第24話 なんとも言えない宿

 さて、魚屋の親父さんにおすすめされた宿屋の前に着く。

 看板には確かにジンクと書いた看板。


「着いたな……でも、微妙~だぁ~」


 多少小綺麗にはしてるのだろうが……。


「に、兄ちゃん?入らないの?」

「ん?ん~」


 入るかどうかを悩んでいると、宿屋から人が出てきた。


「あら?お客さんかしら?」

「え?ええ、まぁ。魚屋のベイルさんから、進められて来たのですが……」

「あらあら、まぁ~!ベイルが?そう、ならお安くするわ?さっ入って入って頂戴!貴方!御客様よ!」

「あぁん?客だと!」

「ど、どうも……ふ、二人なんですが」


 こ、こえぇ~。なに、あの厳ついのは?


「貴方!また御客様を睨んで!そんな態度だから御客様が居ないのよ!全く少しは!」

「煩ぇ!分かってるよ、そんな事はよ!仕方ないだろ?こう言う顔なんだからよ!ったく。文句なら母ちゃんに言ってくれ」


 ええっと……この夫婦漫才はいつまで続くのかな?


「ねぇねぇ、兄ちゃん?」

「なんだ?」

「宿屋……変える?」

「しっ!少し黙っててな?」


 今考え中だからさ。


「あ、あらそうだったわ!ほら貴方が要らないことしたから、御客様お待たせさせてるわ!さぁこちらに来て?」

「お、おい、母ちゃん!それはないだろ?だいたい!」

「何かしら?貴方。私は御客様のお相手をしないと!さあ、御客様!こちらの台帳に……」

「って、待ってください?」 

「あ、あらなにか?」

「なにか?ではないですよ。俺達はまだ宿屋の料金も聞いてない!」

「あ、あら。そうだたかしら?オホホホ。ごめんなさいね?なら、最初から伺って良いかしら。いらっしゃいませ?御客様は」

「そこからかい!二人で一泊いくら?」

「お二人で、一泊銀貨4枚。食事を、着けるなら銀貨6枚ですよ。お泊まりですか?イベルの紹介なら、一泊素泊まりで銀貨三枚に大銅貨6枚に鉄鋼8枚です。ニッコリ」

「少し待ってくれ、弟と話すから」

「ええ、どうぞ?」


(カイトどうする?一晩泊まるか?)

(あのおばさん怖いから……1泊なら良いよ。なんか怖い……)

(了解。なら、1泊な?)

(うん)


「な、なら、1泊頼むよ素泊まりで良いからさ」

「そうですか?でしたらお部屋を用意しますね?それと、先払いなのですが……?」

「えっとなら、はい!」


 銀貨4枚をカウンターのトレーに置いた。


「お釣ですね?今用意しますから、こちらの宿台帳に、お名前書いてくれますか?」

「わかった」


 ええっとなになに?名前に……年齢?なぜ?

 それと……ああ、名前かぁ~。後は……書き入れる場所はここだけだね。


「はいこれで」

「ありがとうございます。ええっと……ジュリ様に、カイト様。こちらお釣です。それではお部屋まで、ご案内しますわね?」


 そして案内されたのは…2階の角部屋だった。


「では、こちらがお部屋の鍵になります。これからお出掛けのご予定があるなら、鍵は預けてくださいね?それと、明日の出発のご予定時間は?」

「ええっと8時には出ます」

「……そうですか?それではごゆっくり。お休みなさい。フフフ」


 笑って下に下りていったけど…なんでかな?


「さ、さぁ部屋に入ろうか?」

「うん……」


 部屋にはいると、案の定……固そうなベッドが二つにクローゼットのような……服を掛ける棚?


 それだけ。トイレと風呂はなし。


 あ!トイレの場所………って!面倒だな。


「カイト空間開けてそこで寝るがいいか?」

「いいよ?そほうが眠れそうだよ?それにレツも居るからね」

「ならそうしょうか」

「うん!」


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