第六章 転生と出会い編

第90話 2年後①(明菜とみどりと明日香の場合)

ジイイイイイイイイイ。

目覚まし時計が大きく鳴っていた。


「眠い......。」

朝が弱い女性....望月明日香が目覚まし時計を止めて二度寝しようとしていると、


「明日香! 起きなさい! もう7時だよ?」

仁科みどりが明日香を起こしに来ていたのであった。


「みどり....もう少し....。」


「明日香! 起きないと勉強教えないよ? それでも良いのなら寝て良いよ?」

みどりに明日香の痛い所を付かれて慌てて起きる明日香であった。


「分かった! 今起きた。」


「先ずは顔を洗ってから朝御飯にするよ?」

二人は風呂場の隣の洗面所で顔を洗い終わった後、リビングに向ったのであった。


「おはよう。みどりさん。明日香さん」

朝ご飯の準備をしていた緑川明菜が二人に挨拶をした。


「おはようです。」


「ああ....眠い.....。」


「明日香さん。夜更かしでもしたの?」


「今日の出かける準備で何か良いのか考えたのよねえ。」


「私も今日は出かけるわ。明菜さんもそうでしたよね?」


「まあね....。」

明菜が少し微笑みの顔をして話すのだった。


「もう7月かあ...あの爆発事件が発生してもう2年も経つんだ....。」

明日香は懐かしく言うのであった。


「私達、あの爆発から良く生きていたと思ったわ。」


「明菜さんの言う通りですね...私もビックリしています。」


明日香達が言っていた爆発事件とは....一昨年の7月に起こった『明和学園高校爆破事件』であった。

明和学園高校爆破事件....明和学園高校の教室「3年5組」が大爆発を起こし、その場にいたとされる教師と生徒合わせて14名の内、死者11名、負傷者3名が出た事件である。

その負傷者は当時教育実習生であった、緑川明菜。3年5組の生徒であった、仁科みどりと望月明日香の三人で死者は3年5組の生徒達で、川崎仁美、佐伯しずか、剣崎和哉、大谷弘之、片桐省吾、近藤真一、佐久間大吾、立花良太、湊川龍二、林道琢磨、矢作英二、の11名。

その時みどりと明日香と明菜は事件の当日の記憶が無かったのであった。

ただ、一つ分からない事が...三人の指には壊れた指輪を付けていたのであった。


その後、明菜は無事に教員免許を取得して去年4月から中学教師になった。

みどりと明日香は勉強して無事女子大に合格して今は大学2回生になった。

明菜とみどりと明日香の三人は事件後、色々と交流をして去年の4月から三人でマンションを借りてそこから学校に行くようになったのである。

三人は何故は過去にいつも三人で行動していた気がするのであった。


そして、みどりが二人に恋バナをするのであった。


「明菜さん。彼氏さんって同じ中学の先生ですよね?」


「うん...。あの人の押しに負けて付き合っているのだけど.....。」


「明菜さん...やったの?」

明日香が会心の言葉を出した。

「何を?」


「決まっているじゃん...エッチ。」


「してないわよ.....。あの人と付き合う条件としてエッチは結婚出来たらって事にしているの。私があの人が好きかどうかわからないの....。ってそう言う明日香さんは? 彼氏いたよね?」


