第98話 クラリス 大ピンチ!(クラリス編①)

クラリスはエリミア女王に呼び出しを言われて女王の間に来ていた。


「エリミア女王様。どうかされましたか?」


『はい。実はクラリスさんにお願いがあります』


「お願いって何でしょうか?」


『実はさっきビクトリア女王様から連絡がありまして、旧ギリオン神殿跡に何者かが魔物を召喚してシルバーレイクに侵攻しようとしている情報がありまして、クラリスさんを隊長として旧ギリオン神殿跡に行って欲しいのです。その内容の結果によって追加部隊を送るみたいです。お願い出来ますか?』


エリミアの内容を聞いたクラリスは自分が生まれ育った国のピンチだと思い


「わかりました。準備して直ぐに向います。」


『目的地に行く前にビクトリア女王様の所に向ってからでお願いします。ロマリア王国への魔法陣は用意出来ています。よろしくお願い致します。』


クラリスは直ぐに準備をして、城の地下にある場所に向った。

その場所は....共和国の会議室とロマリア王国の城内が往来できる転送魔法陣である。

この転送魔法陣はエリミア女王とビクトリア女王とロクサーヌ大統領が三者会談に使う専用の魔法陣であった。

入り口には警備兵が立っていて、クラリスは警備兵に声をかけるのであった。


『これはクラリス様。エリミア女王様よりお話を聞いています。中に入って使って下さい』


「ありがとう。」

クラリスは魔法陣の上に立って、魔法陣を発動してビクトリア女王がいるロマリア城の地下に到着したのであった。

外に出るとロマリアの警備兵が声をかけて来たのであった。


『これは、クラリス=ラファエル侯爵夫人様。女王からの呼び出しですか?』


「ああ。ビクトリア女王様は謁見室にいるのだな?」


「はい。ガーネット伯爵様と会話しています。」


「ありがとう」

クラリスはそのまま謁見室に向い中に入った。


『あら。クラリスちゃん。いらっしゃい』


『我が娘よ。元気であったか?』


「お久しぶりです。女王様とそして父上」


『今日は何の様かしら?』


『娘よ。お見合いの話か? 今すぐにでも用意するぞ?』


......何を考えているのよ? この非常事態にこの父上......。


「エリミア女王様より、旧ギリオン神殿跡で魔物の大量発生が出たと報告がありまして、その調査団として私を隊長にして向うのでありませんか?」


『....そうだったな....すまん我が娘よ。』


『そこのロリコン親父の事は置いといて本題に入りましょう』


(ロリコン親父って.....父上.....女王との仲が悪いのか?)


「魔物発生の時期は?」


『それが私が聞いたのは昨日なのよ? 前にギリオン神殿付近に管理村があったでしょう? あの後、整備して今は軍が統治している施設から連絡があったの。あそこには約1000名の騎士がいて施設の周りには高さ10メートルの壁で覆われているから、今の所は問題ないかと思うのよ。それで貴方は其処に行って調査団として騎士100名を率いて旧ギリオン神殿跡に行って欲しいと言う訳』


「それでは今から私が行きます。この城から女王専用の魔法陣でシルバーレイク経由で行きます。確か近くの街までの交通馬車がありましたよね?」


『あるわよ? それと専用魔法陣の使用を許可します』


「それでは行ってきます。」

クラリスは再度、専用魔法陣を使ってシルバーレイクに飛んで、シルバーレイクに到着した後直ぐに交通馬車で近くの街ガーネットに向って行った。

近くの街ガーネットは、ギリオン戦の後に作られた街の一つであり、領主はガーネット伯爵が宰相と兼任で統治していたのであった。

ガーネットの街で調査隊の騎士100名を率いて旧ギリオン神殿跡に到着したのであった。

旧ギリオン神殿跡に入ると奥の壊れた部屋から次々と魔物が多数出て来るのをクラリスは確認して調査隊のメンバーに指示をするのであった。


「全員。攻撃用意! 此処を抑える! 絶対に外に出すな!」


魔物は調査隊に向って攻撃してくる。

調査隊も魔物に対抗して攻撃をしてくる。

最初は順調に魔物を倒していたのであったが、段々と魔物攻撃を防ぎ切れなくなって行く......。


「クラリス隊長! このままではこちらが危険です!」


「管理施設から応援の依頼を。それと本国に連絡!」


クラリスは応援が来るまで今生き残っている調査隊でなんとか抑える事に努めていたのであったが、次第に調査隊が次々と倒れて行くであった。

そして....今いるのはクラリス他調査隊20名ほどになって来たのであった。


そこでクラリスは最後の手段に打とうしたのであった。


「そこの5名。入り口を爆破する為の準備をしろ!」


そう.....入り口を爆破して魔物を外に出さない作戦である。

それはクラリス自身も死ぬ事になるとクラリスは覚悟をするのであった。


(私は此処まで.......出来たら旦那様に会いたかった......。)

クラリスはエリミアから正樹が転生して生きている事を聞いていたのであった。

それは多分クラリスが叶う事が出来ないと悟った時、

上空から何かが落ちて来たのであった!


ズバアアアアアアアン!


落ちた所には、大きな穴が出来ていて、其処に一人の男が立っていたのであった。


「あれは.......グレンさん!」

そうクラリスが見たのはグレン=レイノルズであったのだ。


此処についにクラリスと正樹が転生したグレンとの2度目の出会いであった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る