第58話 襲撃者①
女神エレナとの話が終わった一週間後の朝、正樹達はベルシアに向けて出発したのであった。
王都からベルシアまでは馬で約4日に着く距離で途中バッカー山を越えて行かないと行けないのであった。
途中にあるバッカー山は王都とベルシアを挟んだ位置にあって周りは魔の森となっていた為、この山経由でベルシアに行くのが普通になっているのであった。
山頂には冒険者達が泊まれる小屋が多数あり、此処で一泊してからベルシアに向うのが冒険者の間では一番安全となっているのであった。
それを考慮して正樹はベルシア行く計画を立てたのであった。
その計画とは、バッカー山の入り口に一泊して山頂あがってそこにある山小屋で一泊、そして降りた所に一泊してベルシアに着く計画だ。
その計画通りに正樹達は、ベルシアの中間地点であるバッカー山の山頂に到着したのであったのが......
「何で小屋が満杯なのよ!」
明日香が雄たけびを上げて吠えていたのであった。
「ねえ。明日香。吠えない吠えない。」
みどりは明日香をなだめているのでが...明日香は更に吠えた!
「ここの冒険者達....ぶっ殺そうか!」
「止めなさい! 明日香さん。」
「そうだよ。明日香。」
「落ち着けよ...明日香...。今日の夜、お前の番だからと言ってそこまで吠えるなよ?」
「誰が吠えているの!」
おいおい....明日香さん.....夜叉見たいな顔で言ってくるなよ?
正樹は依頼者であるシルベールさんにどうするか尋ねた。
「そうします? シルベールさん。」
「そうですね....少し離れた場所にテントを建てて其処で一泊したらいいかと。」
しかし..離れた所には草がぼうぼう生えていたのである....。
全員が色々思案すると俺が明菜に指示を出した。
「明菜。俺が立っている所から半径30メートルまで火の魔法で雑草を燃やしてくれないか?」
「どうしてなの...って、分かったわ。そう言う事ね。」
「さすが....古株の妻だ。」
「誰が古株なのよ! ってそうだった....私.....貴方の最初の妻だった...初級魔法「ファイヤーウィンドー」」
明菜は火の風の魔法を放って俺の指示通りに焼け野原にしたのであった。
「これでいい? 正樹。」
「ああ。十分だ..じゃあ出すぞ。」
俺は空間魔法で使い一つの物体を取り出した....それを見た明菜以外の全員は
「なんで...家が出てくるのよ....。」
と明日香。
「正樹君。この家ってなんなの?」
とみどり。
「すごい...立派な家だ...。」
とクラリス。
そして明菜は納得した顔で言い始めた。
「これって前に使っていた家型テントだよね? これがあるの忘れていたわ。」
そして...依頼人の二人は
「「......」」
口を開けて呆けていたのであった。
「みんな中に入るぞ。明菜とみどり。結界魔法を使ってくれ。二重なら大丈夫だろう。」
「「了解よ。」」
明菜とみどりは各結界魔法を使って家型テントに結界を張ったのだった。
そして全員が中にはいると...。
「この家型テントは部屋が3つと風呂トイレとキッチィン付きでトイレは自動洗浄付きなのだ。」
「「「「「「....さすがに引いた....。」」」」」」
俺と明菜以外はドン引きしていた。
「でもこの方が良いわ。小屋より快適だからね。」
「まあな....。この家は防犯も充実しているから問題ない。」
「みどりちゃんとクラリスとそして明日香さん。夕食を作りますよ。手伝って!」
「「「はあい。」」」
「シルベールさんとリリさんは交互にお風呂に入ってきてよ?」
「ありがとう。そうします。それじゃあ先にリリ様から入って下さい。」
「それでは先に入りますね。」
リリはお風呂場に行くのであった。
その後、嫁達が先に入り、次にシルベールさんが一人で入りたいと言って、俺は最後に風呂に入った。
俺が風呂に入っている最中に嫁達は夕食の準備をして、俺が風呂を出た後で全員で夕食を食べたのであった。
「リリさんの白身魚の薬草焼き美味しいでした。」
「ほんとに美味しいわ。」
「みどりさんと明日香さんが作ったオーク肉のワイン煮込みも中々美味しいですよ。」
とシルベールさんは二人の料理の感想したのだった。
「それで明菜は何を作ったの?」
俺が尋ねると明菜は
「クラリスとの合作でオーク肉と野菜の薬草ポタージュよ。」
「どれどれ。」
俺はスープを飲むと
「「「「「美味しい」」」」」
作った二人以外全員がビックリしたのであった。
夕食後、俺以外は家型テントで寝て貰い、俺は外に出て別のテントを1個取り出して野営の準備をしていたのである。
理由は、俺の想像通りなら此処で襲ってくると考えたからだ。
それと、山頂の小屋が全て満員なのが気になっている....。
恐らく襲撃者が小屋に居るか、又は全て小屋にいる人々が襲撃者と考えていたからであった。
ちなみに俺が出した家型テントには隠蔽機能と防音機能が付いていて、中の人は安心して寝られるように工夫していたのであった。
そして、更に俺は幻影魔法を使って、家型テントを普通のテントに見せかけたのであった。
俺はテントの中に入って襲撃者の出方を見ていた。
そして....
魔力探知で5名から10名の人達が俺のテントに向って来るのがわかるのであった。
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