「まあ...彼氏ってほどじゃあないけどね....ちなみにエッチはしてないわよ。」


「「残りは....みどり。言いなさい! あのイケメンは誰?」」

二人はみどりを問い詰める。


「あの方は父の秘書ですわ。まあ..婚約者になるかも知れないですね....。」


「そうなんだ。みどりは一番堅物だからね。」

明日香はみどりにニヤニヤと笑いながら言うのであった。


「でも...私ね、最近変な夢を見るのよ。」

みどりが二人に変な夢の話をするのであった。


「私の見た夢は...ある人と結婚している夢なのよ...その人他にも奥さんが居て...その中に....。」


「その中にって...誰がいたのよ?」

明日香が問い詰める。


「それが....明菜さんと明日香がいたのよ...。その人の奥さんとして.....。」


それを聞いた明菜と明日香は苦い顔をして話すのであった。


「私も....実は....みどりと同じ夢見ている気がする....。」


「私も...同じで明日香さんとみどりさんと私ともう一人の女性がある人の奥さんになっていて、いつもその5人で旅をしながら楽しくイチャイチャしていた夢だったわ。」


「それ私も...。」

とみどり


「同じく....。」

と明日香


その後、三人は朝食を食べた後、別々にお出かけをするのであった。




*緑川明菜視点*


私の名前は緑川明菜。25歳独身。職業は大阪の私立聖エレン女学院の中学部で日本史の教師をしている。

今付き合っている人がいます。その人の名前は相沢慎吾30歳。同じ学校の教師です。

1年前に結婚を前提にお付き合いをしていますが、未だにその人と結婚まで考えていません。

今日はその人とデートだったのですが......。


『どうして、俺のマンションに来ないの?』


「何故って......まだその気がないから。」


『俺の事嫌いなのか?』


「それもわからない....。でも、私知っているの。貴方は別の女性と付き合っているって。」


『は?』


「私見たから。貴方のマンションから貴方と井上先生出て行くのを。私ね。その日、貴方に相談しようと思って行ったの貴方のマンション。着いたら貴方と井上先生が出て来てキスまでしていたわ。それはどういう事?」


『それは....遊びだよ?』


「なら。私の事も遊びだったわけね....。それじゃあ別れましょう...。」


『明菜が俺に構ってくれないからだ!』


「じゃあ。これで終わりにするね。バイバイ。後、学校では同僚として話すから。良いわね。」


『....分かった。明菜ってマジで可愛くねえな...だから俺は他の女に行くのだぞ?』


「どうぞ。ご勝手に...あと貴方のラ〇ンと携帯番号を消すからね。じゃあ。」

私は慎吾と別れたのであった。


「もう夕方だわ.....」

私はア〇ノ・ハ○○スの地下駐車場に向って歩いて行くと明日香さんとみどりさんが私を見つけて


「明菜さん。ご飯に行きませんか?」


「良いわよ?」

私達はア〇ノ・ハ○○スから車出して出て行ったのであった。


*明日香視点*

私、望月明日香20歳は天〇寺公園で彼氏であった前田良太と別れ話をしていたのであった。

私は大阪の聖エレナ女学院大学の2回生です。前田良太とは大学の剣道部で出稽古先の大学で知り合ってなんとなく付き合っていたのだが、良太が新しい彼女が出来て、彼から別れ話を言われていたのであった。


『明日香。俺さ、お前より好きな女性出来たから別れよう。』


「ふ~ん。良いよ。」


『お前ってあっさり過ぎるから、最初は俺がそこに惚れたけど、今はそれがめんどくなってな...。』


「いいじゃん。それで」


『それじゃあ。俺は今からその女性とデートするから。バイバイだ。ついでに番号消してくれよ?』


「今消したから、安心して楽しんで来て。」


『分かった』

そう言って私と良太は別れたのであった。


(さてっと、どうしたものかな?)

