第31話 ギリオン神殿③

みどり達の前に立ったのは松風正樹だった。

その後ろには緑川明菜とクラリス=ガーネットが駆けつけていたのである。

正樹は明菜とクラリスにみどり達の保護を依頼して正樹は二刀流でバイデルに向って斬り込んで行くのであった。


『くらえ。「獅子演舞」!』

バイデルは両手の爪をクロスした風圧を正樹に放った。

だが正樹はかわしながら二刀流でバイデルに向って斬り込んで行く。

バイデルは獅子演舞を何回も放ったが正樹には当たらない。

そして、バイデルの真正面に立った正樹は必殺の技を繰り出した。


「バイデル.....さよならだ。秘技「無限剣・瞬殺斬り」!」

正樹が放った秘技が横一直線にバイデルに斬り込んだ。


『そんな技は通用しない....ぞ....ぐはああああ!』

それがバイデルの最後になるのであった。

バイデルの身体は上下に分かれてしまった。

すると止めに明菜が最上級魔法を放つ。


「炎魔法「インフェルノ・アロー」!」

明菜が放った二つの大きな炎の槍は一つはバイデルの上半身にもう一つは下半身に命中した。


「ぎゃああああ!」


バイデルの身体は灰になって消えて行くのであった。

正樹は明菜に助けられた事に感謝の言葉を言うのであった。


「ふう。ナイスだよ、明菜。」


「どんなもんだ。バカ亭主。」


「「バカ亭主?」」

みどりと明日香はその言葉に驚きを隠せなかった。


みどりが開口一番に正樹達に聞くのであった。

「あのう...松風君と明菜先生。どう言う意味ですか?」


「すまんすまん。仁科。実はね...俺と明菜は半年前に....けけけっこんしたのだよ。」


「照れるじゃないの...この旦那様...。」


「「ええええええええ!」」

驚く二人。

「ねえ。松風?明菜先生と結婚しているは分かったけど、なり染めは?」

明日香が興味津々に2人に聞くと


「「自然とこうなった!」」


「「なんじゃあそりゃああ!」」

みどりと明日香はツッコミを入れる。

そして明日香は気になる事を言うのであった。


「.....それは分かった。でその横にいる女性は誰?」


「私はクラリスと申します....。マサキさんの......。」

クラリスは照れて返事が出来ていない為、明菜が補足で言うのであった。


「仁科さんと望月さん。このクラリスは正樹の妻でございます。クラリス照れていないでちゃんと答える。」


「はい...私クラリスはマサキさんの奥さんです....。いやあああああ!」

クラリスは照れながら答えた。


「「えええええええ!」」

更に驚くみどりと明日香。

明日香はクラリスになり染めを聞くと正樹が代わりに答えるのであった。


「そこは企業秘密で。」


「「何が企業秘密だ! この女たらし!」」

みどりと明日香は正樹の腹に蹴りを入れるのであった。


「ぐは.....なにをすんだよ!」


「「それはこっちだ! 不潔!」」


「不潔じゃない! この世界は一夫多妻制なんだからな。明菜も分かってくれていたし。なあ。明菜。」


「ええ....結果的にそうなった訳....。」

みどりと明日香は明菜の態度でこれ以上何も言わないと思った。

だが一人だけ.....納得できていないのであった。

(なんで..松風君...年上と結婚したのだろう? 私だって......)

そう思っている仁科みどりであった。

すると正樹はみどりに声をかけるのであった。


「仁科さんと望月さん大丈夫だったか? 他のクラスメイトはどうなった?」


「私と明日香と....後一人...剣崎君が....。でも剣崎君、シルビア王女と一緒に城に向ったの。他の皆は全員死んでしまった...蘇生魔法のリザレクションを出したのだけど...効果がなかったの。」

みどりは泣きながら正樹に今までの内容を話した。


「「リザレクション」はこの世界では蘇生魔法ではないからな。それで、シルビア王女は何か言っていないかったか?」


「そう言えば、剣崎君が邪神ギリオンって言っていたのと、そのギリオンがシルビア王女がエステリーゼと言っていたわ..。何がどうなっているのかわからなくなってきたよ...。」


「やっぱり...そうなったか。」


「松風君わかるの?」


「ああ.」

正樹は真剣な顔になる。

明菜は正樹にギリオンとエステリーゼの事を聞いたのだった。


「貴方。そろそろ教えてくれない? 多分此処にいる全員が聞きたいと思っているよ?」


「ああ。その前に此処から出てシルバーレイクに向うぞ。俺達の家で話をする。」


「松風君、城には向かわないの?」


「ああ。あの状況になった時点で城に行っても殺されるだけだ。仁科さんと望月さんには是非協力が必要になる。明菜。転移魔法で俺達の家に飛ばしてくれ。」


「良いわよ。全員私の近くにいてくれる? そう...それでいいわ。それじゃあ、行くわよ。「テレポート」!」

明菜の放った転移魔法で正樹達は自宅の広間に転移したのであった。


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