第49話 あの日の出来事、不運
「一昨日の夕刻の事だ、コブリン共が大挙して押し寄せてきやがった。以前から何度も、襲撃は有ったが今回は特に数が異常だった。やむなく、俺も自分の農場を
「それで、兄さんは?」
「俺は教会の塔から見守っていたが……当然、上手く突っ切ったさ。二騎共な。だが、援軍が到着したのは昨日の明け方、ギルドのガンスリンガー達だ……騎兵隊じゃ無くな」
「さっきお前さん、事故で雷に打たれてと、言っておったが?」
「援軍のお陰で、どうにかゴブリン共を追い返して、町を解放することは出来た。町の様子は……まあ、ゲートをくぐって中を見ればわかると思うが、
「兄さん……」
ジムと知り合って数日しか経っておらんが、この男はそう
今も、それをかみ殺しているのが、それとなく感じる。
「ところで、念の為聞くが、争った形跡はなかったのか?」
「うん?妙な事を聞くな」
「まあ、念の為だ」
ゴブリンとやらの襲撃に落雷。
この様な不運、そうそう時期悪く重なるのも不自然だからな。
「勿論、ゴブリン共を突っ切ったんだ。ライフルは手に持っていた。それが、争った形跡かどうかと言われると……正直俺には分らん」
「乗っていた馬は?」
「さあな、エドの亡骸の近くには居なかった。雷を恐れて何処かに逃げたのかもな」
うむ、やはり、妙だな……。
「それで、兄さんの
「エドは家に帰してやったよ。町はこのざまだからな、悪いが葬儀は後回しに成っている。それに、ジェシーや子供達にも別れを言う時間は必要だろうからな……」
「ジェシーと子供達は……?」
「ハァ~……、正直俺は見ていられなくてな。三人の事は、うちのカミさんに任せているよ。お前も早く家に帰ってやれ」
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