第135話 スタンビート①
ここはロマリア帝国の帝都にある城の謁見室にて近衛兵士がマリアンヌ女王
元に報告をして来た。
『女王様!』
「どうしましたか?」
『ラークシャーの南の森から魔物の軍勢が.....襲ってきます!』
近衛兵士の報告を聞いたレイモンドは更に話を聞く。
「それで規模は?」
『およそ......約50万......』
「なんだと! それでその軍勢は何処に向っているのだ?」
『はい。今はラークシャーに向って侵攻中の事です』
「そうか。下がって良いぞ」
『はい』
近衛兵は謁見室を出た。
マリアンヌとレイモンドは話合いを始める。
「貴方。どうします? 思っていたより早いですわ」
「ああ。神託の内容だと後3か月かかると思っていたのだが。グレン殿の助言がまさかこんな風になるとは思わなかった」
「そうですね。しかし、まだラークシャーの付近なら絶好な機会だと思います」
「マリアンヌの言う通りだ。ラークシャー攻防戦で壊れたあの大砲が昨日、修理が終わったとの報告が来ている。それを使うとして、後はどうする?」
「帝国の残っている兵士では防ぎは出来ないでしょうね?」
マリアンヌは考えていると、ある場所から通信が入る。
『女王様! ベルの領主のリカルド=バルベスク男爵です。今、残っているゴーレム部隊約100体の準備が出来ました。至急ラークシャーに向かわせます!』
「ありがとう。ベルベスタ男爵」
『はは! 帝国に栄光あれ!』
『女王様! ベルトンの領主、グレック=チャンバレン子爵です。現存の人造魔物の準備が出来ました。数は約500。ラークシャーに向います。この魔物はゴブリンですが、体内に爆薬を積ませました。指揮は私の部下のロバート=ロイター男爵が装甲車で指揮をします』
「ありがとう。チャンベレン子爵」
『レイモンド殿! ローベルの領主、アレク=ゴーダム子爵です。壊れていた装甲車の修理が完了しました。数は50しかありませんが、どうしますか?』
「その部隊は私が指揮をするので準備をしてくれ」
『了解しました』
「マリアンヌ。一応、先の内乱で残ったゴーレムと人造魔物と装甲車。それとあの大砲がある。何とかなるだろう」
「そうね......気を付けてね。貴方」
「行ってくる。近衛騎士団長! ローベルまでの転移陣の準備を!」
『今、準備完了しました! レイモンド様』
「助かる。では行ってくる」
レイモンドは転移陣を使ってレーベルの領主宅に向かうのであった。
○○○○
丁度同じ頃、ガイアス王国では、エリミア女王が近衛騎士団に指示をしている最中であった。
「騎士団長。魔物の軍勢は約20万ですか?」
『その通りでございます。今、ユッケ村から南東の森を出て今王都ロイドンに進行中です。ユッケ村の住人は以前にグレン殿が作ったシェルターに入っています。此処なら1週間はなんとか....』
「それではあれを使いましょう。騎士団長。準備をお願いしますね。それと王都ロイドンから1キロ離れた場所にある例の物を出して下さい。あれが来るまでに時間を稼ぎます」
『了解しました』
騎士団長は急いで謁見室を出て行った。
(まさか、予想以上の速さですね....グレンさんの助言で何とか間に合いましたけど?)
エリミアはそう言いながら通信魔道具を使ってある場所に連絡をした。
『これはエリミア女王様』
「ごめんなさい。リリさん」
『こちらも同じ様な状況ですの?』
「ええ。それでガイアスにいる冒険者全員を使って良いかしら?」
『今、そちらにいる冒険者の数は確か.....約500?』
「いいえ。1500です。指示はこちらで行います」
『はい。分かりました。存分に使って下さい』
「ありがとう」
リリアンヌとの会話をしたエリミアは通信魔道具で騎士団長を呼びだした。
『騎士団長。準備は良い?』
『女王様。準備は完了しました。小型戦艦『エリミア1号』と『エリミア2号』は出撃出来ます。それとロイドンの『防壁』も完了しています。其処には500基の魔導砲の準備と操作する魔導士2000人が向っています』
『分かりました。それで其処まで魔物到着時間は?』
『約2時間程度です』
『来たら直ぐに砲撃をお願します。小型戦艦も出撃して下さい』
『了解!』
エリミアの号令によってガイアスの防衛戦が始まろうとしていた。
○○○○○○
そしてロマリア王国では、ビクトリア女王がガーネット侯爵に指示を出していた。
「侯爵。魔物の現状は?」
『ビルト平原に魔物が終結しています。その数約30万。魔物の多くはオークです』
「分かりました。シルバーレイクから装甲車の準備は完了しているのですか?」
『シルバーレイクの装甲車はシルバーレイクの鍛冶職人総出で約100台が完成して、準備は出来ています』
「それでは、装甲車の出撃をお願いします」
そして、ホーリータウンのグレンへ連絡をする。
「グレンちゃん。そっちから応援を寄越してくれる?」
『大丈夫だ。装甲車100台。新型ゴーレムが50体の準備が出ている。ゴーレムは無人運転が出来るから装甲車の乗組員から一人を使って1台操縦出来るから大丈夫だと思う。一応、装甲車に波動砲を付けているから大丈夫だ』
「ありがとうね。後でベットで招待するわ」
『それは要らねえ! 隣で嫁達が怒っているから』
「あらあ。残念」
『俺も方もサザンクロスを使って援護するから』
「サンキュ。グレンちゃん」
「伯爵。王都と他の周辺都市と村に設置している結界装置を起動させてちょうだい」
『分かりました』
ガーネット侯爵は通信魔道具を使って各都市と村に結界装置を発動の命令を出したのであった。
○○〇〇〇
レオバード共和国にある首都の中にある会議室では、ロクサーヌが指揮をしていた。
「三獣士達! 準備は良いか?」
『ロクちゃん。こちらフォックス率いる部隊500準備完了で~す』
『ロっくん。こちらフラッグスなのです。あたしの部隊500完了よん』
『ロクサーヌちゃん。あたしのタイガーシン部隊500、いつでも行けるよ?』
(ロクちゃん? ロっくん? ロクサーヌちゃん???)
「三獣士の部隊は直ぐに勇者の試練の塔に向ってくれ」
『『『了解!』』』
そして、隣にいるリリに指示をかけた。
「リリ。すまんが此処にいる冒険者に首都の周りを配置してくれ。結界装置を使う。そして、グレンのサザンクロスを待って一気に掃討する!」
「分かった。パパ」
「お前なあ....パパじゃないだろう!」
「もうどっちでもいいんじゃない?」
「まあな。それより、勇者の試練の塔は絶対に死守しないとな?」
「そうね.....まさか....あそこが一番の重要な場所だと思わなかったわ。其処にグレンさんのお嫁さん達が行く予定なのね?」
「そうだ。其処で儀式をして、ギルガメッシュに対抗する装備を呼び出すのだ」
「それじゃあ。頑張りましょう」
そう言ってリリとロクサーヌは会議室で指示を送るのである。
今から世界規模のスタンピートが始まって、各国の防衛戦が開始した。
......勇者の試練の塔には.....グレン達に取っては忘れられない出来事になるのであった.........。
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