第148話 最終決戦⑤<決着>

暗黒神ダンテは消滅した。

消滅した後の場所は無限の空間になっている。

直樹は鎧を解除したが、自分の身体がまだ光輝いているのには気が付いていなかった。

そこにラファエルとエレナが直樹の元に来て


『おめでとう。正樹』


『おめでとう。正樹さん』


「ありがとう。二人とも」


『これでこの世界は助かったわ。それよりもラファエいがたル、そろそろ此処から出ないと不味いですわ』


『そうだな.....。それではそろそろ行こうか?』


『正樹さんも一緒に行きましょう』

エレナの提案によって正樹は二人について行く事になり、ラファエルの転送スキルで三人は空間から消えて行くのであった。


△△△△△△△△


その頃、世界『ロマリア』では魔族&魔物との戦いが激戦となっていた。

ロマリア王国の王都にある城にはビクトリア女王とクラリスがその戦況を見守っていた。


「女王様! シルバーレイク壊滅! ホーリータウンはまだ健在です!」


「ありがとう....これで大丈夫な都市はこことホーリータウンのみになったわ....」


「女王様、それで他の国はどうなっているのですか?」


「そうねえ。クラリスちゃん。帝国は帝都以外ほぼ壊滅状態でガイアスはエリミアちゃんが王都から脱出しているわ」


「何処に?」


「それはね....あそこですわ」

ビクトリアは指を上空に指した。

クラリスは上空にある物を見て驚いた。


「あれは....空中要塞?」


「そそ。その空中要塞よ? エリミアちゃんが、先の戦いで大破した空中要塞を整備してお城にしていたのよねえ.....。でも、応急処置だから浮かばせるしか出来ないの。それもあと2日ぐらいはもつと言っていたわ....魔族が襲って来ない限りはね?」


「あとはレオバード共和国だけど、あそこは試練の塔が完全に破壊されて、そのお陰で首都以外はほぼ壊滅に近い状態なのよ? あと2日もつかどうかね?」


ビクトリアが言った内容を聞いてクラリスは決断をする。


「私が今からホーリータウンに向って行ってまだ残っている船でガイアスの空中要塞の所に向って応援に行きます」


「それは無理だと思うわよ?」


「どうしてですか?」


「だってえ....今しがたホーリータウンから連絡で残っている船全部が破壊されたと言われたから」


「そんな....」

ビクトリアの言葉でクラリスは青ざめる。


「もはやここまで....。後は天が知るのみだわ」


「旦那様....助けて.....」

クラリスが消えてしまった暗黒門に向って祈りをしようとした時、

上空から無数の光の槍が世界中に降り注いて行った。

無数の光の槍は次々と魔族&魔物が消滅して行く。

消滅しなかった魔物は次々と逃げて行き、1時間後には世界中に魔族と魔物は消えてしまった。


「これって.....旦那様が?」


「そう見たいね。グレンちゃんが邪神を倒してエレナ様を助けたのね」


「ありがとう...旦那様」

クラリスは天に向って祈りを捧げた。


△△△△△△△△


とある白い空間で3つの光の魂が並んでいた。


『どうやら間に合った見たいですね。ラファエル』


『ああ。おかげで我々の神力が殆ど無くなった....。我々が神力を使えるのは残り僅かだな?』


「エレナとラファエル。此処は何処なのか?」


『そうね....此処は神界と地上界の中間にある場所「輪廻」です。此処で死んだ人達の前世の記憶を完全抹消して再び世界に戻す場所』


『そして、悪し物は此処で浄化されて冥界へ行くはずだ。約1000年ぐらい冥界に暮らしてから、魔物とかに転生すると言われている』


『そして、貴方も今は肉体が消滅して魂の状態なのよ?』


「それで、俺がその状態になっているのか?」

正樹は今の自分の状況を確認して二人の神に尋ねる。


『そう言う事になるわ。そして、貴方の魂は浄化されてこの世界に転生をするのよ?』


『そこで、お前に対しての願いを聞こうと思う。何か願いがあるか?』

ラファエルの質問に対して正樹は一つの答えを願いを二人に言った。

それを聞いた二人の神は少し苦い顔で


『貴方のお願いは....


『そうだな....我々の残り少ない神力では無理だな....最低でも後二人ぐらいの神が持っている神力がないとは叶えられない』


すると、神界に繋ぐ扉が開いて二つの人物が出てくる。

その人物は若い男女でエレナとラファエルに話をかけて来た。


『パパ! ママ! やってきたよ~!』


『父上、母上。我ら兄妹がこちらに来ました!』


『エレーナちゃん!』


『我が息子、ウリエルか!』


「誰だ? この二人は?」

正樹はエレナ達に若い男女の事について尋ねる。


『この子達は私達の子供で、ウリエルとエレーナです』


『其処の魂のお兄ちゃん。私はエレーナだよ~ん』


『我が両親の恩人よ。私は二人の息子のウリエルと申する』


『二人とも。如何して此処に?』


『あたし達、パパとママが管理していたこの世界の『管理者』として配置転換したのよねえ』


『そうです。そこで神界の創始者から父上と母上に我々が引き継ぐように言われたのだ。先ほど、この者の願いを叶える為に協力する事になったのだ』


「それでは、のか?」


『そうだよん。但し、あんたの次の転生先は此処になるわ。しかも転生時期は約500年~1000年の間になるかと思うよ?』


『それと地球にいる彼女達は地球の神の管轄なのでこの世界での転生は無理なのだ。だけどここにいるもう一人の彼女は此処で転生となるので、つい先程、地球の創造神と交渉して。転生する期間はお前とほぼ同じ時期になるはずだ。それでも良いのならやって見せるが?』

兄妹の神は正樹に問いかけると、正樹は即答をした。


「是非お願いする。やって欲しい」


『わかったわよん。パパ、ママ。それとお兄ちゃん、いくわよ~ん』


『『『了解』』』

四人の神達は正樹の魂に神力を込めて行き、正樹の魂は4つに分かれて行く。

その内、3つは地球の方に飛び立ち、残りの一個はロマリアに旅立って行った。


『ウリエル。あの4個の魂はどうなるの?』


『母上。一個はロマリアにある彼女の体内に入って、後の3個は地球に瀕死状態にある人の中に入れた。』


『うんうん。それで地球の魂は彼女達との出会いがあって?』


『我が息子達よ。その後はどうなるのだ?』


『地球に飛び立った魂は寿命が終った後、3個の魂を一つにして再度転生をさせて、この世界に残ったもう一つの魂が寿命が終ったら地球の魂と同化する事になっているから.....彼女達は、我ら兄妹によってら問題ないかと』


『パパ、ママ。この先500年~1000年にまた激動の時期になるかもしれないから、次は絶対に幸せになって欲しいよ~』


エレナとラファエルはエレーナとウリエルを残して神界に戻って行くのを確認して


『パパ、ママ。帰って行ったね?』


『ああ、この後は我々の出番だな?』


『うん。そう言えば、パパとママが使った『聖なる槍』はあの世界での悪い者達を壊滅したの?』


『いいや、あの槍は悪い者は消滅するが、灰色の者は消滅しない。今は一握りしかいないのだが、後500年後には増えると思う。その時に.....』


『その時に.....あの子達が来るのを待っているしかないよねえ?』


『そう言う事だ。気長に待つとするか我が妹よ』


『そうだねえ! ハ~イ!』

両親を見送った兄妹の神はお互いに話をするのであった。



~作者より~

次回はエピローグを前後半で送りします。

地球にいる彼女達とロマリアの彼女のその後の話です。

お楽しみ下さい。

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