第7話 子供と会う 

 茂みの中から何が出てきて、驚いて叫ぶと同時に腰を抜かして持っていた、コーヒーをぶちまけてしまった……。情けない……俺!


「あ、あっちぃ~!な、なに?誰……?」


 誰だと言っても何の反応もない……ん?魔物か、人、なに?魔物ならやべぇ~!

 すると、小さな声でなんとか喋ろうとする子供の声が聞こえた。


「あ、あの……ご、ごめんなさい。………け、煙りが見えたから……だれか居るのかと思って……」

「え?ひ、人か。ハァ~~~!びっくりした」


 腰を抜かしたままの姿勢で、子供だとわかってほっとして項垂る。

 はぁ~良かったよぉ~魔物じゃなくてさっ!

 こっちは完璧に無防備だったから……。

 で?何でこんな場所に子供?おかしいだろう普通はさっ?

 ……黙り込んで色々考えてたら子供が謝って来た。


「ご、ごめんな………さい」

「いや、良いけど………」


 なんだ?この子よく見たら、ズタぼろじゃないか?


「えっと……君は男の子で良いの?」

「は、はい」グゥぅーーーとお腹の音が聞こえた。返事をしたとたんに腹がなるって……。


「君、何にも食べてないのか?」

「う、うん」

「そ、そっか……だけど………」


 どうするかな、こんな森の中に一人って……。

 迷子?でも服が……あまりにも酷くて。


「よし!君、名前は?」

「えっと………知らない」

「は?知らないの?何で親は?」

「………?」

 コテンと、頭を傾げるだけでなにも言わないか………。

 親も居ないのか?いても口減らしで奴隷商人に売られたか?

 ………これは………ちと厄介だ。

 だけど会っちゃったからなぁ~。

 仕方ない見捨てる訳には行かないもんな。

 どこかの町で施設に預けるか?


「なあ?君?」

「………な、なに」

「何処から来たのかわかる?」

「………村」

「え?村?」

「カムバネ………村」


 え?か、カムバネ村?何処だよそこはよ!

 えっと………俺マップ使えねぇよな?


(神さん、マップ標示さしてよ?夕べのリクあげッからさ!)


 するとブオンと目の前にマップが出てくる。

 おお、サンキューです。てか!見てるじゃんクソ!

 えっと検索カムバネ村っと………。

 検索結果は……該当なし?なぜさっ!

 あ!この子がちゃんと覚えてないのかな?


「あのさ?何でここに居るのか、分かるかな?」

「えっと……袋に入れられて、真っ暗になって……ガタンって音がしたら落ちた……痛いから歩いた…………」


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