第13話 人見知り?

 町に入るのには門番に、身分証を見せないとならない。

 それと一緒に通行税を払わないと、町にも入れないので列の一番後ろに並んで、順番を待つ事になる。

 良く見ると、そんなに大きくはない町だからすんなり入れると良いな。


「カイト?」


 こそこそと小声でカイトに話し掛ける。


「なに?」

「下りるかい?」

「嫌だ!抱っこ」


 嫌だといってまたガッチリと抱きつかれる。


「そう?」

「うん!」


 参ったね……軽いから良いけど?

 町に入る順番を待ってると、前に並んでるオバサンに声を掛けられる。


「おや?お兄ちゃん、大きな子供を抱いて?どうしたんだい?」

「ええ、弟なんですが……人見知りで。ハハハ」

「そうかい!それは大変だね!大きな赤ちゃんだ!ハハハ」


 豪快に笑うオバサンだが………やめて?余計にカイトが怖がるからさ!


「お兄ちゃん……」


 小声で怖いと、訴えてくる。


「大丈夫だよ!ほら!」

「おや?怖がらせちまったかい?ごめんよ?オバサンは、この町にいる娘に会いに来たんだよ!孫がその子ぐらいの子なんだ!」

「そ、そうですか?なら、会うのか楽しみですね?」

「ああ、楽しみなんだよ……」

「おい!次!」

「あら、あたしの番だ!僕達お先にね?」


 手を振って門番の所に行ったよ……。


「怖かったね?」

「うん」


 そして、自分達の順番を待つこと数分門番に呼ばれた。


「おい!次!こっちだ!」

「はい!」

「おや、子供だけか……親はどうした!身分証あるのか?」

「ええ、この子のは無いですが……私の分はあります。これです、親は……居ないです」


 それだけ言って身分証を門番に渡す。


「ふむ……冒険者ね?」

「その子は?」

「ああ、弟です。少し体が弱くて」

「なんだ?薬でも買いに来たのか」

「ええ、それとギルドで仕事をと、思いまして」

「そうか?兄貴は大変だな。よし!いいぞ奥で銀貨3枚払ったら、町に入って良いぞ!」 

「ありがとう。あ!門番さん、ギルドって何処に有りますか?」

「この道、真っ直ぐに行けば有るぞ」

「そうですか。ありがとう」

「おう、頑張れよ!兄ちゃん!」


 励まされてしまったが……。ちゃんと兄弟に見えたかな?

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