第90話 スマンが、そいつは教えられん
「それで、そのゴブリン共の次の襲撃に備えて、何ぞ策でも考えて
一応、聞いておく必要が有る。
だが、そのワシの問いに、オーウェンは腕を組み、難しい顔をする。
「うむ、正直、今の町の状態では
まあ、この町の状況を見る限り、致し方あるまい。
成らばいっそう、そのゴブリンとやらの巣を、ワシが殲滅するのが手っ取り早いのだが……。
「それで、そのゴブリンの巣ってのは、
ワシの意を
が、オーウェンは腕を組み暫し難しい顔で考える。
「スマンが、そいつは教えられん」
「それは、どう云うこった、オーウェンの旦那?」
「どうせゴブリンの巣を、偵察とか言って、見に行くんだろ?」
「当然さ。こちらから仕掛けるにしろ、攻め込まれるにしろ、敵戦力の把握は戦術の基本だぜ」
「はぁ~、それがマズいんだ。ヤツ等を刺激することに成る。前回、フロンティアギルドに討伐を依頼した時に、彼らが不用意に偵察に向かったせいで、ヤツ等を刺激して大規模な襲撃に有ってる。今、こんな状況で、ゴブリンに襲撃されてみろ、それこそ大惨事だ」
成るほど、人間が相手の基本的な戦術も、人外のモノ相手と成ると別の話と言う事か。
「して、ワシらが偵察するかどうかはともかく、一度偵察して居ると云うならその戦力は、ある程度把握して
「うむ……討伐隊の話では当初、およそ二千匹だと言っておった。ゴブリンのコロニーと言うのは大体、千~二千ほどに成る。ま、その最大値と云う事だな」
ん、当初?
「討伐隊でぎりぎり対処できると判断し、彼らは討伐に向かったんだが……実際は違ったんだ。コロニーは一つじゃ無かった。生き延びて帰って来た者の話では、もう一つ巣が有ったそうだ」
「おいおい、まさか、エンプレスが居たってのか!?」
ジムが驚愕の声を上げる。
「恐らくな。それが
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