第48話 エピローグ①

邪神ギリオンの戦いが終わって約一週間ほど経過していた。


迷宮都市シルバーレイクの正樹達の自宅の中にある自室で正樹は眠っていたのであった。

ギリオンの戦いが終わった後、正樹の身体は擦り傷とやけどが酷く、みどりの治癒魔法でやっと息は出来るようになったので、明菜が転移魔法で自宅の寝室に運んでいたのであった。

朝昼晩みどりの治癒魔法での治療が功を奏し、怪我は完治したが正樹はまだ起きていない。

正樹が目が覚めるまでの間、嫁達は時間を決めて交代で看病していたのである。

ある日の朝、正樹が目を覚ましたのであった。


「....おはよう....みどり...。」


「正樹君!」

みどりは正樹に泣きながら抱き着いた....しかし...みどりの胸が正樹の顔に入ってしまい...


「みどり!胸!胸どけなさい!」

明日香が正樹からみどりを引き離した。


「みどりちゃん....。それは反則だよ? マジで正樹が天国に行ったわよ?」


「すいません.....。」


「旦那様...大丈夫?」


「ああ。大丈夫だ...俺が気絶してどれぐらい経っているのか?」


「大体約一週間かな?」


「そうか...腹減ったから何か食べ物をくれないか?」


「正樹君。待っててね。消化の良い食事を持って来るね。」

みどりは台所に行き食事を作りに行った。


「あんた。食べたら少し寝る?」


「いいや。大広間で俺から少し話をしたい。」


「「「分かった。」」」

するとみどりが朝食を持って来て正樹はそれを美味しく食べたのであった。

その後、全員が大広間に集まり正樹は嫁達に感謝の言葉を言ったのであった。


「色々とあったけど、先ずは当初の目標は達成した。ありがとう。みんな。」


「「「「うん。」」」」


「それでクラリス以外の嫁に聞きたいのだが? 『ファンタジー・ロマリア』をプレイした事がある人はどんだけいる?」


みどりは明菜に聞くのであった。

「明菜さんは『ファンタジー・ロマリア』をしていなかったですね?」


「そうよ。みどりちゃん。」


「私は明日香に誘われて始めたので約2か月ぐらいかな?」


「私はみどりを誘う前にプレイしていたからっても約半年だよ?」


「俺はこのゲームが始まってプレイしているからもう5年かな?」


「「「マジで廃人じゃん。」」」


「まあ。それに近いだけどな...。それでこの世界も『ファンタジー・ロマリア』と同じ世界観なのはみどりと明日香は何となくだが分かるはずだ。」


「「うん。」」


正樹はゲーム『ファンタジー・ロマリア』の説明を詳しく話した。


ゲーム『ファンタジー・ロマリア』は約5年前に発売したPC専用オンラインMMR-RPGのゲームである。

『ロマリア』と言う世界で自分が主人公になって職業を選択して各国のクエストをこなして行くエンディングなしのゲームだが、注意点は職はランダムに決められてしまうので一回で良い職が出たら問題ないが、出ない場合は5回までリセットが可能。

ただし5回過ぎたらそのソフトは使用出来ないくしかも価格は一本1万2千円でしかも最大1万人しかプレイ出来ないと(此れはゲームを開発&発売した会社は大手であったが分野が違う為とある人物の趣味に近い内容で会った為、大規模での戦略をしなかった。だからサーバーは限定1万人が使えるサーバー数になったのである。)それと、一人一本まで購入出来ない(身分証明が必要)

色々制限があるソフトであったのと元々開発者の趣味で作ったので、売れたのは7000本ぐらいであったのだった。

(巷ではクソゲームとか言われているがプレイ難易度は難しく、中身は王道のRPGの為、オタクが多かったのだ。)

職業が戦闘職約40.生産職約20.クズ職と言われる下級職約40.合計100種類もあるのだが、

1回で戦闘職になる確率20%(勇者と聖女は0.001%)・生産職10%・下級職70%(その内クズ職と言われている職約1%)

特に正樹の『無』は約0.00001%で明菜の『メイド』は0.01%である。

職をカンストすれば上位職に転職出来る。例えば『剣士』だとレベル100で『剣聖』に転職が出来る。ただし勇者と聖女と『無』は特殊なので転職は不可となる。生産職はレベル40で転職可能(但し上位職はなし。)下位職(メイドも含む)はレベル10で転職が可能だが、戦闘職と上級職には転職出来ない。生産職への転職は可能だが最高3つまで転職が可能である。例外は「メイド」と「執事」は最大10個まで転職が出来る(裏技で上位戦闘職に転職が出来ると言われている。)

正樹の説明が終わると明菜が質問してきた。


「正樹はその内容をどこで知ったの?」


「それは俺のオタク友達から聞いたのだ.....。そいつマジでポッチだったので俺しかオタク仲間がいなかったのだ。明菜の『メイド』は何故かそいつの妹が偶然『メイド』職になって、友人が妹にそれでプレイしてみろって言われてやって見たら「賢者」になったんだ。その転職方法は奇跡だったわ。」


「なるほどね。」


「それでゲームの話とリアルのこの世界の違いは①先ずリセットが出来ない。②ゲームでは蘇生魔法で復活が出来るが(但し3回まで)リアルでは蘇生魔法は存在しない。ロマリア王国内の図書館で確認済みだ。そして元の世界の戻れる可能性は.....0に近いと思う。」

正樹はそう言ったら、みどりと明菜と明日香は声を大にして


「「「覚悟は決まっている。」」」


「俺は元に戻っても一人だから問題ないけど。他は家族とかいるのじゃないの?」


「私も一人だから。」

と明菜は言う。


「私は家族はいるけど、好きな旦那様と一緒なので問題ないわ。」

とみどり。

そして最後に明日香は


「私は中学から正樹と腐れ縁だからね....問題ないわよ。」

とツンデレな言い方をしたのであった。


「そうしたら。教えてくれないか? ギリオンとの戦いの後始末を」

正樹は嫁達にその後の後始末を聞くのであった。



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