第89話 ギルドのガンスリンガー、三人
で、その孫のクライドという少年の方は、どうやらゲティスバーグの炎龍殿に興味が有るらしい。
年齢は十代後半と言ったところか。
フッ、ジムと握手で力比べをしている様だ、ジムに強く握り返され脂汗を流しておる。
「これ、クライド、それくらいにせんか!これは、孫が失礼しましたな。炎龍殿」
炎龍殿と呼ばれ、ジムが複雑な顔をする。
「でもよぉ、爺ちゃん、ホンモノのゲティスバーグの炎龍だぜ♪」
「はぁ~、スマンのぉ、炎龍殿」
ゴツンと孫の頭に拳骨を落とす。
そう言えば、ワシの孫娘は聞き訳が良かったせいか、あの様なスキンシップは
「ハハハ、構わ無えさ。オレもガキの頃は、良く兄さんに絡んだモノさ」
「で、エドにこっぴどく、お仕置きされてたよな♪」
「おいおい、そいつは襲撃の共犯者のお前も同じだろ♪」
「ハハハ」
そして、もう一人の男が歩み寄ってくる。
若いな。
年のころは、ジムとさして変わらんほどか。
不自然なまでの笑顔。
明らかに作り笑顔だな、目が笑って
それに、こ奴……。
「何の積りだ?」
明かな殺意をワシに向けておる。
「アハハ、気付かれましたか。これは失敬。オーガをサーベルでなます切りにされたと、伺いましたのでね。どれほどの腕かと思いまして。ま、強い相手を見定めるのは、ガンスリンガーの
そう、恭しく手を差し出し、握手を交わす。
だが、その間も、こ奴は殺気を抑えることは無い。
随分と癖のある男の様だ。
それとも、この世界に生きるガンスリンガーという人種は、元来こう云うモノか?
ジムの時も、仕留めれる筈のトロール・ベアをワザと殺さず、ワシを試してきおったからな……。
「ドウマだ。ワシを試すのは構わんが、どうせ試すならそこの炎龍殿の方が面白かろう」
「いえいえ、ゲティスバーグの炎龍殿は試すまでも無く。ですが……ミスター・ドウマ。こうやって握手を交わして、あなたがどれほどの物か……これ程
「まあ、ともかく仲良くやってくれ。自警団の若い連中も紹介したい所なんだが、皆町の後かたずけに借り出されていてな、ま、おいおい二人に紹介するとしよう」
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