではグレンが嫁達に指示をしようとしていた。
「今から各国への応援にお前達が行ってもらう。良いな?」
それを聞いた明菜はグレンに尋ねた。
「それで、貴方は?」
「俺はサザンクロスで世界巡りだ。それと、お前達を分散する事については、俺の予測だとそれぞれの魔物襲撃はボスらしき者が率いている可能性がある。お前達は、そいつを倒して欲しい」
「わかったけど。みどりは支援型だけど、どうするつもりなの?」
明日香は、みどりの事を心配していた。
「それは、話をつけてあるから問題ない。お前達の行く場所を告げるぞ」
グレンは嫁達に応援する場所を言うのであった。
「まず、明菜は『変態女王』の所だ」
「え~。私、あの人苦手なのよ?」
「まあ。そう言うなよ」
「.....分かったわ」
「次、みどりは帝国な。レイモンドさんと一緒にお願いする」
「うん。レイモンドさんは騎士だから、支援使えるし。一応、レイモンドさんには言っているの?」
「ああ。さっき話をして了承したから問題ない」
「分かった」
「次は明日香だが、ガイアスに行ってもらう」
「了解」
「最後にクラリスは、レオバード共和国に行ってもらう」
「旦那様了解です」
グレンは嫁達に応援の場所を指示すると念話にてクラリスに話す。
『クラリス。名目は応援だが、ボスを倒すのが第一で第二はあの場所を守ってくれ』
『分かりました。旦那様』
「それと、明菜と明日香とみどりはボスを倒したら、一番激しいと思うレオバード共和国にいるクラリスの応援に入ってくれ。実はここにはギルガメッシュを倒す為の場所がある」
「それってどういう意味?」
「女神エレナが教えてくれた。其処にギルガメッシュを倒す方法があるって言っていたからな? それとお前達にはこれを付けてくれないか?」
そう言ってグレンは嫁達にシルバーリングを渡した。
「これは?」
「その場所に行き、指輪に魔力を込めたらギルガメッシュを倒すある物が俺に渡るはずだ。先にクラリスには渡しているから、これは明菜と明日香とみどり用だ。付けてくれ」
「「「了解」」」
明菜と明日香とみどりはグレンから貰った指輪を付けた。
「言うのを忘れたわ。この指輪は付けると取れなくなっているからな?」
「「「え~」」」
「まあ。俺との結婚指輪だと思ってくれたら良いからな?」
「「「いあん」」」
「その辺で良いから、各自応援場所に向ってくれ。お前達には小型飛空艇を用意させたからな?」
「「「「了解!」」」」
嫁達は各々の飛空艇に乗って応援場所に向って飛んで行った。
(頼むぞクラリス......そして、明菜、みどり、明日香.....幸せになるんだ.....)
グレンはそう思いながらサザンクロスに乗り込んで飛び立ったのだ。
○○○○○○
帝国では、魔物との戦いの最中であった。
レイモンドはラークシャーにある大砲の所に行き、準備をしていた。
『宰相閣下。準備は完了しました』
「そうか、それでこの大砲は何発撃てるのだ?」
『一回発射したら、準備に10分かかってもう一発は打てますが、最大三発が限界です』
「三発だな?」
『そうであります』
「一発目と二発目は目の前の敵に、最後の一発は遠隔操作して後方にある森の中に撃つ! グレン殿の予想だとこの敵にはボスが率いているはずだ。ある程度倒してからボスの周りを破壊してボスを倒す!」
『了解しました!』
「一発目、拡散波動砲、発射!」
レイモンドの号令により波動砲が発射した。
波動砲から大きな光の塊が出て、途中光の塊が破裂した。
破裂した塊は無数の小さな塊になって魔物達に向って行く。
ズドオオオオオオオ!
『? ギャアアアアア!』
命中した時、魔物の大きな悲鳴と供に次々と灰になって行く魔物.....およそ4分の1が消えて行く......。
消えた魔物の所に新たな魔物が行進して行く。
『宰相閣下。準備完了です!』
「二発目、発射!」
レイモンドは二発目を発射した。
魔物達は約半数に減ったのを確認すると其の場にいた兵士に指示を出した。
「此処いる兵士全員は此処から帝都に撤退せよ。私が用意した装甲車に乗り込め!」
『了解!』
兵士達はレイモンドが用意した装甲車3台に乗り込み、ラークシャから離れて行った。
装甲車にいる指揮官からレイモンドに連絡が入る
『閣下。渡した道具は、遠隔発射装置です。魔力を入れると直ぐに発射となりますのでご注意を』
「分かった。私はホーリータウンからの応援の乗り物に乗るから大丈夫だ」
『閣下。後武運を.....』
装甲車がラークシャーから離れて10分ぐらい経過した時、上から声がレイモンドに向って叫んでいた。
「レイモンドさ~ん! 応援に来ました! 今からロープを降ろすのでそれに捕まって下さい!」
「私の所はミドリさんなのですね? 分かりました」
レイモンドはロープに捕まりみどりが乗っている小型飛空艇に乗り込んだ。
「レイモンドさん。マリーさんは元気ですか?」
「元気だよ? いつも.....毎晩....誘ってくる....私はヘトヘトになるのだ....」
「まあ。絶倫なのですね?」
「ミドリの旦那さんには負けるけどね?」
「そう言うのは無しで、そろそろ行きますか?」
「そうだね。じゃあ発射!」
レイモンドは波動砲を発射した。
波動砲は発射した途端に波動砲自体は爆発した。
その爆発で周りの魔物は全滅、そして残った無数の塊は森の中に向って爆発した。
ズドオオオオオオオ!
大きな爆音を出して森が真っ赤に燃えていた。
そして.....そこには一つの影が立っていた。
その姿は....顔が獅子でシッポは蛇、身体は像のような魔物で禍々しいオーラが出ていた。
「レイモンドさん。此れが恐らく....」
「ボスだな? ダークキメラか....」
「初めて見ましたわ。それでは退治しましょう。こいつを倒せは魔物の増殖が抑えられる」
みどりとレイモンドはダークキメラの前に降り立った。
『オマエタチガ.......ユルセナイ』
「話は出来るのか? 私が戦い、ミドリさんは私の支援を頼みます。」
「レイモンドさん。旦那からこれを渡すように」
みどりはレイモンドに槍とラストックを渡した。
「これは?」
「レイモンドさんの槍では耐久性がないので旦那がオリハルコンとミスリル合金で作ったらしいわ。ラストックはおまけです」
「それは有りがたい。是非使わせてもらう。行きますぞミドリさん」
「ええ」
こうして、みどりとレイモンドとのコンビをダークキメラとの戦いが始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます