第133話 尋問、バーニーの行方

神父の部屋のドアを開け外に出ると、オーウェンが神妙に聞いて来る。

「ドウマ……マーサの様態は……?」

「うむ、もう心配ない。明日には、歩けるようにも成ろう」

「ほ、本当か!?」

「フッ、ワシに聞くより、本人に合って確かめた方が早かろう」

ワシがそう言うと、オーウェンは神父の部屋に飛込む。


「よ、良かった……マーサ…………」

大の男が、声を出さずにむせび泣いておるのが分る。


「おい、マジかよ……だが、ホントに良かったぜ」

そう言いレナードが部屋に入ろうとすると、ジムが止める。

「おいおい、いま邪魔しちゃ野暮だろ♪」

「ハハ、確かにな」


ちょうど、その時ケニーが駆け寄って来る。

「ジムさん、ドウマさん。ギデオンさんが戻ってきました」


「ではジム、行こうか。次はバーニーを助け出さねば成らん。さっきの男を尋問するぞ」

「ああ、旦那」



教会の礼拝堂に戻ると、男がギデオンに縛り上げられ、座らされている。

「けっ!俺は何もしゃべら無ぇぜ!しゃべってアイツらに拷問されるより、テメエらにリンチに合った方が楽ってもんだ!ハッハッハ!」


ギデオンが歩み寄って来る。

「まあ、見ての通りだ、ドウマ。さっきからこの調子でな。で、どうする……何本か指でも切り落としてみるか?」

「フッ、止めておけ。子供や御婦人方の前だ」

まだ、此処ここには避難している、女子供が居る。

「ハハハ、そうですな」


「ともかく、ワシが尋問しよう」

縛り上げられた男の前に歩み出る。


「ね、猫の亜人だとっ!ま、まさか……俺を生きたまま喰おうってんじゃ……ヒッ、ヒィィ!」

まったく、どんな偏見だ……。

だが、敢えて、誤解を解く必要も無い。


男の目の前で、右手の鍵爪を伸ばして見せる。

そして、男の頬をうっすらと、血が滲む程度に引っかいてやる。

「ヒィィ!」


「ワシの聞きたい事は、一つだけだ。さらった子供の行方ゆくえを教えろ」

「し、知らねぇ……し、知ってても、お前らには喋る積りは無ぇ!は、早く俺を殺せ!」


うむ、なかなか肝の据わった男……と言う分けでも無さそうだな。

完全に怯えた目をして居る。

恐らく、ヤツ等の拷問とやらが、余程怖いのであろう。


「旦那、如何どうする?俺たちにリンチされて殺されるより、ヤツ等が怖いらしい。やっぱり、表に連れ出して、拷問にかけた方が早いんじゃ無いか」

「うむ、まあ、死より恐ろしい拷問と言うモノは数多あまたある。ヤツ等の手口は知らんが……フッ、ワシもその手の術は心得ておる」

そう、男をひと睨みする。

「ヒッ、ヒィィ!や、やれるもんならやってみな!」


「うむ、已むを得まい。時間も無い。そうさせて貰おう」

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