第88話 どうやって斃したんだ?
「で、アンタ、アレをどうやって
「確かに、そいつは俺も気に成ってたんだ。さっき、無理やりオーウェンの旦那に連れていかれて、町の南で倒れてたオーガの解体を手伝ったんだが……なんだあの傷は?どう見ても普通じゃ無え。首を切り裂かれて致命傷を負わされたのは分かる。だが、全身傷だらけで、おまけに右腕は、拳の先から二の腕に掛けて縦に
「ジムはアンタよりも多く、四体のオーガを始末した。だがジムの場合、手持ちの大砲をぶっ放して仕留めたモノだ。まあ、それでも大したものだが、出来ない事じゃ無い。だがアンタは、まさかその腰のサーベル一本でヤツを仕留めたってのか?」
「ハハハ、レナードもオーウェンの旦那も信じられ無えのも無理は無いぜ。だが、オレは前に見せて貰った事が有る。オレが仕留め損ねたトロール・ベアの首を、一太刀で切り飛ばしたところをね。見事な物さ。それに、
オーガを切り裂いたのは、
「まあ……そういう事だ」
「なあアンタ、それ程の腕前なら、ゴブリン共の襲撃の時は頼りにして構わんか?」
「うむ、無論だ。そもそも、この町には少なからず、投資する事に成っておるからな。及ばずながら力に成ろう」
「そうだったな、確か、復興費用も持ってくれるとか。この町の者として、改めて礼を言うよ」
ふと、オーウェンがおもむろに、事務所の隅で此方を品定めする様に見ていた三人の男を手招く。
「それで、二人を呼びだしたのは、もう一つ。彼らを紹介しようと思ってな。彼らはギルドのガンスリンガーだ。先日の襲撃の時に駆け付けてくれて、そのまま、町の警備の為に残ってくれた三人だ。もしもの場合は、彼らと協力し合ってくれ」
目付きの鋭い老人がワシの前に立ち、手を差し出してくる。
その手を握り返し、握手を交わす。
「儂はギデオンと申す。こっちの若いのは儂の孫のクライドだ宜しく頼む。オーガをサーベル一本で切り殺しなさるとは、大したものですな。是非、どの様な戦をなさるのか興味が有りますな」
口調は穏やかだが、背丈に見合わないゴツイ手、それと、ワシを見定めようと、射貫く様な眼光。
見るからに、百戦錬磨の戦士という印象だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます