第99話 愛しの旦那様(クラリス編②)

旧ギリオン神殿跡で魔物達を一瞬にして倒した男、グレン=レイノルズがクラリスの前に立っていたのであった。


「グレンさん!」


クラリスが声をあげるとグレンは答えるのであった。

その返事はクラリスに取って愛する人の声にそっくりな声だった....。


「またせたな クラリス!」


「....まさか.....貴方は......。」


「お前は此処で倒れるはずじゃないだろう! 分かっているよな!」


「はい.......

クラリスはつい、グレンの事を愛する人にいつも言っている言葉を言うのであった。


「クラリス! こっちにこい!」

グレンはクラリスに自分の所に来いって言った。

クラリスはグレンの所に行き、グレンはクラリスの.....唇に......キスをするのであった。

クラリスは眼を開いたが、すぐさま眼を閉じてグレンのキスを受け取ったのである。

そして....クラリスの身体から光輝いて行き、クラリスの傷や体力がなんと回復するのであった。


「クラリス。行くぞ! 援護頼む!」


「はい!」


クラリスは盾と槍でグレンの後ろに立つ、グレンは剣を二本取り出して両手に持ち、攻撃の構えをしてグレンは剣に魔力を込めたのであった。


「行くぞ! 秘技「紅蓮・聖破斬」!」

グレンの剣が一振りすると一直線になって魔物の軍勢を一瞬に斬り裂く!

そして、グレンは奥の部屋に入ると、其処には地面に魔法陣を張っているのが見えて、グレンは更に秘技を出すのであった。


「秘技「紅蓮・三段斬り」!」


グレンの必殺の三段に分かれた剣筋が地面に張っている魔法陣を吹き飛ばしたのであった。


魔法陣は粉々になってしまい、魔物はもう発生しなくなっていたのであった。

そして、管理施設から応援部隊が来て残りの魔物達を殲滅したのであった。

クラリス他、調査部隊100名の内


重傷者20名。死者50名。軽症者20名。無傷10名。

9割の調査団が死傷していたのであった。

応援部隊は負傷者の回復と死者を毛布に包まって旧ギリオン神殿跡を後にしたのであった。


管理施設に戻ったカイン達は、一旦休憩を取っていたのであった。

クラリスは地面に座っているグレンに話をするのであった。


「旦那様.....。」


「おお。大丈夫だったか?」


「旦那様あああああああ!」

クラリスは泣きながらグレンに抱き着いて行った。


「なんで......言わなかったのです......」


「それはなあ。今から説明をするから、もう泣くなよ?」


「はい.....。」


「俺が正樹の転生した姿をお前に言わない理由は、エリミアと相談したからなんだよ?」


「エリミア様と?」


「ああ。お前はその時「女神エレナの加護」があっても「女神の使徒」ではなかったのだよ。それはクラリスのレベルに大きく関係しているからだ。俺は『鑑定』でお前のレベルがいくらになっているか見ていた。それはエリミアも同じで『鑑定』でお前の状況を見ていたのだよ? そして、お前が調査団の隊長として派遣された時、エリミアがお前のステータスの確認をして『女神の使徒』になる条件が揃ったのだ。そして、お前にキスした時点でお前は『女神の使徒』になったのだよ。」


「そうだったのですね.....。」


「ああ。」


「でも......会えて嬉しいです。.....旦那様」


「それより、エリミアから聞いた話がある。」


「何でしょうか?」


「ユッケ村の近くの森に「迷宮」があったの知っているか?」


「はい。私も一回行きました。」


「俺もレベル上げに「迷宮」に潜っていたのだが、一か所だけ奥に扉があって、俺では開ける事が出来なかった。そして、こっちに来る前にエリミアから救助依頼が出てあの森から魔物軍勢が王都に攻め込んでいると連絡があった。途中ユッケ村が壊滅して明日にも王都に攻め込むようなんだ」

