第118話 ゴブリン・クイーン、二体
その人影は、壁の上を東に向かう。
そして、目線を東の方に向けると、巨大な影が二体。
その大きさはともかく、
間違いない、
一体は炎を避ける様に、東の方へ。
もう一体は、その炎を踏み消す様にこっちに向かって来る。
あの男が、これ見よがしに、壁の上を東に向かって走り出したのは、東に向かった
そして、向かって来るもう一体は、ワシに任せると。
「うむ、承知した」
十四年式の空に成った弾倉を捨て、新たに弾倉を差し替える。
刻印は大と描かれたものだ。
この弾倉を使うのは、森を出て以来か。
今、眼前から向かって来るのは人では無く、まごう事無き化け物、遠慮は必要あるまい。
それに、壁からはいささか距離もある、そうそう目立つ事も無い。
「さて、いざ参る!」
あえて、
あれ程の巨体、壁に近付ける分けには行かんからな。
その為か、先日のオーガより頭一つ分背が低く見えるが、その巨大な下半身の分、オーガより重量感がある。
実際、
アレが壁にぶち当たれば、まずひとたまりも無く突き崩され、ゴブリン共に雪崩れ込まれてしまう事に成る。
だが、そうは、させるモノか!
巨大な
燃え盛る炎など、まるで意にも介して居らん。
ターン、ターン!
バン、バン、バン!
思いの外、正確な射撃だが、ワシを捉える事など出来ん。
ズドン、ズドン!
ワシの放った弾丸は、ゴブリン共を数体
だが、この大砲を以てしても、あの
「と成れば、今一度」
ゴブリン共の銃撃を、飛び跳ね
「くっ!」
一瞬、全身の筋肉に痛みが走る。
さすがに連続で三度もこの術を掛けると成れば、体に掛かる負荷は結構なものだ。
まあ、耐えられん程では無い、今のところはな、だが……明日は少々、筋肉痛に悩まされる事には成るだろうな……。
ズドン!
更に、
ズドン!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます