第149話 エピローク(明菜&みどり&明日香編)
時は流れ....此処は兵庫県の淡路島にある牧場で三人の高齢の女性が並んで座っていた。
「みどりさん。明日香さん。此処の淡路島牛乳は美味しいよ? 飲んでみて」
「では、明菜さん。一杯いただこうかしら? 明日香もいる?」
「私も貰おうかな?」
三人は牛乳を飲んで幸せの顔で喜んで
「明菜さん。これは....美味しい」
「マジで美味しい...ってみどりって全部飲んだの?」
「そう言う明日香だって....ねえ、明菜さん」
「全員、一気に飲んじゃったわ....」
そう言って明菜は笑っていた。
緑川明菜は今86歳を迎えている。
26歳の時、海外研修でシドニーの日本人学校に行き、其処で同じ学校の教師である鮎坂雅樹と出会い、付き合って2年後に結婚、その後、日本に戻って鮎坂と一緒に大阪の南部で小中高校の一環学園、逢坂南学苑を作り、鮎坂は理事長で明菜は校長として活躍、子供は男2人と女2人を生み、子供達は同じ学校の教師としている。
明菜が60歳の時、鮎坂は亡くなり、明菜は理事長を引き継ぎ、70歳には、長男に理事長を渡して神戸市に移住。80歳に迎えた時、みどりと明日香と一緒に淡路島に移住していた。
仁科みどりは21歳の時にアメリカのC大学に交換留学をして、C大学を卒業後、フロリダ州の弁護士試験に合格して、弁護士を3年勤務した。
その頃、同じ弁護士事務所の同僚であった秋月正記と結婚した。
秋月は仁科の両親より婿入りをして仁科正記になり、その後、東京都知事に当選して知事を6期務めた。
子供は長男と長女の二人を産み、長男は父の正記が65歳で亡くなると正記の後を継いで東京都知事、その後、国会議員として今に至る。
長女の若葉はゲーム会社の社長であった竜神渉と結婚して子供が2人、孫が3人いる。
若葉は今は淡路島でみどり達と一緒に暮らしている。
望月明日香はスポーツ留学としてフランスのF大学に入り、そこでフェンシングに出会いF大学在中はフェンシングでフランスのトップ3になるほどの腕前になっていた。
F大学卒業後は、地元の熊本に帰省して、父の後を継いで望月流の流祖となる。
26歳の時、全国剣道大会で女子の部で優勝した時、男子の部で優勝した獅子堂真早希と付き合って獅子堂が婿入り結婚をして獅子堂は望月流の師範代になる。
その後、10年連続で夫婦でアベック優勝をする。
真早希が62歳で亡くなると息子に流祖を継がせてみどりがいる淡路島に移住したのであった。
「若葉ちゃん。そう言えば、孫の優ちゃんは元気?」
『元気も元気ですよ? 明日香叔母様。孫の優斗は5歳になりました。』
『優斗ちゃんは誰に似ているのかな? ひいおばあちゃんに似ているのかしら?』
『明菜おばさま。みどりおばあさんに似ていると思います。頭が良いし、最近望月流を習っていますから』
『そうなのね....将来は何になるのかしら?』
明菜が若葉に問いかけるとみどりと明日香が興味津々と頷く。
『『それ聞きたいわ』』
「まあ....一応、孫なので.....丈夫に育ってくれたら問題ないかと思います」
『でも.....ここ最近、世界では色々あるみたい』
『そうなの? 明日香』
『息子から聞いた話だと欧州で紛争が多くなってきている見たいなの』
『明日香の話、私の息子から聞いているわ。息子が北米に訪問した時にカナダの台大統領の会談で支援を希望しているって』
『私の所も、子供達が今、紛争になっている国の援助で逢坂学苑に留学する話が出ているわ』
『後20年の内に世界で紛争が多くなるかも.....』
『本当に嫌な世の中になったもんだねえ....』
『『『そうだね』』』
その後、みどり、明菜、明日香とみどりの娘の若葉が余生を楽しんで話をしていた。
......その数十年後...世界は混沌として行くのであった。
~作者より~
みどり、明菜、明日香のその後の話でした。
次回はクラリスのその後で最終回となります。
お楽しみ下さい。
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