第12話 町へ

 ふわふわ飛びながら、カイトとあれこれ話をする。


「なぁカイト?」

「なに、お兄ちゃん?」

「カイトは8才くらいかな?」

「わかんない……」

「そうか……なら8才でいいか?人から何歳?と聞かれたら8才っていうんだぞ!」

「うん!わかった8才!」


 誕生日は……今日でいいな?今日って4月の18日か?よし!メモしておくかね?


「何処に行くかなぁ~?」


 よく見るとそろそろ町が見える。


「なぁ、カイト?」

「?」

「あそこに町がみえるぞ!ほらあそこ!」


 カイトに分かる様に指をさしてあそこだと見せる。


「あそこ?」

「そう、あそこだ!」

「あそこに行くの?」

「ああ、そうだねそうするかい?」

「分からない」


 まぁ、そうか?俺でもわからん!


「じゃいくぞ!」


 そして、町の近くに人目が付かない場所に降り立つ。


「ほら、降りるぞ?」 

「うん……」

「どうした?カイト歩ける?」

「うん」

「ならいくよ?ほら、手を出して?」



 カイトと手を繋いで町まで続く道を歩く。


「カイト大丈夫かい?」

「うん……だけど……抱っこ」


 抱っこ?あらら……甘えだしたねこれは。

 困った事に成らないと良いけど?


「ほら、なら抱っこだ!おいで」


 カイトを抱き上げて町の門手前までたどり着く。

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