第5話 ギルドの初仕事
次の日朝、
正樹と明菜は冒険者ギルドに着いた。
ギルドの中には朝から掲示板を見ている人々が依頼書の内容を見ているのであった。
2人は受付のヘレンの元に行くのであった。
「おはようございます。ヘレンさん。」
「あら。二人ともいらっしゃい。今日は依頼を受けるのですね?」
「はい。お勧めの依頼はありますか?」
「それなら、これはどうかしか?」
ヘレンは2人の為に依頼書を確保しているのであった。
依頼書は薬草採取とゴブリン討伐の2件である。
ヘレンは依頼内容を説明するのであった。
「先ず薬草採取は薬草を10束を採取するのよ。報酬は1束で銅貨10枚ね。」
「薬草を見分けするのには?」
「それはこれを使ってね。『薬草図鑑(簡易版)』ですわ。これはアキナさんが持っていた方が良いかも。」
ヘレンは明菜に「薬草図鑑(簡易版)」を渡した。
「次はゴブリン討伐ね。ゴブリン5体倒したら依頼完了です。ゴブリン1体につき銀貨1枚ね。それと魔物は倒されると魔石になって消えるから討伐証明はゴブリンの魔石ね。」
この世界にはゴブリンの様な魔物とビッグボアの様な獣に分かれる。魔物を倒すと魔石を残して消滅するが、獣は消滅をしないのでその場で解体作業をして素材と魔石に分けるのだ。無論解体出来ないのならギルド専用の解体場に持ち込んで手数料1体につき銀貨10枚で解体してくれるのである。手数料が高い為、獣類はその場で自分で解体するのが基本となっている。
後この世界での通貨はロルと言って1ロル=日本円で1円。
銅貨1枚 100ロル 日本円で約100円
銀貨1枚 銅貨100枚 10.000ロル 日本円で約1万円
金貨1枚 銀貨100枚 1.000.000ロル 日本円で約100万円
白金貨1枚 金貨100枚 100.000.000ロル 日本円で約1億円
前に二人が国王からもらった一人当たり金貨10枚は一人当たり約1000万円である。
「それで薬草採取とゴブリン討伐の場所は?」
「ここから東にある森ですよ。ちなみにこの依頼はギルド常時依頼なので期限はありません。」
初心者には基本ギルドの常時依頼を受けるのが当たり前なのだったので二人直ぐに2件の依頼を受けるのであった。
「その森に行く時間は、どれ位かかります?」
「片道約1時間かな?立札があるのでそれを頼って行けば着けるよ。ただし、奥まで行かない事。いい?」
ヘレンは森の注意事項を言った。
「「了解です。」」
「素直でよろしいですよ? それじゃあ。行ってらっしゃい。」
するとヘレンが
「忘れてた。一応2人はパーティだよね?」
「はい。そうなります。あ!パーティ登録してないや。」
「パーティ登録はこっちで処理するわ。パーティ名はどうするの?」
「明菜さん。パーティ名って良いのあります?」
「良いのが浮かばないわ....。正樹君は?」
明菜が訪ねると正樹は考えて
「パーティ名は『銀狼』でお願いします。」
「『銀狼』ね分かったわ。それじゃあ、行ってらっしゃい。」
2人はギルドを出て王都の門を出て東にある森に向って歩いて行くのであった。
道中、明菜はパーティ名『銀狼』の由来を聞くと正樹は
「「銀狼」は、俺が『ファンタジー・ロマリア』でプレイしたキャラが在籍していたパーティ名ですよ。」
「そうなんだ。中々かっこいいチーム名ね。」
「明菜さん。そろそろ着きますよ。ほら着いた。」
「本当だ。大きい森だわ。奥は暗いし....。」
「先ずはこの辺りから薬草探しますよ。俺は大体わかるので、明菜さんは図鑑を見ながら出いいですよ。2時間後に此処に集合って事で。この辺は獣とか魔物はいない見たいから大丈夫だと思うよ。」
「分かったわ。」
2人は分かれて薬草採取をするのだった。
