第87話 VS空中要塞④

嫁達がアポロンでダークの軍勢と戦っている最中、アポロンから発射した白い球体が空中要塞の司令部らしき所に命中した。

それを見た葛城慎太郎は


「早いなあ。待っていたぞ。松風正樹!」


すると白い球体から正樹が出て来たのであった。


「待たせたなあ。葛城慎太郎。」


「もう5年ぶりか....。お前は何もかも知っているのであろう?」


「ああ。「女神エレナ」が教えてくれた。」


「やっぱりな....封印が少し壊れていたのだな? ギリオンのバカめ。城を破壊するから。」


「あんたは知っていたのか?」


「そうだよ。正樹君。そのお陰で女神エレナは別の場所に送ったわ。」


「教えてもらおうか? その場所をな!」


「俺に勝ったら教えやるよ。まあ.....君だけでは無理だろうな....。」


「やってみないと判らないぞ?」


「俺もこの姿ではちょっと部が悪いから....本来の姿にさせてもらうぞ!」

慎太郎の身体から黒い煙を出て慎太郎の身体を覆った。

そしてその煙は大きくなって....慎太郎の本当の姿が現れた。

その姿は、顔は慎太郎であったが、頭に大きな角が中央に一本生えていた。

肌の色は黒く、細目の身体が筋肉マッチョになって胸には大きな赤い魔石が埋め込められていたのであった。

その姿を見た正樹は


「あんた....『鬼』か?」


『その通り...俺が葛城慎太郎から『黒鬼』ベルガになったのだ。』

慎太郎...ベルガは手から黒い煙を出して一本の刀を取り出したのであった。


『この刀は『滅却刀』でな....これに殺された奴の魂は転生とか出来ないのだよ?』


「そうか...それじゃあ。俺はこれを出す」


正樹は空間魔法で2本の刀を取り出した


「此れが俺の刀だ。女神エレナから貰った刀「雷鳴刀」と「水神刀」でお前を斬る!」


「「いざ!勝負!」」

正樹と慎太郎ことベルガの戦いが始まったのであった。


先にベルガが斬り込んで来た。

すばやく回避する正樹であったが、ベルガの剣先に触れた為、少し胸の部分が切れてしまった。

しかし、その隙に正樹の二刀流がベルガにも触れた為、正樹と同じように胸の部分が少し切れていたのであった。


『ほう...中々やりよるなあ。』


「そっちこそ、身体の割には素早い..。」


『此処から本番だ!』


「こっちも行くぞ!」

正樹とベルガはお互いに斬り込んで行く。

お互いに斬ると刀で受けて、また斬り込むと回避しながら斬りこみ......。

正樹とベルガの身体は傷だらけになっていたのであった。

しかし...有利になったのはベルガであった。

傷だらけの身体は胸に埋め込まれた魔石が光り、傷が回復していくのであった。


「瞬間再生か?」


『その通り。俺のユニーク「瞬間再生」だ。お前には絶対に勝てない理由がある。』


「どういう事だ?」


『お前、今「無限の可能性」を使っているだろう?』


「それがどうした」


『その「無限の可能性」はな.....邪神ギルガメッシュ様がお前に与えたスキルだからだ。お前はギルがメッシュ様の眷属には無効なんだよ? この理由わかるよな?』


「だったら、どうする?」


『まだ。強く言ってられるもんだ....ならこれで終わりだ! 『鬼炎剣』!』

ベルガの刀が黒く燃え上がってベルガの周辺から熱くなっていく。

そしてベルガは刀を振りまわりて一つの大きな黒い炎の球体を作って、正樹に向けて放った!

正樹は、二刀流で受けたのだが、黒い炎の球体は爆発して正樹を飛ばしたのであった。


『ほう...これを食らっても生きているのか...関心したわ。』

ベルガはボロボロになっている正樹の所に歩いて行き、正樹の真正面に立つと


『それでは、さらばだ。正樹!』


正樹に向って刀を振り下ろしたのであった。


キイイイイイイイン!


正樹は仰向けに二本の刀でベルガの刀を受け止めた。

だが、段々と正樹の力が弱くなって行くのであった....。

正樹の絶体絶命....。

その時、何処からともなく炎の玉がベルガに命中したのであった。

ベルガは咄嗟に後ろに下がる.....。

そして、炎の玉を撃った場所には、

明菜と明日香とみどりが立っていて、後ろにはクラリスがエリーゼとエリミアを庇いながた立っていたのであった。


「あなた! 大丈夫!」

明菜が正樹の状態を見て叫んでいた。


「来るなって...言っただろう」

正樹は立ち上がったのであった。


「正樹。加勢するわ。」

明日香が加勢しょうとすると正樹が止める。


「来るな! こいつはお前達では無理だ!」


「なんでなの!」

と明日香

「正樹君。回復するわ。」

とみどり言うと正樹はそれを断った。


「いらん!」


「どうして!」

明菜が叫ぶ。


『おや。其処にいるのは緑川明菜さんではありませんか?』


「貴方は...慎太郎さん?」


『そうだよ....君の恋人の慎太郎だよ? 俺に会いに来てくれたんだ。』


「.....。」

黙っている明菜。其処へエリミアが正樹に言うのであった。


「マサキさん! 今から『あれ』を使います! それを使って...あの鬼を倒して!」


正樹はエリミアの声を聞いて、ある決意をするのであった...。



~作者より~

明日で第五章の終了と第六章が始まります。

第六章は主要キャラの視点での話が中心になります。

後半には濃いキャラを出そうと思いますのでお楽しみ下さい。

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