グレンはガイアスの危機をクラリスに話すと


「それでは急がないと」


「ああ。しかも、今王都には明菜達が来ている。」


「え?」


「そうだ。女神エレナが召喚してこっちに来たのだ。ビクトリア女王もエリミア女王も知っている」


「だったら...早く行かないと.....。」


「それはあ一旦シルバーレイクに戻ってからだ。俺の自宅に戻って通信魔道具で確認する。いいな?」


「はい.....。」

カインとクラリスはシルバーレイクの自宅に戻った。

二人は自宅に着くとクラリスは懐かしい顔になっていたのであった。


「此処って?」


「ああ。俺達5人が一緒に住んでいた家だ。」


「本当に懐かしいです....。」


「中に入るぞ」

二人は中に入るとマリオン夫婦が出迎えた。


「お帰りなさいませ。旦那様.....それとクラリス様ではありませんか?」


「貴方はマリオン情報部隊副隊長では?」


「今はグレン様の執事でございます。」


「マリオンさん。通信魔道具の準備をお願いする」


「かしこまりました。」

マリオンは書斎に向って行き魔道具の準備に入る。


「その前に風呂に入るか? 無論二人でだ。それとイリアさん。俺とクラリスの服を用意して風呂場の着替え室に置いて欲しい」


「はい。わかりました。ごゆっくり....。」

ニコニコと笑うイリアであった。


グレンとクラリスは一緒に風呂に入ると......浴槽に入って一戦をするのであった。

一戦とは...言うまでもない.....。

クラリスの甘えた声が風呂場に響くのであった。


その後、二人は書斎に入り通信魔道具でビクトリア女王とエリミア女王との会話を始めるのであった。


『おい。変態女王!』


『グレンちゃん....変態はダメ! 妖艶のお姉さまと言いなさい。』


『ビクトリア女王様.....相変わらずですよね.....。』


『あらまあ。クラリスちゃんもいたのね』


(いたよね....ってさっきからいたのだが?)

クラリスは心の中でツッコミをするのであった。


『エリミア。どうだ。そっちの状況は?』


『今は大丈夫だけど....明日には王都から50キロの所に来ると思っているわ』


『あいつらは今、何をしている?』


『宿に泊まっているよ?』


『俺の事、言っていないだろうな?』


『言っていないって。言ったら女神様が加護を無くすって言われたから』


『なら良いのだが? それよりビクトリア女王』


『なあに?』


『旧ギリオン神殿跡の件は終わったぞ。奥の部屋に魔物を召喚する魔法陣が張っていたのが原因だな?』


『それって?』


『ああ。かが張ったのでだろう。ガイアスが目標ならな?』


『旦那様....それって旧ギリオン神殿跡は囮?』


『そうとも考える。』


『後、これも俺の想像なのだが、ガイアスの魔物発生の件も同じだと思う。』


『やっぱり。そうなるわよねえ』


『だから明日の朝にガイアスに向うがそれで良いよな? エリミア』


『いいよ。それで』


『これが終わったら.....あいつらに言わないとな?』

グレンは新たなる決意をするとエリミアが話をかけるのであった。


『グレンさん。それでね。終わったらこっちの城に来てね』


『ああ。報告するからな?』


『それも....あるけどね......。』


(何か嫌な予感がするなあ.....。)

グレンは悪寒を感じるのであった。


『解散するけど、いいか?』


『『いいよおお!』』

(お前ら何を考えているのだ??)


女王達との会談は終わって二人は話合うのであった。


「さて夕ご飯食べて寝るとするか?」


「はい.....。旦那様....今日は一緒に寝てもいいですか?」


「一緒に寝たいのか?」


「はい......。」


「分かった。」

二人は夕ご飯を食べて少し時間を経過してから寝るのであった。


だが.....その夜は何故か.....甘えた声の悲鳴が出ているのであった。



~作者より~

本日からタイトルを変更しました。

今後もよろしくお願いします。

プロローグと第一話を少し手直しをしました。


後。明日から新作を掲載します。

タイトルは

「フィルフォード一家のドタバタ冒険譚」です。

コミカルで少しエロ要素入っているファンタジー物です。

これも読んでいただくと嬉しいです。

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