第35話 ビルト戦役①

ナイトハイム王国とロマリア王国の国境付近にあるビルト平原がロマリア王国軍とギリオン魔物軍の戦いの場になるのであった...。

ビルト平原はナイトハイト王国の都市ミルンとロマリア王国の都市シルバーレイクの間の位置にあり、その大きさは『日本』での関東平野とほぼ同じ大きさであった。

既にメルンはギリオンが壊滅されて廃墟になっているのだが、其処にギリオン軍約1000万の軍勢が到着していたのである。

ギリオン軍は4つの部隊を作っていてギリオンが居る本拠地グリンデルとミルンに分かれていたのであった。

グリンデルには邪女神エステリーゼが率いるオーガキング100万の部隊。

メルンには死天王の三人が受け持つ部隊約1100万がメルンにて既に配置していたのであった。

構成は一つの部隊にオーガキング100万、オークロード200万、ホブゴブリン200万で構成されている。残り100万はサラマンダーはメルンの街の中に配置しているのであった。

配置は魔将軍バルゼーが左に魔将軍ロズワールが左に中央に魔将軍バランの部隊が配置されていた。


『バルゼーよ。此れで良いのだな?』

獅子の顔の魔将軍バランが尋ねる。


『そうだ。エステリーゼ様の御意思にそう配置している。』

虎の顔の魔将軍バルゼーが答えた。


其処に像の顔をした魔将軍ロズワールが

『ワシは左でいいのじゃな?』


『その通りだ。この配置で進軍する。明日の朝に進軍開始だ。』


『魔将軍バラン。了解した。』


『魔将軍ロズワール。問題なし。』


『魔将軍バルゼー。準備完了...これでロマリアは滅亡して我が王ギリオンがこの東大陸を支配する。』

死天王は獣タイプの魔神である。


ギリオン自身が獣の邪神な為、主に獣の魔物を引き入れているのであった。


三人の死天王は明日の朝、メルンを出発するのであった...。



場所は変わってロマリア王国の迷宮都市シルバーレイクの門の前には、200台の魔道装甲車が準備していたのである。

正樹達はこの兵団の総司令を待っていたのであった。

すると一人の男が正樹達に声をかけて来たのだ。

年は40代で頭はモヒカンで筋肉バカみたいな恰好で正樹の所に来て


「おーい。我が愛するマサキく~ん。あたし、会いたかったわ。」


「やっぱり....お前だったか? このオカマ領主!」


「オカマじゃないわよ? シルバーレイク領主ロイド=ビンセントだよ?」

そう...お姉言葉で話すのがシルバーレイク領主で元ロマリア王国の英雄、ロイド=ビンセント伯爵である。


「なあ....それで、ロイドの姉さん。構成はどうするのだ?」


「オカマとかオネエとか言わないでね......そうね。200台の魔道装甲車には50台を4つに分けて先にギリオン軍の中に突入させるわ。そしてロマリア兵士2000人と冒険者500人を一部隊として4つに分けて魔道装甲車から突破して来る魔物を壊滅する考えだよん。」


「俺達は?」


「あんた達は指揮官を倒してちょうだい。相手の配置から3つに分けているはずだから。」


「そうなると指揮官を倒す順番は?」


「そうね。象が先で次虎、最後に獅子の魔神かな?」


「分かった。」


「でも...あんた達の乗るあれって一番強力だから大丈夫でしょう?」


「まあ。そうなる。」


「それとお。この女性達は....まさか。貴方の女? ダメダメダメ。私のマサキを奪うなんて。」


「「「「なんなの? このオカマは! 私達はマサキの妻です!」」」」

嫁達はロイドに睨みつける....まるで阿修羅のように。

「ひいいいいい。」


「ロイドの姉さん。いい加減にしてくれないか?」


「なんでよ?」


ロイドと正樹とのやり取りを見ていた明菜達は、


「貴方。この人がシルバーレイクの領主でロマリアの英雄??」


「まるでオカマ......オネエだわ。」


「うんうん。クラリスは知っているの?」


「知っているぞ。この筋肉バカ伯爵は....私の叔父に当たる...。」


「「「「マジ???」」」」

更に驚くクラリス以外の全員が....。


「本当だ...。」

するとロイドがクラリスに声をかけた。

「あらクラリスちゃんいたの?」

ロイドがクラリスに飛びつこうした時、


「いたの?って...叔父上いい加減にしろ!」

クラリスはロイドにエルボーを出したのである。


「.....痛いわよ...。クラリスちゃん。結婚して前より狂暴になった気がする...。」


「はあ...こりゃダメだわ...。」

正樹は頭を抱えながら思うであった。

ロイドがロマリアの兵士と冒険者に向って

「みんな! いくわよ! ロマリア軍ゴー!」


「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」

全員雄たけびを上げながらロマリア軍はすぐに出発するのであった。

これが歴史に残るビルト戦役の始まりであった....。

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