第113話 それぞれの思い①

嫁達を抱いて明菜と明日香とクラリスにかけられた「支配下」を解除したグレンは次の日、エリミアに報告をいれたのであった。


『おはよう。グレンさん。今日はどうしたのですか?』


「今日、此処を出ようとしたが、嫁達が風邪を引いたので出発は1週間後に変更した。それと当初明日香とみどりと行く予定だったが、嫁達全員で行くとこになったのでその報告だ。」


『.....そうなのですね?』


「そうだ。依頼者の提案で小人数で行くはずだったのだが、依頼者が残りの嫁達が可哀そうって言われてね。急遽一緒にいく事になった。すまん」


『良いですよ。頑張って下さい』


「ああ。今から嫁達の状況を見て来るから。ここで」


『はい』

グレンはエリミアとの通話を終了した。


(取り合えずは....これで良いと思う)

グレンは心の中で思った。


(何かあるのかしら? まさか....ね)

エリミアは疑念を抱いたが、特に気にしていないようであった。


その夜、グレンと嫁達は一緒のベットに寝ていた。


「ねえ、みどり。昨日は何でこいつに犯されたの?」


「それは....貴方達が支配されていたからだよ? 遅かったら....貴方達は他の男性達を乱交パーティされていたわ。それも毎日.....」

みどりの話を聞いた残りの嫁達は身体を震えていたのであった。


「しかし、あのエリミアもエリーゼさんに「支配化」にされていたなんて.....」

明菜は驚きを隠せないでいた。


「それで旦那様はエリミア様達をどうするのですか?」


「グレンからの指示だと、様子を見る事になったわ。それと帝国には私達全員が行く事になったわ。明菜さん。クラリスさん」


「「本当?」」

喜ぶ明菜とクラリス。

其処からガールズトークが始まるのであった。

最初に話を出したのはみどりであった。


「私ね....グレン...いや、正樹君と言ったら良いのかしら? 実は高校入学当初から気になる人だったの。」


「それって一目惚れってこと?」


「それに近いのだけどね?」


「みどりさん。白状しなさい!」


「明菜さんはそう言うのは好きなのですね.....分かりました。」

みどりは話をするのであった。


最初に正樹(グレン)との出会いは入学式の後である。


「私はその当時、元々お父様の言われる事しか出来なかった子だったの。大学卒業したらお父様の秘書になり、其処で経験をしてお父様の勧めた相手と結婚してその人を助ける事が一番とされていたの。だから、私の周りにはお父様の息のかかった同級生達が友人だったわ。自分で決断できない人間だったのであの人の行動を見ると羨ましいかった。」


当時のみどりは父である仁科龍馬の言いなりで今まで生きていた。

明浄学園に入学して、席に座っていると遠くからオタク話をする男子生徒達がいた。

その話を聞いていたみどりはとても私にはない物だと思っていた。

その中で一番オタクの話をしていた男子が正樹(グレン)であった。

その後、みどりはたまに正樹の話をこっそりと聞いてメモっていた。


「みどり...あんたね.....。」


「その頃はそれしか出来なかったの。2年生では別のクラスになってしまって。3年では同じクラスになると嬉しかったの。でも....その頃の正樹君は....」


「確か、あいつ一人浮いていたよな?」


「うん....。しかも、暗かった....。」


「まあ自称オタクだからね? その前に私と出会ったのよねえ」


「2年生の時に明日香に出会ったのよねえ」


「私は明浄に行く原因は中学の剣道大会があって、そこで全国に行けたけど、一回戦で負けちゃった.....それを見ていた明浄の理事長が私をスポーツ特待生として入学したのよ? 

1年の時は剣道ばっかしてて、2年の時少しスランプになっていたのよねえ。その時みどりと出会ったのよ? 声をかけたのは私だっけ?」


「そうよ。最初に声をかけられた時はビックしたわ。だって「へい!彼女!」って言うんだもん」


「それはあんたがいつも一人で居たから。だから気になって声をかけたのよ?」


「そうだったんだ.....。その後、色々話をして一緒にショッピングに行ったり」


「そそ。それと一緒に映画でも見に行ったし。しかし...みどりが....あの映画が好きだと思っていなかったぞ?」


「だって、面白いだから....私、サスペンスとかホラーが好きだった」


「私はその逆でアクション系だったわ」


「明日香は元々運動が得意だからね?」


「そうなるね。それでみどりが家族との会話がないと言われたのには私はびっくりしたわ。だから、あのゲームをしようと誘ったのよ?」


「明日香があのゲームに誘った理由は.....正樹君がそのゲームをしていたからって言われたのを聞いていたと思った」


「それであいつとパーティを組んだってわけね?」


「だってキャラ名を大声で言うのだもん....」


「それで.....この世界に飛ばされて、あいつは無能として追い出された」


「うん。私は何も出来なかった。だから、頑張ったのよ?」


「はいはい。」


「その後、ギリオン神殿で殺されそうになった時に正樹君が助けに来てくれた」


「あの時は私もびっくりした。あいつが戦っているのも見て....惚れてしまった。きゃあ」


「明日香はあの時に正樹君に一目惚れしたの?」


「悪い?」


「悪くはないよ?」


「もう....ギリオン神殿に助けられてから、私達はあいつに「好き」と告白したのよね?」


「うん....そして、その晩に抱かれた」


「うん」


「その後、私達は正樹君の嫁になって今に至るってわけ」


「まあ。好きだから良いんじゃない?」


「しかし....明日香? クラリスと明菜さんとエリミアとエリーゼさんに色々された訳だよね?」


「それは......」


「明日香。気持ち良さそうだったわよ?」


「それは...やめてええええ!」


「あはははは。」

明日香とみどりが大笑いをしていると明菜は二人に話すのであった。


「仲が良いっていいもんだね?」


「そう言う明菜さんも正樹君と好きになったのはどうしてかなあ?」


「あ。それ聞きたい!」


「私も旦那様が好きになったのを聞きたいです」


「「「教えて!」」」


「分かったわよ....」

明菜は観念して正樹を好きになった理由を話し始めるのであった。




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