私が考えているとみどりが歩いているのを発見して、みどりの所に向って行った。


「みどり。どうしたの?」


「うん....。」


「何かあったの?」


「うん....。」


「なら、今からご飯でも行く?」


「うん.....。」

私はみどりとご飯に行こうとした時、隣にあるア○ノ・ハ○○スから出て来た明菜さんを見かけて、明菜さんに声をかけたのであった。


「明菜さん。ご飯に行きませんか?」


「良いわよ?」

私達はご飯を食べる店を探しに行くのであった。


*仁科みどり視点*

私の名前は仁科みどり。

歳は20歳で聖エレナ女学院大学の2回生です。

今、父仁科龍馬の秘書である村上秀樹さんと車の中で話をしていたのであった。

父仁科龍馬は東京都議員で9月に参議院の選挙に出馬する事になっていて、村上さんからその事を聞いて今後の事を話していたのであった。


『みどりさん。大学を出たら先生の秘書になる予定でしたね?』


「はい。父からそう言われています。」


『それで、仁科先生から許可いただきました。3年後に私と結婚する事になりました。』


「はい....。」

私は本当の事を言うと村上さんの事は好きではありません。

父の命令で村上さんと結婚する事になったのは、村上さんの御両親が父の後援会の会長をしているのと、将来村上さんが父の跡を継いで都議会に出馬する為の政略結婚だったのです。


『大学で政治経済の勉強しているのですね?』


「はい....。」


『将来の私の奥さんとなればそれは良い事だと思います。』


「はい....。」

私は適当に相槌をして答えていました。

そして、まわりを見ると公園で明日香が彼氏と思う人と話をして終わって、私を見たのでした。


「あのう....村上さん」


『みどりさん。どうしましたか?』


「私...この後、友人と会う約束があるのでこの辺でいいですか?」


『はい。どうぞ。』

私は村上さんの車から出で行くと


『お盆には実家に帰る予定でしたね? その日に先生の所に行きますね。』


「はい.....。」

私は明日香の所に向って歩いて行きました。


「みどり。どうしたの?」


「うん....。」


「何かあったの?」


「うん....。」


「なら、今からご飯でも行く?」


「うん.....。」

私と明日香はご飯に行こうとした時、ア○ノ・ハ○○スから明菜さんが出て行くのを見て明日香が明菜さんに声をかけるのであった。


「明菜さん。ご飯に行きませんか?」


「良いわよ?」

私達はご飯を食べる店を探しに行くのであった。


△△△△△

明菜と明日香とみどりはご飯を食べる所を探していると明日香がある店を見つけたのであった。


「これって「ファンタジー・ロマリア」じゃん?」


「明日香。それって前に一緒にしていたゲームだよね?」


「そうだよ? 明菜さんは知っている?」


「ゲームはしたことがないから....。」

(でも、この『ファンタジー・ロマリア』ってどこかで聞いた事がある....。)


「みどり、家帰ってやろうか? 気分転換に。」


「それいい..。」

みどりはそう答えて続いて明日香は明菜に話をするのであった。


「明菜さんも一緒にしようよ? ちょうどこのゲーム1本しかないし、しかも処分で3000円だって。」


「明日香さん。私、機械持っていないわよ?」


「ここで機械と一緒に買ったらどう? すいません。」

明日香は店の中に入った。


『いらっしゃいませ。』

店員が声をかけて来たので代わりに明日香が話をするのであった。


「この『ファンタジー・ロマリア』とそのゲームに使うVR機器はありますか?」


『ありますよ? それなら今ならセットで3万円どうです?』


「明菜さん。3万円だって。普通は6万円するのよ? 使い方教えるから。」


「そうねえ...じゃあカードでお願いします。」


『ありがとうございます。この機械は同じVRならVR同士で話できますよ?』


「これ..私と同じものだ。みどりのは?」


「私も同じものです。」


「明菜さん。通信機能を使って教えますよ。」


「分かったわ。それより夕ご飯はどうする?」


「食べる物を買って家で食べるってことでいい?」

明日香が提案すると


「それでいいよ....明菜さんは?」


「そうね...それで行こうか?」


「じゃあ。決定で」

その後三人は、出来上がりのおかずを買って明菜の車で家に帰るのであった。


....そして、この『ファンタジー・ロマリア』のゲームによって三人の運命が始まるのであった。





~作者より~

第六章になりました。

この章は正樹が転生したグレンの視点と明菜とみどりと明日香の召喚者の視点。

そして、クラリスの視点からの話になります。

途中まではシリアス展開になりますが、後半以降は......お楽しみ下さい。




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