第82話 女神エレナ

『お待たせしました。松風正樹さん』

女神エレナは微笑みの顔で正樹に答えたのであった。

正樹はエレナに気になる事を聞くのであった。


「女神エレナ。色々と聞きたい事があるのだが?」


『はい、良いですよ。』


「俺が聞きたいのは、先ず元第四王女のエリミアの事だ。エリミアのスキル『女神の使徒』ってなんなんだ?」


『『女神の使徒』は私の恩恵を受けて、私からの神託を聞く事が出来ます。今の所はエリミアとロマリア国女王のビクトリアしか使えませんが。それとエリミアにはもう一つ『召喚』を持っています。それは邪女神エステリーゼが使っていた『召喚』とは違い、エステリーゼは特定の人を召喚すると周りにいた人物まで召喚するのですが、エリミアの『召喚』は特定の人のみ召喚出来るのです。『召喚』をすると200年使えません。エステリーゼは200年我慢すれば再度『召喚』を出来るのですが、人族であるエリミアが使うと人族の寿命が最大で100年としても100年不足になるので絶対に死にます。葛城慎太郎はエリミアの『召喚』スキルを使って異次元からある人物を召喚しようとしているのです。』


「ある人物とは?」


『それは別の異次元の『日本』にいる『葛城慎太郎』です。』

女神エレナは慎太郎の本当の目的を言うのであった。

それは正樹にも関係している話であった。

女神エレナは続けて話すのであった。


『異次元の『地球』にいる『葛城慎太郎』の身体が欲しいのですよ。その異次元のの『地球』では魔法が使えるのだから。召喚した『葛城慎太郎』を殺して、今いる葛城慎太郎と『融合』するのにリリアンヌさんのスキル『精霊王』を使って精霊王を召喚させて精霊王のスキル『融合』を殺した『葛城慎太郎』と自分を融合させる為に、そ『精霊王』を召喚出来るリリアンヌを捕まえて改造して己のコマにしようとしているのです。それは貴方にも関係があります。』


「俺に関係ってどういう意味ですか?」


『そもそも、貴方のお嫁さんの中で緑川明菜さんと仁科みどりさんと望月明日香さんは同じ『地球』であっても魔法が使えない『地球』で貴方は魔法が使える『地球』から召喚されたって事ですね。』


「そうなると。俺は明菜やみどり、そして明日香のいた『地球』には元々存在しなかったって事か?」


『いいえ。存在していますけど...既に死んでいます。邪神ギルガメッシュのせいでね。』


「あの邪神ギルガメッシュが原因か?」


『そうなのです。貴方は死んだ『松風正樹』の身体を私の力で『融合』させたのですよ。だから貴方には二つの記憶も融合してしまったのです。本来の貴方は異次元の『地球』ではあの飛行機事故で死んだのですよ。同時期にもう一人の『あなた』もギルガメッシュが殺したのです。私は二つの魂を一つにして魔法が存在しない『地球』に転生させたのですよ。』

初めて聞く、正樹の本当の出生の秘密を。


『後、これだけは伝えないと行けません。貴方の嫁と言われる女性達、クラリスさん以外は貴方の『無限の可能性』を使えば『帰還』させる事が出来ると以前言いましたが、『帰還』したら貴方に対する記憶が無くなるって事です。つまり....帰還した『地球』には貴方がいた存在自体ありませんけど、それで良いのですか?』


「ああ。それで構わない。あいつらだけでも『地球』で幸せに暮らして欲しいから。」


『ならば、あの葛城慎太郎を倒す前に貴方は『無限の可能性』を3回発動しないといけません。一つ目は葛城慎太郎を倒す為、二つ目はエステリーゼによって『地球』から召喚された3人を『帰還』させる為、三つ目は、クラリスさんとエリーゼさんとエリミアさんを『転送』させる為、貴方の『無限の可能性』を連続発動できるのは三回までです。4回すると....貴方が消えてしまいます。本来の『無限の可能性』は一回発動すると一日のクールタイムがあるのですが、連続発動は可能ですけど、それは貴方の寿命が縮まると思って下さい。』


「分かっているさ。もしも、俺が消えたら...あんたが何とかするだろう? 俺にこの「ロマリア」を救って欲しいとお願いしたあんただからな?」


『はい....。それで『帰還』の指輪は完成したのですか?』


「もう出来ているさ。『指輪』は付けると取れなくして置いた。『帰還』と『転送』したら外れるようにあんたが言った魔法陣を組み込んだからな。」


『それなら良いのですけどね...。』


「次の質問だが、エリミア以外で『女神エレナの使徒』を持っている人物はいるのか?」


『今の所はエリミア王女とロマリア王国女王のビクトリア女王でありますが、後はクラリスさんに与えようと思っています。』


「クラリスだって?」


『はい。クラリスさんには『女神の使徒』の前の『女神の加護』を受けています。私の加護を受けた人が『女神の使徒』になるには、〇〇〇を探し出す為に必要なのです。』


「〇〇〇はどう言う意味を持っているのだ?」


『それは貴方には教えられません...まあ、いずれわかるでしょう。』


「最後の質問だが...。もしも明菜とみどりと明日香が『帰還』した後、もしも、この世界に戻ってくる可能性は?」


『可能性は0ではありません。約0.000000000001%です。分数で言うとおよそ100億分の1の確率です。彼女達が此処に戻るキーは○○○○○○○○〇です。』


「戻るキーは教えてくれないのだな?」


『それは彼女達がそのキーを見つけ出すのが条件なのです。』


「今の俺には必要ではない話だな?」


『はい。それで、絶対に葛城慎太郎を倒して下さい。貴方には『例の剣』を二個渡しているので。』


「ああ。ありがとう。女神エレナ」


『それでは私は此処で失礼しますね。半分封印された状態なので今話せる時間しかできないのです。』


「ああ。後は任してくれ。」

女神エレナは消えていったのであった。


空中要塞を攻撃する日まで....後3日。


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