第19話 王家の墓③

正樹と明菜は『王家の墓』第六層に着いた。

第二層から第五層までは第一層と同じ様式であったが、第二層と第三層ではグールが第二層で約2000体、第三層では同じくグールで約1500体、第四層ではスケルトンが約1000体、第五層でも同じくスケルトンで約1000体が出たのだが、第一層のゾンビの数より少なかったので第二層から第五層までは全滅させてから上の階段を登って行った。

第六層からは部屋の大きさが第一層の5分の1の広さになっており端にあった階段は中央に位置を変えていた。周りには個別の部屋があってその部屋に入るとスケルトンナイトが一部屋に約20体程出没していたのである。


「これは.....結構めんどくさいなあ。一部屋ずつ確認しないと行けないから余計に時間がかかるかも知れん。」

正樹はそう言いながら部屋の中にいるスケルトンナイトを全滅してから中を見て回っていた。


「貴方。此処にもいないわ。多分上の階にいるかと思うよ。」


「そうだな。この第六層にもいないから恐らく次の階層に誰かがいるはずだ。」

2人は判断して第七層への階段を登っていった。

第七層に着くと更に大きさが更に半分となり部屋もなかったが、正樹達は其処に2人の死体を見つけたのである...その二人は騎士の恰好して死んでいたのであった。


「あなた。これって調査団の人だよね?」


「そうみたいだ。しかし2人しかいないのか?」


「明菜。この二人を『浄化』してくれないか? このままだとスケルトンナイトになる可能性が高い。」


「そうね.....わかったわよ。スキル『浄化』」

明菜は死んだ二人に『浄化』した。死んだ二人は光の玉となって上空に昇って行ったのだった。


「明菜。二人の騎士しかいないと言うと他の人は何処に行ったのだろう?」


「そうね。他の人達は何処に行ったのかしら? まさか生きている可能性があるのかな?」


「まさか上に階にいる可能性があるが、クラリスさんは判るとして、残りの二人の情報が欲しいから....あいつに聞くしかないのか......。」

正樹は、通信魔道具を取り出して誰かに話をするのであった。


「おい。リチャード。聞こえるか? 正樹だ。」


「どうしたマサキ。」

その声はシルバーレイクのギルド支店長のリチャードであった。


「女王からの依頼の件で『王家の墓』に来ているのだが。ちょっと教えてくれないか?」


「ああ。それなら女王から聞いている。「バカ夫婦に依頼をしたからフォローを頼むって。」」


あの..年増..変態女王め...。


「今第七層にいて二人騎士が死んでいた。それでギルドからの派遣されている探索者と回復魔術士の名前とその二人の経歴を教えてくれないか?」


「少し待ってくれ..あった。先ず探索士の名前はリンクで回復術士の名前はガルムといい、帝国から来たB級冒険者だ。二人は新しい場所で仕事をしたいと言って最近この国に来たと俺の所に来たのでね。丁度この依頼を受けてもらったのだ。」

リチャードは答えた。


「それでその二人は帝国から来たのだな?」


「それは間違いない。」


「なら帝国の冒険者ギルドにその二人の人物について調べてくれないか?」


「今から通信魔法具を使って調べてみる。少し時間ぐらいかかるが良いか?」


「ああ。それで頼む、後もう一つ教えてくれないか?」

更に正樹はリチャードに用件を頼むのだった。


「確か、この『王家の墓』は、500年前に建てられたよな? 『王家の墓』には創始者の国王始め、各世代の国王が埋葬していたよな?」


「それがどうした?」


「ロマリア建国以降の500年の間で戦闘能力がある国王を知っているか?」

マサキは以外な内容を言った。


「ちょっと待ってくれないか? え...と。あった。500年間で一番最強なのはビクトリア女王の旦那でローレンス=ロマリア3世だ。最強の魔導士と言われている。確か、20年前に結婚した後、1年前に重い病気になって亡くなった事になっているはずだ。」


「それで、犯人は見つかっているのか?」


「いいや見つかっていない。それがどうした?」


「いや...ありがとう。さっきの件頼むぞ。」


「了解した。」

リチャードとの通信は終わった。

その内容を聞いた明菜が訪ねて来た。


「残りの調査団の2人と女王の旦那さんに何があるの?」


「俺の記憶間違いだと思うのだが、さっきのリンクとガルム。ちょっとその名前で思い出したのだよ。俺の記憶が間違っていないのなら...この件、結構やばいかも知れん。」


「リチャードさんの返事を待つ?」


「そうだな。此処で少し待った方がいいかも知れん。しかし、この階層アンデットが出ないな?」


「そこなのよねえ。騎士が死んでいるって事は此処で何かがあったと思うしかないけど..。」

明菜はそう答えた途端、後ろから黒い影が一〇体ほど出て来た。


「明菜! 後ろだ! よけろ!」

正樹は叫ぶと明菜は素早く避けて行った。


「やっぱり出て来たか。此れはスケルトンナイトだな? 明菜、速攻で倒すぞ!」

正樹はスケルトンナイトに切り込んで行った。

スケルトンナイトの剣を正樹の剣で受け流した後、


「明菜! あいつらが弱くなったら『浄化』しろ!」


「了解!」


正樹は剣技を出してスケルトンナイトを切り刻む!


「秘技『二刀天舞』!」

正樹の両手に持った剣が演舞しているように動いて無数の刃となってスケルトンナイト達の身体を切り刻んでいき、明菜はその後、スキル『浄化』を出すのであった。


「『ホーリーブレス』!」


明菜の放ったスキル『浄化』は光のブレスとなってスケルトンナイトに目指して飛んで行った。

スケルトンナイトは粉々になって消えていったのであった。

戦いが終わった後、正樹は魔力探知を使って他に魔物がいないか確認をしてから明菜の元に戻って行った。


「スケルトンナイトは全滅したみたいだな。」


「そうね。この後どうする?」


「そうだな...って、リチャードから連絡が入った。」

正樹は通信魔法具を取り出し、


「マサキ。いいかよく聞け。あのリンクとガルムは帝国の冒険者あるが1年前に死んでいる。」


「やっぱり。そうだと思った。」

(ゲームでの『王家の墓』のクエストのボスは確か死霊使いと魔族のはずだった気がしたんだ....。その時の仮の姿の冒険の名前と一緒だったからな...。)


「それと国王の事だが、死因は暗殺ではなかったらしい。理由は『王家の墓』内で誰かに殺された。国王を殺した犯人は今も分からない。俺もビックリしたのだが、女王から聞いたから間違いないぞ? 国王が殺されたと言われると大変な事にあるから病死と発表したのだった。」


「女王の本当の理由は、国王が殺された場所である『王家の墓』を調査する事だな?」


「ああ。女王はお前達に謝っていたぞ。」


「分かった。俺達は今から第八層に向う。」


「気を付けろよ? この件、何かきな臭いからな?」

リチャードとの会話が終わって正樹達は第八層の階段を登って行くのであった。



~お知らせ~

5月7日までのGW期間、毎日3話連続していましたが、本日5月4日と5月5日のみ5話連続で掲載させていただきます。

尚5月6日と5月7日は3話連続掲載しますのでよろしくお願い致します。

5月8日以降は通常通りに毎日1話ずつの掲載とさせていただきます。


作者より

(やっと、見直しをして改善しましたぜ。)

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