第108話 ばれる!?
「うむ、已むを得ん。またジムが軍からかっぱらって来た魔道具、と言う事にでもして貰おう」
「はぁ~、旦那さすがにソイツは無理が過ぎるってモンだぜ……」
「ん、まさか!?」
その聞き覚えのある声と口調に、背後を振り返るとヤツが居た。
「ジム、いつの間に……」
ワシとした事が、抜かった。
背後に潜まれている事にまったく気付かんとは……。
しかも、ワシの魔法を見られてしまうなぞ……いや、ワシは
術はまだ解けておらん。
それでも、ヤツはワシが?
「お前さん、ワシが見えるのか?」
岩陰から現れたジムが、此方に歩み寄ってくる。
「旦那、一体ソイツはどうやってるんだい?どうにか微かに、ぼやけて見えてるぜ。視線を少しでも逸らせば、今にも見失いそうだがな」
何とも、驚いたものだ。
その
もし、こ奴がワシの命を狙う敵なら、もう既に今一度、輪廻の輪に戻って
もう、必要あるまい。
「フッ、ソイツも旦那の魔術ってヤツかい?」
やはり、術を見られてしまったらしい。
「はぁ~、で、お前さん、いつから?」
「クイーンの
成るほど、最初から見ていたと云う事か。
「それにしても驚いたぜ。まさか、旦那が伝説上の魔導士だったとはね」
「ん、伝説?お前さんも、その銃で魔法を放てる。お前さんも、言わばその魔導士では無いのか?」
「ハハ、まさか、オレは銃に弾を込めて、撃鉄を起こして引き金を引くだけさ。魔導士なんてモンじゃ無えよ」
「なら、その魔銃なり魔弾なりを作っておる者達や、魔道具を作っておる者達は?」
「彼らは、ガンスミスと魔導技師さ。まあ、魔法と言えば魔法かもしれんが、あくまで、技術者さ。旦那みたいに、即興で地面に魔法陣描いて、魔法を発動させるなんて芸当出来無えよ。魔銃や魔道具の魔法陣は、製図する様に精密に描かなきゃなら無えからな」
「しかし、魔物共の中には魔法を放ってくるモノが居るぞ」
「ソイツは、本能で放ってくるモノさ。魔法だが術と呼べるモンじゃ無え。まあ、人の中にも、色付きの魔力結晶を持った中には、そう言う芸当が出来るヤツも稀に居るが。ま、実用的な威力は無いらしいぜ。オレの知り合いには居無えけどな」
うむ、やはり、ワシの魔術はこの世界では、かなり異質な存在であったか……。
「まあ、今更、旦那を疑う積りも更々無いが……で、旦那はいったい何者なんだ?」
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