正樹はゲームの知識をフル回転させて薬草を採取。明菜も最初はぎこちないが図鑑を見ながら薬草を採取して2時間後に集合場所に集まった。
「明菜さん。丁度切り株があったので、そこで薬草を束にするよ。1束10本だから注意してね。」
「了解だよ。」
2人はカバンから薬草を取り出して束にしていく。結果薬草の束は60束になったのである。
「結構取ったね。正樹君。」
「そうですね。後はゴブリン討伐だけど。確か此処から北に行くと出会う可能性が...って出た。」
正樹は100メートル先にいる小型の人間ぐらいの魔物を発見した。ゴブリンだ。
「1体見えると確か5体以上はいるみたいだ。」
「本当? そう.....でもね.....ゴブリンを見ると電車に乗っているキモイおじさんを思い出すよ。」
「まさか? そのおじさんって痴漢なの?」
「まあね。私じゃなく他のJKをずっと見ていたからなのよねえ。」
「明菜さんの普段の恰好は?」
「上下とも黒のジャージよ。」
「その恰好じゃあ。襲ってこないか...。」
「なんていうのよ! その恰好って!」
「怒鳴らないで。って見つかってしまった!」
ゴブリンが二人に襲い掛かる。
「明菜さんは後ろに下がって下さい!」
正樹は明菜に指示をした後、両手に剣を持ってゴブリンに突っ込んで行く。
「そりゃああああ!」
正樹は慣れた手つきでゴブリンを倒した。
すると倒したゴブリンの後から更にゴブリンが出て来た。
「5体か..いけるか?」
正樹はそう言いながらゴブリンを倒しに突っ込んで行くのであった。
ゴブリンの攻撃をかわしながら、剣でゴブリンの首に切り込む。
それを何回も繰り返して最後の1体を倒すとゴブリンの姿は煙になって消えていくのであった。
「ふうう。終わった...。」
「正樹君。すごいね。」
「そうですか? 一応VRゲームしていると結構身体を動かすのでリアルでは結構筋力トレーニングとかで鍛えているので。明菜さん。怖くはなかったですか?」
「ゴブリンが死んだ時は少し吐きそうになったけど、だんだんと怖くなかった気がするよ。」
「やっぱり。『全異常耐性』のおかげかな?」
「正樹君。そろそろお昼になると思うから、一旦街に戻りましょうよ?」
「そうですね。街に戻ってから昼ご飯にしましょう。」
2人は街に戻ってギルドに行き報告をするのだった。
「お疲れ様。「銀狼」達。依頼完了です。報酬は薬草50束で銀貨5枚でゴブリンは5体なので銀貨5枚。合計銀貨10枚ね。」
ヘレンは銀貨10枚を渡して二人にアドバイスを言った。
「この二つの依頼を受けると一日で約銀貨6枚もらえるからこれで2日分の生活費になるのよ。二人には当分の期間、この常時依頼2件を毎日受けてもらった方が確実にランクが上がるから。」
「ヘレンさんの言う通りにしますね。それでその2件の依頼は午前中と午後に一回ずつ受けるのでよろしくお願いします。」
「了解よ。今日はどうするの?」
「お昼食べたら宿に戻って明日以降の作戦会議をしますよ。」
「そうね..二人とも仲が良いわね。まるでおしどり夫婦みたいだよ?」
ヘレンが二人に茶化すと
「ヘレンさん。俺達はそんな関係じゃあ.....。」
正樹が答えると明菜は照れながら
「ヘレンさん。私達、お似合いですと思います?」
「思いますよ。しかもマサキくんがアキナさんに尻を引かれているみたいだけどね。」
ヘレンがそう答えると明菜は赤く染まった顔になった。
「冗談は其処までで。明菜さん。昼食べるよ。」
「...うん...。」
2人はギルドを出て昼食を食べて宿に戻るのあった。
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