第61話 襲撃者④
次の日の朝、
正樹以外の全員が起きて来て外に出ると其処は血の海になっていたのであった。
「これって.....どうなっているの?」
とみどり。
「ねえ。小屋の人達も死んでいるわ。」
と明日香。
「あそこに.....正樹が寝ている...正樹起きて!」
と明菜。
明菜の声で正樹は目を覚ましたのだった。
「やあ....おはよう。」
其処で明菜が
「何がおはよう? って言うのよ!」
「正樹君。何でこの様な事になったの?」
正樹は全員に説明をしていくのであった。
正樹以外の全員が寝ている頃、正樹は別のテントで寝ていたのだが、獣国からの暗殺特殊部隊と雇われた盗賊が正樹を襲撃しようとしたが、正樹はこれを壊滅させた。
そして正樹の隣に死んでいるガビルをシルベールとリリに見せると
「このガビルって奴知っているのか?」
「私は見たことがありません。シルベールは?」
「....私も知りません....。」
「どうやらこの虎族は獣国レオバード連邦の暗殺部隊って言っていたが?」
それを聞いたリリは青ざめた顔で
「....まさか....現議長の親衛隊...。」
「その現議長の親衛隊って?」
正樹はリリに尋ねると横からシルベールが割り込んで話すのだった。
「現議長には直接の部下が居まして「三獣士」と言われる人物がいるのです。狼族のフラッグス。狐族のフォックス。そして虎族のタイガーシンと言います。その虎族のタイガーシンの配下だと考えられます。やっぱり。議長はエルフ族を壊滅しようと考えているみたいですね....。」
「それで何でシルベールさんとリリさん。特にリリさんの捕縛を狙っているのか?」
「そこまでは私にもわかりません...。」
「そうなると港町ベルシアにリリさん達を襲ってくる相手がいるかも知れんな。」
正樹はシルベールに正樹の考えを聞くと
「その可能性はあると考えます....。どうしますか?マサキさん。」
「そうですね。相手の出方が分からないので、このままベルシアに行った方が良いかと思うけど。みんな。それの方向で良いよな?」
「「「「問題ない。」」」」
嫁達は正樹の意見に賛同して、
「マサキさんの言う通りにします。」
リリも正樹の意見に賛同したのだが、一人だけ反対の意見が出たのであった。
「私は反対です。」
シルベールが反対したのであった。
「どうして?」
「相手がいると考えられるベルシアに行ったら私達が襲われる可能性が高いです。ですからマサキさん。貴方達が先にベルシアに向ってその相手を倒して下さい。」
「シルベールさん。俺達を先にベルシアに行っても誰が二人の護衛をするの?」
「だったら、貴方一人だけでもベルシアにいる襲撃者を倒したら問題ないはずだ!」
「あのさ....シルベールさん。あんた、ベルシアに行った事あるよね?」
「....ある。」
正樹はシルベールの話に疑問を感じた。
(おかしい。シルバールさんの言い方。何か知っている可能性があるよな?
確か、ベルシアは港街でもあるがロマリアの最大貿易都市だ人口は約10万人もいる。一人でベルシアに向っても見つけられるはず可能性は低い...全員で行って相手の出方を見ながらの方が一番確実のはずなのに? それを拒否してシルベールさんがリリさんを守る? そのそも俺達は2人の護衛だったはずだ....。これって....まさか....。)
正樹はそう思って考えていると明菜が提案を出したのである。
「シルベールさん。全員でベルシアに行って大きな宿に泊まる。其処で襲撃者を迎え打てば問題ないかと思うわ。シルベールさんとリリさんの安全は私達が絶対に守ります。」
「いや....。それはダメだ。」
シルベールが駄々を捏ねているとリリが
「シルベール。アキナさん言う通りにしましょう。そうでなくても船で少しでも首都レオバードに行かないと行けないのよ? マサキさんがその襲撃者を見つけるのに何日かかるかわからないわ。だから,アキナさんの提案が一番確実だから。」
「しかし...リリ様。」
「此れは命令です。シルベール。」
「...はい。」
シルベールは渋々と答えるのであった。
それを見た正樹は念話で嫁達と会話をするのであった。
『みんな。注意しろよ。特にシルベールさんの行動に。』
『なんで?』
明菜は問いただす。
『シルベールさんの言い方に何かある。嫌な予感がするからだ。』
『そうね。みどり。どう思う?』
『明日香。私の意見だと何か隠している見たいだわ。』
『旦那様。『三獣士』の事は私は知っている。』
『クラリス。知っているのか?』
『確か、行く前に女王から聞いた話によると、『三獣士』は獣国の勇者パーティのメンバーで議長の配下ではないと報告を受けている。』
『それは本当か?』
『間違いない。獣国にも冒険者ギルドがあるから。首都レオバードではないけど中立地区があってそこの冒険者ギルドの情報なので。』
『そうか。リリさんは知らないみたいだが、シルベールさんは知っている気がする。』
『そう言う事になる。旦那様。』
『分かった。皆注意してくれいいな?』
『『『『了解!』』』』
2日後、正樹達はベルシアに到着するのであった。
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