第21話 王家の墓⑤

そして、正樹達と魔族『死霊使い』ガルーダと10体のスケルトンジェネラルとの戦いが始まった。

召喚された10体のスケルトンジェネラルは、ガルーダを中心にして両脇に2体ずつ配置と前衛に2体、前衛の2体の後ろに左右に2体ずつ配置していた。


「先ず、俺が攻撃を仕掛けるので、明菜は俺のフォローを頼む。」


「了解。」

正樹は明菜に支援魔法で強化してもらってから、前衛にいるスケルトンジェネラル6体対して二本の剣を持って攻撃を開始するのだった。

最初にスケルトンジェネラル達が正樹に向って斬り込んでいく。

それをかわしながら、両手に持っている剣で斬り込んでいくが、相手は正樹の剣を受け止めて斬り返しをして来た。

それを正樹は素早く受け流す。

そう言った攻防が1分程かかっていたのだった。

正樹は時間がないと悟って、


「......やっぱ。このスラスのアンデットだとユニークスキルなしでは傷一つ付けれないな。 『あれ』を使うしかないのか? しゃあないな...。いくぞ!ユニークスキル『無限の可能性』発動!」

正樹は戦いの時は普通のスキルを使って敵を倒していったのだが、相手がスケルトンジェネラルという災害級のモンスターの為、強敵の場合のみ、ここぞって言う時に使うユニークスキル『無限の可能性』を発動したのであった。

正樹の身体が赤く輝いて、素早くスケルトンジェネラルに対して突っ込んで行った。

....『無限の可能性』....それはパーティメンバーが異性が居た場合に本人自身の能力が2倍にあがるスキルであった。

正樹には明菜と言う異性がパーティであった為、発動条件に当てはまっていたのである。

効果は一日。

余りにも強力なスキルの為、制限が一日一回しか発動出来ないのである。

『無限の可能性』を発動させた正樹は剣を持ってスケルトンジェネラルに必殺の武技を叩き込んでいくのであった。


「秘技『千手観音剣』」


正樹の両手が高速で動きまるで千手観音みたいに剣が無数になって相手の両手を斬り落とした。

それをみながら明菜が聖魔法で援護攻撃をする。


「「ホリーアロー」100連発!」


100発のホーリーアローが6体のスケルトンジェネラルに向っていった。

両手を失った相手はそのままホーリーアローに刺さって消えていったのだった。


「残り4体だ、一気に決めるぞ!」


「わかった!」


正樹と明菜は残りの4体も先ほどの同じ連携攻撃をして残りの4体も消滅させたのだった。


「こいつら...。粋がるのでない! アンデット召喚!」


悔しがっているガルーダは別のアンデット召喚をしようとしたが、


「呼び出せないよ! 「サイレント・ストーム」!」


明菜が出した沈黙の風がガルーダに向って放って行って、ガルーダはその風に当たって後ろに飛ばされて壁に激突した。

ガルーダは立ち上がり正樹達を睨みつける。


「ぐは...このアマ殺してやる..アンデット召喚...。...何故召喚出来ない!」

ガルムは明菜に怒鳴りつける。


「これは『サイレントストーム』と言ってね、この風に当たると一時的に呪文や召喚術が使えない『サイレント』の効果が発揮する魔法なのよ。」


「なんだと....。このままでは俺が負けるのか? 此処は一旦引くしかないか?」


それが『死霊使い』ガルーダの言った最後の言葉になるとはガルーダ自身思わなかった。

ガルーダはこの場から逃げようとすると正樹はガルーダに対して最後の攻撃をするのであった。


「ガルーダ! これで終わりだ! 武技「十字剣」!」


正樹の剣がクロスしてまるで十字架のような剣筋でガルーダに切り裂いて行く。

ガルーダの身体が十字に分かれてしまい...そしてガルーダは灰となって消えて行くのであった。


「ふう...終わった。」


「正樹。アンデット召喚されるとキツかったわ。何とかアンデット召喚を防いだのが大きかったわ。」


「それにしても、結構時間がかかったよな?」


「そうね。まあ災害級であるスケルトンジェネラルを召喚したからそうなるわね?しかも、あなたの『あれ』を出す羽目になったね。」


「まあ。この『王家の墓』は何かあると思っていたが、この先に結構ヤバい相手が居るかもしれん。」


「そうね。注意しないと。後クラリスさんって言う人の安否も気になるわ。」


「俺の予想通りなら、あいつらが言っていた『儀式』までの時間はあと少しみたいだな?」


「どうしてそう思うのよ?」


「あいつらの『儀式』には一つだけ重要な条件がもう一つある。」


「それって?」


「『儀式』には新月でないと出来ないからだ。そして今日は新月の日。今は午後6時だから、つまり後3時間程で新月になるからだ。明菜。急いで第九層に行くぞ。新月までは後3時間程度しかない。注意して進もう。」


「分かったわ。急ぎましょう正樹。」


正樹達は第九層への階段を登っていくのであった。


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