第18話 王家の墓②
正樹と明菜の二人は『王家の墓』に向っている途中、『王家の墓』を管理している村を立ち寄った。
「これは....。」
「これって.....。」
2人は村の状況を見て青ざめていたのであった。
村は既に壊滅状態で、家はボロボロに朽ち果て、村人は全て死んでいた。
その死体をカラスが食べていたのであったのだ...。
「確かこの村って500人程いたよな?」
「うん...。ギルド支店長のリテャードさんが言っていたね。」
「それがこんなになっているとは思わなかった。」
2人は、城でガーネット侯爵から聞いた事務所を訪ねると、其処にも事務員の死体が転がっていたのであった。
「此処もか....。」
「一体誰が殺したの?」
明菜は正樹に尋ねると
「俺にもわからない...。だが、入り口の警備兵と村中の状況を見たら何となくだが、全く抵抗なく殺されているのに....。」
「そうね..私も気になっていたの。どうやってこうなったのかな?」
「多分だけど....何者かが此処に来て一瞬で村人全員を殺した事になる。そいつは多分『王家の墓』の調査隊の中にいると考えられる。俺の想像だと雇った冒険者が怪しいと思っている。」
正樹はそう確信して明菜に指示を出した。
「明菜。此処を『浄化』するぞ。村人全員がアンデットにならない様にしないと。」
「このままだと天国に行けないからね.....。『浄化』!」
明菜は『浄化』のスキルを使いながら悲しそう言うのであった。
このまま死体を放置すると、さっきのカラス見たいな動物が死体を食べると最後には魔物となって人間を襲う事になるのと、死んだ村人がアンデットになって、他の村とか王都に向う可能性がある為、普通人が死んだら『浄化』して埋葬するのだが、この場所には正樹と明菜しかいないので二人ですると時間がかかるので今回は明菜の『浄化』スキルは死体もすべて光となって空に昇って行くのであったので今回は明菜の『浄化』スキルを使う事になったのだった。
正樹は最初に結界魔法で村全体を包んだ。
その中で明菜はこの村全体を囲むスキル『範囲浄化』を発動するのであった。
「スキル『範囲浄化』!」
すると、地面から黄金の光が出て死んだ村人達の身体が光り輝いて...そして身体が消えて...光の塊となって空に昇って行くのであった....。
「「皆さん。安らかに眠って下さい....。」」
2人はその場で祈りをささげたのであった。
その後、二人は誰も居なくなった事務所に入り、机の上に許可書を置いてそれが飛ばない様に石を載せたのであった。
「そろそろ行くぞ。明菜。」
「うん....。」
2人は村を後にして『王家の墓』に向って行ったのだった。
村から『王家の墓』まではほんの500メートルほどだったので直ぐに『王家の墓』に着いた。
『王家の墓』に着くと二人は
「すごいな...これって〇〇ドーム一個ぐらいあるよな?」
「本当に...。召喚された日の3日前の日曜日にドームで〇〇〇〇のコンサートを見に行った事を思い出しちゃったわ。」
「明菜。あったぞ。入り口が。」
「本当だ。」
『王家の墓』は2人が言った通りドーム一個分の大きさで10階建ての塔であった。
5層までは1層と同じで大きさの円錐状であって6層からは三角錐状になっている。
中央に入り口があって普段は扉が閉まっているのだが、今は扉が開いていた。
調査団が閉め忘れていたのかと二人は思ったが、入り口を見てその理由がわかったのだった。
「入り口の扉が粉々になって消えている。」
明菜は開口一番に言った。
「これは...不味い。中に入るぞ!」
「うん。」
正樹が先頭ですぐ後ろに明菜がついて中に入ってすぐに大きな広間に出て二人は、
「あなた..。これ......何体いるのよ!」
「恐らく10000体以上はいるな。」
大きな広間には約10000体以上のゾンビが蠢いていたのであった。
周りを見渡すと奥に上に上がる階段らしきのが見えて、
「明菜! この数の相手には出来ん。目の前の敵を倒しながら、奥にある階段まで突っ込むぞ! その前にお前自身に結界魔法使えよ。 」
「わかった! 私が魔法で道を開けるわ。その後頼むね。」
正樹は両手に剣を持ち、明菜は杖を持って用意する。
先ず最初に明菜が呪文を唱えて結界魔法を唱えてからすぐさま目の前にいるゾンビ達に向って聖魔法を放つ。
「聖魔法『ホーリーアロー』!」
ホーリーランスとは聖なる矢を放つ魔法だが普通1本しか発動出来ない。明菜は先に上空に範囲魔法を展開してそこから『ホーリーアロー』を範囲魔法に向けて放つと聖なる矢は範囲魔法に当たり、矢は分裂してゾンビ達の頭上から落ちて行くのであった。
それを見て正樹は剣をクロスして技を使った。
「剣技『グランドクロス』!」
クロスした剣から放った出た風が前方のゾンビ達を切り刻んでいく...。
階段までの道が出来たすぐに2人は身体強化して奥の階段まで走って行く。
約10秒ほどで階段に着いて二人は周りを見渡す。ゾンビ達は何故か襲って来なかった。
「そうか...この階段の周りには聖なる結界が張っていたのだな?」
「そうみたい。私もそれを感じていたわ。」
そうなると村を襲った犯人は....やはり調査団の中にいる冒険者って事になる。
急がないと騎士団の人が危ないな。
2人はそう思って上の階段を昇って行くのであったのだ。
~追伸~
読んでいただきありがとうございます。
沢山の応援とフォローありがとうございます。
応援の返事は中々できませんが、そこはご了承下さい。
GW期間限定で3話連続しています。
面白と感じていただけば幸いです。
作者より。
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